明治安田J2・J3百年構想リーグ第8節、大宮は甲府とのアウェイゲームに臨んだ。
前節の磐田戦は、絶好調の山本と泉がそれぞれ2得点を決めての快勝。ゲーゲンプレスからのショートカウンター、コンパクトなフィールドで相手ボールを奪い切る守備など、やりたいサッカーを表現しつつ結果も手に入れた。今節も、その勢いを失うことなく敵地から勝点3を持ち帰りたい。
磐田戦からの先発変更は3人。「若手だけでなく、ベテランもチャンスを狙ってほしい」と語っていた宮沢監督は、GKに笠原を今季初起用。中盤の底に中山、最前線にはオリオラ・サンデーが入った。
開始直後、水野の仕掛けと連続CKを凌いだ大宮は、最初のCKがチャンスに。加藤聖のボールをニアサイドに入った茂木が頭で流すと、ファーサイドで構えていたガブリエウが右足でとらえる。これは相手に阻まれたが、最初のセットプレーがいきなり決定機となった。
14分、カウンターから太田にドリブルシュートを決められ先制を許したが、小島と中山を起点にボールを回し、縦を突く。山本、サンデー、泉が立て続けにゴールに迫り、同点への期待を膨らませた。
その後も、ミドルブロックで守る甲府相手に主導権を握る。最終ラインの裏を狙った縦パスを入れて、すばやく攻守を切り替えてボールを奪い返し、カプリーニがドリブル突破を試みる。40分には速攻を繰り出し、小島のラストパスを受けた泉が倒れても諦めずに右足を振り、GK河田にセーブを強いた。
ところが43分、最終ラインからのビルドアップが乱れて、太田に豪快な一発を叩き込まれてしまう。ボールを保持する中でミスが生まれ、失点を重ねてハーフタイムを迎える展開となった。
2点ビハインドで始まった後半、宮沢監督はサンデーに代えて杉本をピッチに送り込んだ。1トップに入った杉本は、甲府の横パスに対して猛烈なプレッシングを仕掛け、正確なポストプレーも披露。だが、流れを引き寄せられない。セットプレーから藤井にシュートを許すなど、我慢の時間帯が続いた。
それでも確実に前線にボールを運ぶと、加藤聖のクロスに茂木が飛び込む。続いて、中山のクロスにも茂木が頭で応え、ゴールを狙う。さらに右サイドでパスをつなぐと、中山の縦パスを杉本が頭で落とし、山本のグラウンダークロスが泉の足下へ。相手をかわして右足を振ったが、決定的シュートはGK河田に食い止められた。
60分、宮沢監督は3枚代えに踏み切る。泉、カプリーニ、茂木との交代で、日髙、松井、関口が勢いよく飛び出してくる。すると62分、関口がするするとドリブルで駆け上がり、日髙にラストパス。走り込んできた日髙はそのまま右足で狙ったが、このシュートは外側からネットを揺らすにとどまった。
時計の針が進む中、大宮は積極的にゴールを目指した。山本のスルーパスに松井が反応するなど、途中出場の選手たちも連動して好機を創出する。ただ、リーグ最少失点を誇る甲府の守備が堅い。ガブリエウと交代した村上が守備陣を引き締め、思い切った前進守備で相手ボールを奪うなど、追加点を許すことはなかったものの、思うようにボールを運べない。
それでも84分、最後尾の笠原からのキックを起点に、セカンドボールを拾って攻め直すと、加藤聖、小島、中山とつないだボールを受けた山本が、右足でゴールにねじ込んだ。これで点差は1点。さらに、加藤聖のクロスに杉本と松井が飛び込み、こぼれ球を杉本が左足で狙うなど、チャンスが続く。
しかし、時間が足りない。5分のアディショナルタイムにも松井と杉本がゴールを脅かしたが、福井のブロックにあいゴールを割れず。最後まで同点ゴールを奪えないまま、悔しい敗戦となった。
アウェイ2連戦を1勝1敗で終えた大宮は次節、ホームに岐阜を迎え、前半戦最後の試合を戦う。
(総評:
粕川 哲男)
選手・スタッフコメント
監督 宮沢 悠生
強くなりたいという思いです。試合が終わって悔しいですし、自分たちがもっと強くならなければいけない、このままでは全然足りていないと感じさせられた試合でした。
球際がすばらしいチームであることは共有していたのですが、そのプレッシャー、圧を感じてしまった印象です。後半になればマイボールの時間を増やせるのではないかと思っていたのですが、それ以上に相手の勢いや一個一個の執念に対して圧を感じてしまって、攻撃も守備も思いどおりにできませんでした。攻撃では、ボールを受ける位置に行く、ボールを蹴る意思を示す、勇気を持ってポジショニングを取るというところで、やはり引っかかって失点してしまったことで少し怖がってしまったのかもしれないですが、ただ、やろうとしていたことに対して相手の方が上回ったと、映像はまだ見ていませんが今はそう認識をしています。
相手が球際が強い、タックル数がリーグで1位という中で、本当に自分たちが強いチームになりたいのであれば、それでも自分たちはやってきたものをピッチの上に置いていかなければいけないですし、そこがうまくいかないのであれば、我慢強く自分たちのウィークを出さずに、まずは0-0で自分たちの時間が来るまで耐えていく必要があります。90分を通してほとんどが相手のペースだったと思いますが、甲府はすばらしかったと思いますし、自分たちはそれを出し切る強さがまだ足りなかったのではないかと思っています。攻守すべてにおいて相手の方が一歩先、先手でしたので、自分たちが徹底している部分をもっと徹底する、攻撃も中途半端な守備であればどこのチームでもボールを回せると思うのですが、これだけしっかりとしたすばらしいチームが相手になったときでも、自分たちがしっかり剥がしていく、意図的にボールを前に運んでゴールに向かっていくというところが、やはりまだまだ足りてないという印象です。
DF 22 茂木 力也
前半はコートチェンジして風下でしたが、攻めていた中でカウンターを受けて失点しまいました。あのようなところでの1失点はあると思いますが、2失点目がいらなかったと思います。1点はみんなが絶対に取ってくれるし取れると思っていましたが、あの時間帯で2点目を取られたことが良くなかったと思います。
相手が球際を頑張ってくることはわかっていて、相手にこぼれる場面もありましたが、そこは自分たちも大事にしていて続けてやっていかなければいけないと感じました。チャンスを作れていなかったわけではなかったので、どう決め切れるかというところでやはり質も必要なので、練習からもっと1本1本こだわってやるしかないと思います。
相手がつながずに蹴ってきて、自分たちの特徴である「奪われてもすぐ取り返しに行く」という、やりたいプレーをやらせないように対策されていたと思います。奪ってもつながずにすぐに前線に入ってきて、そこで起点を作られてしまっていたので、しっかり潰せればもう一回自分たちの攻撃ができたと思うのですが、そこで起点を作られてしまったことが少し良くなかったと感じます。相手が蹴ってくるぶん、そこで回収できれば、逆にもっとボールが保持できていい流れになったと思いますが、こういった対策をするチームが必ずまた出てくると思うので、後ろがしっかり回収してマイボールの時間を増やすことが大事になってくると思います。
次はホームゲームですし、勝ち続けないとやはり意味がないと思うので、アウェイで落としたぶん、ホームで取り返せるようにしっかり準備して頑張りたいと思います。
FW 45 山本 桜大
自分たちのスキができてしまった中で2失点してしまい、自分たちで難しくしてしまったゲームだったと思います。
得点のシーンは、(中山)昂大くんがいい形で剥がしてシュート打つかなと思ったのですが、一応パスを受ける準備もしていました。そこにうまくボールが来てファーストタッチがうまく止めることができたので、シュートは自分が狙ったコースではなかったのですが、うまく入ったので良かったです。
相手は5バックで引くということをスカウティングで聞いていたので、そこをうまく自分たちで崩したかったですし、ここまで失点が少ないと聞いてたのでたくさん得点したいと思っていたのですが、相手にうまく守られてしまったと思います。
(今日で6ゴール目になりましたが)個人としてシーズン前に掲げた8ゴールという目標もありますが、それ以上にもっと得点を重ねていければと思います。次節対戦する岐阜も似たような前からの強度があるチームで、今首位のチームなので、勝って自分たちも上の順位を狙いたいと思います。
GK 1 笠原 昂史
今日は結果がすべてかなと思います。勝点が取れなかった、それだけだと思います。しっかりいい準備はしてきたつもりです。ただ、チャンスをもらったときに、去年であれば(濱田)水輝だったりがしっかりと結果を残していたと思うので、そういう部分ではまだまだ足りないと思います。
どちらも守れなかった失点ではないと思いますし、あのような少しのアクシデントが起きて入り込まれたときこそ、やはりゴールキーパーの価値が試されるところだと思います。あそこで2失点するのではなく、1失点でしのぎ切るとか、それともゼロで何事もなかったかのようにゲームをコントロールできるのか、というところで自分の力が足りなかった、それだけだと思います。
チームとして徐々に積み上げはできているとは思いますが、そのスピードをやはり上げていかなければいけないと思いますし、前節すばらしい試合をして、また今日少し難しい試合をして、その繰り返しだと、成長はしていくとは思いますがその伸び幅が小さいものになっていってしまうと思います。もちろん、悔しかったり苦しい経験をすることで伸びていくこともあるかもしれないですが、安定して結果を出していかなければいけないと思うので、そういう部分ではまだまだチームとしても足りないですし、個人としてももっと影響を与えていかなければいけないと思います。
また次に向けて1週間あるので、今日は今日でしっかり受け止めて、次に向かえるように準備していきます。
Facts
主審 | 吉田 哲朗 |
|---|---|
副審 | 竹長 泰彦, 辛島 宗烈 |
第4の審判員 | 宇治原 拓也 |
入場者数 | 8,348 |
湿度 | 29% |
ピッチ状態 | 全面良芝 |
気温 | 21.2°C |
天候 | 晴 |
Kickoff time | 2026年3月28日, 14時00分 |