明治安田J3第30節は、相模原を相手に迎えるホームゲームだ。前節の八戸戦は、2度もリードを許す展開だったが、逆転勝利を飾った。首位のまま他チームとの差を広げ、J2復帰とJ3優勝の目標を果たすため、リーグ終盤も勢いを落とさず、勝ち続けたい。ただ、相手の相模原も6位でJ2昇格プレーオフ圏内。注意が必要な相手との一戦だ。
試合の序盤、いきなりチャンスが訪れた。1分、左サイドから泉がクロス。中央で相手が触ってファーサイドへ流れたボールを茂木がボレーシュートで狙ったが、相手に当たって判定はCK。7分にも左CKからの2二次攻撃でチャンスが到来。小島が上げ直したクロスを濱田がヘディングでゴールの枠へ飛ばしたが、相手に阻まれた。
良い流れで試合を進めたが、試合の流れは一瞬で変わる。12分、最終ラインのビルドアップにミスが生じて相手にボールを渡すと、ショートカウンターのピンチを招いた。GK笠原の好守やシュートブロックで難を逃れたが、相手に得点のイメージを与えてしまった。
続く14分、対角へ飛ばすロングパスで最終ラインの背後を突かれ、ヘディングで折り返されると、フリーになった相手選手にボレーシュートで先制点を奪われた。濱田は「悔しい。前節(を反省して)自分たちの緩さを排除しようと臨んだのに、同じように人が揃っているのにシューターにアプローチできなかった。しかも簡単なボールロストから始まっている。あってはいけない失点だった」と悔しがった。確かに先制される展開が良くないのは間違いない。だが、逆転できるという自信が、その後の展開を焦らず進める力になった。
前半に追いつくことはできなかったが、後半にファビアン・ゴンザレスを投入すると、すぐに効果が現れた。50分、濱田が右へ出したスルーパスから石川がクロス。ゴンザレスが合わせてチャンスを作った。続けて、右から茂木がクロスを送ると、相手同士が競り合ったこぼれ球をゴンザレスが押し込み、同点とした。
得点後、すぐに自陣で集まると、戦い方を確認。濱田は「点を取ったあとに、もう1回集中しよう、やるべきことをやろうと話しました。点を取って余裕が出て、後ろでパスを回すとかじゃないぞと、優先順位をしっかり守ってチームとしてやろうと意思を統一しました」と内容を明かした。
同点になると、相模原もパスをつないで押し返す展開に変わった。59分、石川に代わって和田が中盤の底に入り、シルバが一列前に上がると、シャドーの杉本、ボランチの小島が流動的に位置取りを変えながらパスをつないだ。次の得点は、意外なところから生まれた。62分、中盤に上がった濱田が小島へスルーパス。競った相手に阻まれたが、弾かれたボールが転がってオウンゴールとなり、思わぬ形で逆転に成功した。
67分には左から泉が右足でクロスを送り、ゴンザレスのヘディングシュートのこぼれ球を和田が狙う決定機があったが、ゴールライン上で相手に防がれた。それでも攻め続けると、69分、小島のクロスのこぼれ球をペナルティアーク付近で拾った和田が、ゴール右上にコントロールショットを決め、勝利を大きく引き寄せる3点目を奪った。試合終盤にも小島がゴンザレスとのワンツーから左足のシュートを流し込んで2試合連続得点。4-1で勝利を収めた。
残り8試合、昇格確定へのカウントダウンが始まるが、濱田は「変わらず、目の前の1試合を大事にすること。失点せず、交代選手で点を取る、自分たちが作ってきた勝利の方程式がある」と変わらぬ姿勢で挑むことを強調した。次節は、下位に苦しんでいる奈良とのアウェイゲーム。勝点獲得に必死な相手を破るのは容易ではないが、連勝で目標へ突き進みたい。
(総評:
平野 貴也)
選手・スタッフコメント
監督 長澤 徹
6,000人以上のサポーターの方々が集まってくださって、笑って帰ってもらえるのでホッとしています。
純粋な大宮アルディージャとしてのラストゲームというか、節目でした。来月から会社名とかは変わってというところで、何かが変わるわけではないのですが、今日は試合前にその話をして入りました。ジュニアから大宮で育っている選手もいますし、逆に言ったら私もそうですが今年から入ってきたグループもいますし、(和田)拓也は元々いたからあれですが夏のウィンドーで入ってきた選手もいて、この場所がなかったらこのチームは存在していないし集まることもなかったので、そういう意味では腹の中央にしっかり感謝を持ってという形でゲーム入っていきました。
相対的には、非常に良かったと思います。細かい点を突くといろいろあるし、難しい状況になったのですが、焦らずにチームとして攻め急がずに、行けるときと、ゆっくり行くときという部分を使い分けたことが勝利につながったのかなと思います。前半は少しボックス付近で足が止まっていたのですが、最後に(杉本)健勇がヘディングで出て行ったときに、出して動いてスペースを見つけてというワンプレーが出たので、それを全員で共有して入ったのが後半です。よくボックス付近で足が動いてたのでそのうち割れるかなと見ていたのですが、さすがに4回も割るとは思っていませんでしたし、5回、6回と割れるチャンスもあったのですが、そこはもう私の想像を超えて選手が躍動してくれたので良かったと思います。いつもながらサポーター側で躍動するので、そこも含めて本当にサポーターの方には感謝しております。残り8試合ですがしっかりと目標に向かって、1試合1試合、また積み上げていかねばと思っています。
FW 9 ファビアン ゴンザレス
自分自身の得点に関しては、右サイドから(茂木)力也の良いボールが上がって、それで相手のGKが出てきて混戦になったところで、運良く自分の足元にこぼれてきてゴールを決めることができました。
状況はやっぱり毎試合毎試合違うので、ときには自分たちが追いつかなきゃいけないというシチュエーションもありますけど、一番大事なのは、そこでみんなで落ちついて自分たちのサッカーをするってことかなと思いますし、今日みたいな試合でそれをちゃんと示せたのかなと思います。
試合に出してもらっているということにすごく感謝していますし、それに自分がしっかりと応えられるように努力もしてるので、与えられた分数がどうであれ自分の役割は変わらないと思っていますし、そこにはしっかりと向き合って、できることを精一杯やりたいなと思ってます。
DF 33 和田 拓也
追いかける展開がなかなかないので難しい内容にはなったのですが、本当に今のチームの力ですし、逆転できる雰囲気もあるし、内容的にもひっくり返せていいゲームができたかなと思います。
途中出場でしたが、チームの流れとか雰囲気があるので特に指示とかはないですが、やっぱりボールを持ちたい時間だったのでそこは顔を出したいなと、後ろ後ろ、バックパスにならないで前にうまくボールをつないでいければ相手としては下がるしかないので、ゲームの流れを持ってくるという意味ではそういうところを意識していました。ボールをうまく動かしながら、しっかりゴールにも迫るような流れは作れたかなと思います。
自分のゴールの場面は、相手が下がって時間があったので余裕を持って打てたと思います。あまり点を取るタイプではないのでこういう形になるとは思っていなかったですが、目に見える数字で結果を出せたことはこの先にもつながるし、チームとして勝ててそれを継続できていることは良かったかなと思います。
本当に今はいい状態を維持できているので、相手は毎週変わりますが自分たちの方に目を向けて、これをいかに継続できるかかなと思います。
MF 7 小島 幹敏
前半は結構押し込んでたんですけどなかなか点が取れなくて、逆に先制点を取られてしまって、いやな時間が続いて苦しかったですけど、後半はぽんぽんと点が入って、流れをつかめたのかなと思います。
僕のゴールシーンは、試合の終盤で相手も足が止まってきてたけど自分はまだ動けていて、ラッソ(ファビアン ゴンザレス)も良いアシストをしてくれましたし、シュートもうまく抜けてくれました。リーグ戦も終盤になってきたときに得点やアシストを増やしていけているのは良いことだと思いますし、あと2点くらい取りたいと思っています。
勝点を積み重ねられているのは、普段の練習からバチバチにやっていて球際とか戦いがすごいので、チーム全体で研ぎ澄まされているのかなと思いますし、スキがない感じが試合に出ているのかなと思います。
優勝や昇格とかのプレッシャーはあんまり考えすぎずに、目の前の一試合一試合に集中して戦えれば、つかめるんじゃないかなと思うので、気を抜かずにやっていきたいです。NACKで試合するときはあの声援がすごく力になりますし、ホームで連勝できているのは本当にサポーターのおかげだと思っているので、引き続き応援してほしいです。
Facts
主審 | 椎野 大地 |
|---|---|
副審 | 高寺 恒如, 廣瀬 成昭 |
第4の審判員 | 森田 秀一 |
入場者数 | 6,112 |
湿度 | 39% |
ピッチ状態 | 全面良芝 |
気温 | 28.3°C |
天候 | 曇、弱風 |
Kickoff time | 2024年9月28日, 14時00分 |