待ちわびた新シーズンが幕を開けた。RB大宮アルディージャとなって迎えた2025年は、2年ぶりとなるJ2が舞台。第1節は、ホームに山形を迎えた。
キックオフ前には、来日中のレッドブルグループのグローバルサッカー責任者であるユルゲン・クロップが試合球をセット。満員のスタンドから喝采を浴びた。Jリーグ初である外資系企業単独オーナークラブのデビュー戦に対する注目度は高く、観客席だけでなく記者席もぎっしりと埋まった。
注目のスターティングメンバーは、GKが笠原。3バックにガブリエウ、濱田、下口。中盤に茂木、アルトゥール・シルバ、小島、泉。前線には豊川、ファビアン・ゴンザレス、杉本が並んだ。U-20日本代表として「AFC U20アジアカップ中国2025」に出場している市原が不在の状況での戦いとなった。
試合序盤は、互いにファウルで試合が止まりがちの展開だった。最初のチャンスが訪れたのは、9分。相手GKのフィードをカットした豊川のスルーパスにファビアンが抜け出してシュート。積極的にゴールを狙った。18分には杉本のスルーパスで泉が左から抜け出し、マイナスのクロス。豊川にはつながらなかったが、相手の陣形を崩すことに成功した。
守備は、相手の3トップにワイドを使われ、クロスボールを放り込まれる場面も少なくなかったが、26分に勢いよくヘディングシュートを打たれた場面は、ゴールの枠の外で救われた。29分にカウンターを受けた場面は、今季のキャプテンを務めるガブリエウが1対1でストップしてみせた。
互角の攻防となった前半、最大の好機が訪れたのは、36分。杉本が自陣で相手に囲まれながらスルーパスで打開。ボールを運んだ小島から、追い越した泉へ縦パスを通し、泉が得意のドリブルからシュートを放ったが、ポストに嫌われた。前半の終盤には、ファビアンが負傷で藤井との交代を余儀なくされたが、攻撃のテンポは落とさず、豊川のカットインから杉本が惜しいミドルシュートを放つなど、良い流れで前半を終えた。
後半に入ると、積極的に相手の背後を突くプレーが多くなった。敵陣での時間を増え、セットプレーを獲得。52分、小島が蹴った左CKから濱田がヘディングシュートを決めて先制点を奪った。
ただ、リードしてからは相手の勢いを受けて後手に回り、66分に右サイドを押し込まれ、中央への折り返しから同点ゴールを奪われた。昨年より上のカテゴリーで試合の厳しさが違うと感じさせられた時間帯だったが、チームは怯まず、昨季からの継続力を示した。
失点直後、谷内田と関口を投入。山形は4人を一気に交代。打ち合いの展開に。谷内田は前方でシュートチャンスを作り出し、関口は果敢に攻撃参加を繰り返した。交代選手が点を奪うのが、昨季からの強みだ。78分には、右に開いた藤井が谷内田とのパス交換からシュート。80分、今度は浦上と新加入のカプリーニを投入。
一進一退の攻防が続き、試合終了間際の90+7分、左CKを得ると谷内田のパスに飛び込んだ浦上が左足でシュート。こぼれ球を藤井がゴールへ押し込み、待望の勝ち越し点を決めた。試合は、再開直後にタイムアップ。開幕戦を勝利で飾った。
チームには昨季の積み上げに対する自信が見て取れる。茂木は「やってきた、戦う、走る部分は見せられたと思う。NACKで満員。最後まで応援してくれたから、みんな自然とパワーが出ていたし、昨年と同じように交代メンバーが(とどめを)刺すことがJ2でもできた」と自信を深めた様子だった。
泉は「昨年やってきたことに、僕らは自信を持っている。細かいところを付け加えれば、良いシーズンになる。今日(の得点)はセットプレーで2つ。物足りない。流れの中で左から崩せるようにやっていきたい」とさらにチーム力を上乗せしたい考えを示した。
次節もホームゲームで、甲府と対戦する。ステージが上がっても、やることは変えない。J2でも連勝街道を走り抜けるつもりだ。
(総評:平野 貴也)
選手・スタッフコメント
FW 42 藤井 一志
途中交代の形が緊急ではあったんですけど、それまでラッソ(ファビアンゴンザレス)がすごい良い形でバトンを引き継いでくれましたし、ハーフタイムもラッソが「頑張れ」って声をかけてくれたので、ラッソの分も、という思いを背負ってピッチに立ちました。交代で入るときに(長澤)徹さんからも「思いきっていけ」と言ってもらったので、僕自身しっかりストロングから入ろうと思ってピッチに入りました。
今日の試合はセットプレーが勝負を分けるという話もしていましたし、結果的にもセットプレーで2発でした。こぼれてくるなっていう予感はしたので、その中で相手より早く反応して、泥臭いゴールではありましたけどストライカーとして勝利に導くというところではしっかり仕事ができたなと思います。
ゴールしたときの皆さんの声援もすごくて、一瞬時が止まったような感覚になって頭が真っ白でした。自分がどういうパフォーマンスしたかも覚えてないんですけど、人生で一番気持ち良かった瞬間でした。
今日はしっかり僕自身も喜びたいと思いますけど、リーグ戦は残り37試合続きますし、ゴールした以外のシーンでも決めきれるようにしないといけないですし、そういった面では課題も多いので、しっかり日々の練習から積み重ねて残りの37試合戦って、最終的には昇格できたって言えるようなシーズンにしていきたいです。
今日みたい満員のスタジアムでプレーできるっていうのは僕たちもすごく力になりますし、選手冥利に尽きるなと思います。次の甲府戦もやっぱりファン・サポーターの方々とともに僕たちも戦いたいので、またすばらしい後押しをお願いします。
監督 長澤 徹
13,400人ほどのサポーターの方が集まってくれて、昨シーズンからそうなのですが、本当に勝たせてもらったゲームだと思っています。ありがとうございます。
試合の方は、今日は各地で開幕戦をやっていると思うのですが、「THE開幕戦」という形で少し硬かったかなと思います。前半に一つヘディングで叩かれた部分があったのですが、それ以外はソリッドに進められていたので、粘り強くいっていれば何か起こるかなと思っていました。
やはり開幕戦なのでセットプレーを非常に重要視していたのですが、NACKでやるときはセットプレーでかなりアドバンテージを持っているというのは、昨シーズン、本当に厳しいJ3の中で手に入れたものなので、しっかりレスポンスできた選手は褒めてやりたいと思います。
そこから当然しっかりゲームを進めながら二つ目をという戦い方だったのですが、結構な決定機の最後で「あれ?」というプレーとか、(小島)幹敏が入っていったプレーとかでちょっと逃していたので大丈夫かなと思っていたら、やっぱりしっかりと、山形はすばらしいチームなのでその流れの裏側で得点を決められて、そのまま打ち合いという形で持っていきました。相手も一気に交代してきましたし、我々も交代選手を出してパワーをかけていって、どちらに転んでもおかしくないゲームだったと思うのですが、我々に少し運があって山形に少し運がなかったのかなという結末だと思います。
ただ、山形とはもう1試合ありますし、ここからはリーグ戦の2試合目に入っていくので、しっかりと反省する部分は反省して、ただ、自分たちの立ち位置はしっかり決まっていて、ボールを持ってポゼッションしまくるわけでもなく、どん引きしてカウンターを狙うわけでもなく、我々はRBなので、ボールを奪いにいって、必要であれば早く進めるし、必要であればしっかりボールを握るという、第3の立ち位置としてしっかり構築していくことと、今日、立ち位置を確認できたので、自分たちのスタイルでしっかり進んでいきたいと思います。
DF 55 ガブリエウ
しっかりとやることをやる、というのを示せた試合だったかなと思います。自分としてもすごくうれしい出来だと思います。ただこれからという意味ではもっともっと直せる部分もありますし、もっとよくできる部分がいっぱいあると思います。
サッカーは組織でやるものなので、まずはチームがすばらしいというのが第一なのかなと思います。そこがないとやっぱり僕たちは勝つ負ける以前の問題だと思っているので、チームがしっかりとやることをやれた、やりたいことをやれたというのがまずなによりもプラスなのかなと思います。チーム戦なので、仲間を励ますところから助けるところまでがチームの一環ですし、その中で自分が仲間を勇気づけたり、自分が引っ張られたりすると思うので、みんなにもっとプラスのエネルギーを分かち合えたらなと思っています。
勝ったのは事実としてうれしいことですけど、まず初戦なのでここで何か生まれたとかではなく、ただの1試合目なだけなので、そこに関してはちゃんと地に足をつけて、冷静に考えなきゃいけないかなと思います。自分たちが勝ったからといってミスがなかったわけではないですし、もっともっと伸ばせる点も修正できる点もいっぱいあるので、そういう意味では変に勘違いしないようすることが大事なのかなと思います。
自分にとっては移籍後初の公式戦でしたが、バスを降りたタイミングで鳥肌が立つぐらいサポーターの皆さんからものすごいエネルギーを感じましたし、これからも間違いなく自分たちのモチベーションの第一はそこかなというのを改めて感じました。
昇格はチームとしても狙っていますけど、今日はあくまで38試合のうちの1試合なので、自分たちを勇気づけるという意味ではいいスタートかなと思うんですけど、そこはやっぱり勘違いせずにしっかりと一歩一歩一段一段上っていくというイメージでいます。チームはもっともっと良くなると思いますし、そういう意味でも組織として強くなれるのかなと思います。
DF 26 濱田 水輝
得点シーンは最後は僕が決めましたけど、一人ひとりが役割をこなして取れたゴールだったので、チーム全員のゴールだと思います。個人的には開幕戦でゴール決めたことがなかったので、すごくうれしいです。
体制が変わって注目されているのを感じていましたし、満員のスタジアムですごく良い雰囲気の中で試合ができて、勝利で終えれたのでひとまずホッとしています。毎年そうですけど、開幕戦にスタメンで出れるというのはすごく幸せを感じます。いろいろな人のサポートがあってできていることなので、ピッチに立って表現したいなと思って毎年臨んでいます。
自陣のゴール前の対応に関しては粘り強くできたなと感じていますけど、本来やりたかった前から奪いにいくというところでは今日はチームのコンパクトさが足りなかったので、まだまだ完成度は低かったなと感じています。ただ開幕戦は内容よりも結果を出すことが大事だと思うので、自分たちの思いどおりにできなくてもそれでも勝つというのは去年からずっと大事にしてきたことですし、そこは変わらないので、どんな試合展開でも最後は勝つという意志を強く持っていた結果だと思いますし、そこが良かったなと思います。
簡単に中に入らせて失点してしまったのはチームとしてもっとうまく対応しないといけなかったかなと感じますけど、連携次第ではもっと良くなると思っています。ただ開幕戦を勝利で終えるというのはすごく大事だと思います。幸い次もホームでできるので、2連勝して良いスタートを切りたいなと思います。
Facts
主審 | 清水 勇人 |
|---|---|
副審 | 竹田 明弘, 堀 格郎 |
第4の審判員 | 山岡 良介 |
入場者数 | 13,418 |
湿度 | 20% |
ピッチ状態 | 全面良芝 |
気温 | 13.5°C |
天候 | 晴、弱風 |
Kickoff time | 2025年2月15日, 14時00分 |