明治安田生命J2第8節は、山形を相手に迎えるホームゲームだ。18位と苦しんでいる山形は、早くも監督を交代。この試合が新監督の初陣となる。しかし、変化に対応しなければならないのは、山形だけではない。
前節は、敗れて勝点を獲得できなかっただけでなく、FW中野が負傷で離脱。FW河田の移籍やFWアンジェロッティの負傷が発表されたばかり。前線は人数不足に陥った。苦しい台所事情のなか、相馬監督はMF小島をトップ下に起用。控えでは大橋が今季初のメンバー入り。負傷明けの大澤も名を連ねた。
試合の立ち上がり、いきなりチャンスをモノにした。どちらつかずの探り合いのなか、右CKから柴山、高柳、石川と短くつなぎ、タイミングをずらしてクロス。こぼれ球を拾った小島のキープから柴山を経由し、富山がポストプレーでボールを残すと、茂木が右足でダイレクトシュートをたたき込み、7分で先制に成功した。
その後は、一進一退の展開。20分、山形は大宮から移籍した小野のアーリークロスからイサカ・ゼインがシュート。23分は、逆にチャンスの場面。右サイドに抜け出した柴山が小島とのワンツーから左足で巻くシュートを放ったが、ゴール左に外れた。前半の半ばを過ぎると、山形のボール保持と立ち位置、さらに疲労によってプレッシャーをかけられなくなり、山形に押し込まれる場面が増えた。押し返す場面もあったが、39分に山形が左からカットインを仕掛けた場面のこぼれ球が最終ライン裏に流れたところを、山形のデラトーレに拾われ、クロスをチアゴ・アウベスに流し込まれて同点とされた。
後半は、序盤に茂木のアーリークロスから富山がシュートを放つなど積極性が見られた。しかし、守備では4バックが相手の3トップをマークするためロックをかけられたように動きにくくなり、山形陣内に近い位置で7対6のポゼッションを仕掛けられて、嫌な流れになった。
54分には、デラトーレにゴール正面からフリーでシュートを打たれるピンチがあったが、笠原がセーブした。石川は「元々、技術が高くポゼッションの上手い選手がいるので、厳しい時間帯がどこかで来るとは思っていた。そこで焦れないことが大事。苦しい時間帯をどうやり過ごすか、意識していた」と粘り強い対応を心掛けていたことを明かした。
60分になると、相馬監督は室井、泉澤、大山の3人を同時に投入して打開を図った。この交代から大山を起点に左の泉澤へボールが多く配球されるようになり、攻撃が加速。63分、右から押し込んでバックパスを石川がミドルシュート。66分には大山の対角フィードで抜け出した泉澤がカットインシュートと、少しずつ反撃の回数を増やした。山形も68分に加藤、河合を投入。73分に中央から左へ展開されて加藤にシュートを打たれた場面は、笠原が力強いワンハンドパンチでセーブした。
勝負を決める1点が生まれたのは、79分だった。泉澤が左サイドから中央へパスを流すと、小島が飛び出してペナルティエリアに侵入。進行方向にいた室井が相手に倒されてPKを獲得。柴山がゴール右へ蹴ったボールは相手GKに触られたが、ネットを揺らして勝ち越し点となった。終盤は、新里を投入して5バック。スタンドから「無敵大宮」が響き、タイムアップ。ホーム全勝を貫く4勝目を挙げた。
トップ下の起用で2点に関わる働きを見せた小島は「守備はできたと思うけど、攻撃はもうちょっと工夫が必要」と厳しい自己評価だったが、勝ちながら課題を見つけて修正できれば理想的。次節は、中3日での連戦。群馬を迎えるホームゲームとなる。小島は「ホーム5連勝だったら、もう(ホームで)負けないという自信になる。初の連勝をできるように頑張ります」と力強く語った。今季初の連勝で白星を先行させたい。
(総評:
平野 貴也
)
選手・スタッフコメント
監督 相馬 直樹
天候の悪いなか、たくさんのサポーターの方にご来場いただきました。今日もホームで一緒に勝利を喜ぶことができて、良かったです。サポーターの皆さんのパワーの大きさを、あらためて感じたゲームでした。
相手は監督が代わって最初のゲームで、当然難しいゲームになることも想定していたなかで、立ち上がりにセットプレーの流れからゴールを奪うことができて、相手に行けると思わせるのでなく我々が先に取れたことは、ゲーム全体を作る上でも良かったと思います。
自陣でプレーする場面を増やしながら、そこを何度か外されるシーンや、最後のところで守れた部分もありましたが、失点のシーンは、ピッチのすべり具合を含めて、多少対応が難しかったとこはあったかと思います。ただ、先に点を取っていたことで落ちついてロッカーに戻って来れたと思います。
前半の最初は相手が前から来たのですが、途中から少し我々にビルドアップさせて、そこからボールを奪いに行くような形になってきて、それに対して効果的に攻められない部分もあったので、そこはハーフタイムで少し修正とアイディアを渡して送り出しました。
後半も少しお互いに早く行き来する展開が続いたなかで、狙いを表現できない部分と、行き来することが増えた分、少し早めに代えて動きたかったので、先に3人を代える形にしました。それによって、もう一度自分たちの流れに持って来れたと思いますし、そのなかで結果としてPKでしたが決勝点を取ることができたと思います。
すべて良かったかというと決してそうではないと思いますが、最後に勝ち切るという部分において、このホームの雰囲気は間違いなく選手たちの力になったと思います。次は群馬とのゲームになりますが、ホームなのでしっかり勝って、上位が見える位置に近づいていけるようにしたいです。
MF 6 大橋 尚志
リードしている状況での出場だったので、まずはしっかり守り切ることと、シンプルにボールをつなぐことだけを意識して試合に入りました。
ここまで試合に出れていない時間が結構長かったので、気持ち的な波も結構あったのですが、ひさしぶりに試合に出ることができて、一番は楽しかったですし、今日もホームで勝利することができて良かったです。
個人としては、今日の試合でJリーグ通算200試合出場を達成することができましたが、振り返ってみるとあっという間だったなと感じますし、まだまだこれから数字を伸ばしていきたいです。
連戦でまたすぐホームゲームになりますが、引き続き応援をよろしくお願いします。
DF 22 茂木 力也
先にセットプレーから得点できて、今日は失点したあとも崩れることなく、まとまって戦えていたので良かったです。多くのファン・サポーターの皆さんがスタジアムに足を運んでくれて、力強い応援をしてくれていたので、絶対にもう1点取れる自信がありました。シバ(柴山)が今シーズン初ゴールを決めてくれましたし、これからさらに活躍してくれると思います。僕たちディフェンス陣は、失点を減らしてさらに上を目指していきたいです。
得点の場面は、ファーにボールが上がったときに裕太郎(袴田)が競っていたので、彼は競り負けないだろうと思いながら足を動かし続けていました。トミくん(富山)もかなりていねいに落としてくれて、あとは相手のGKに当たらないようにニアの上を狙うか股を狙うかだったので、股を抜けてくれという思いでしっかり狙って打ちました。
昨シーズンは個人として2点目を取れずにに悔しい思いをしたのですが、今日はトミくんがアシストしてくれたので今度はしっかりアシストを返せるように頑張りたいです。
この連戦をホームでやれることは非常にアドバンテージで、次の群馬戦は勝って上位に食らいついていくために大事な試合になると思います。僕たちには心強いファン・サポーターの皆さんがついているので、最後まで走り切って勝点3を取れるように頑張りたいです。
MF 48 柴山 昌也
結果として勝利することができましたし、チームとしてもやりたいサッカーができていたので良かったです。
攻撃では、外に立つところと中に入っていくところの使い分けと、よりゴール前でプレーしようと思っていて、できるだけ足を大きく振るようにしました。
雅史くん(小野雅史)との対戦で、個人的にすごく楽しみにしていました。雅史くんも自分のプレーがわかっているなかでどれだけ自分のプレーができるかは、自分を試したい部分でもありました。攻撃ではしっかりボールを保持できましたし、ドリブルで仕掛けることもできたので良かったかなと思います。
PKは前日練習でも蹴っていて、GKに止められても後悔のないボールを蹴りました。僕にPKを任せてくれた監督に感謝しています。
ホームでファン・サポーターの皆さんに熱い後押しもらいながら、サッカーができる幸せを感じています。連勝を目指して、良い準備をしていきたいです。
Facts
主審 | 高崎 航地 |
|---|---|
副審 | 平間 亮, 西水流 優一 |
第4の審判員 | 西尾 英朗 |
入場者数 | 5,723 |
湿度 | 75% |
ピッチ状態 | 全面良芝 |
気温 | 13.2°C |
天候 | 曇のち雨、弱風 |
Kickoff time | 2023年4月8日, 14時00分 |