明治安田J3第5節は、リーグ初のアウェイゲームだ。前節から中3日の連戦となるが、開幕からの勢いで4連勝を狙う(第3節は4月実施予定)。会場はゴール裏に寝かせた看板がひっくり返るほどの強風。環境への対応力が問われる一戦だ。
前半は風上でキックオフを迎えたが、最初にチャンスを得たのは相手だった。5分、初めて押し込まれた場面で相手CK。多くの選手がゴールに向かう中、逆の動きをした相模原の岩上がフリーになった。シュートは外れたが危険な場面だった。
15分ほどの間、ロングパスが風に乗って相手守備網を抜けたり、CKを得たりと押し込んだが、決定機には至らない。しかし、26分に左サイドで好機を演出。泉がエンドライン際に抜け出した藤井へつなぎ、マイナスの折り返しに小島が飛び出したが、合わなかった。得点には至らなかったが、試合の流れを呼び込むには十分だった。続けて27分、茂木のアーリークロスから逆サイドの泉がヘディングシュート。28分には茂木のロングシュートでCK獲得。一気に攻撃が活性化した。
38分には、向かい風の相手に対するプレッシングが効いた。相手がゴールキックから組み立てる中、猛然とプレス。一度はかわされたが、中盤で石川が前へ出て相手のパスを奪うと、杉本を経由。「(石川)俊輝くんが奪ったときに動いたけど、もう一度動き直した」という藤井が、相手の背後へ抜け出してパスを受け、ゴール右へ流し込んでプロ初得点。先制に成功した。
41分には、石川が追い風に乗ったロングシュート。石川は「風はもっと上手く使わなければいけなかった。風下になれば事故で失点もあり得る。もっと押し込みたかった」と前半を振り返った。
1点リードで迎えた後半は、風下のエンドとなった。笠原が蹴るゴールキックが伸びず、空中で勢いを失って落ちて来る。それでも前線までボールをつなげば、杉本のキープ力、藤井の推進力で相手に脅威を与えた。
しかし、やはり風の影響は無視できなかった。59分、相手のロングパスを空中戦で跳ね返したが、風に乗ったロングシュートで同点に追いつかれた。
66分、中野誠、中野克を投入し、攻撃のギアが上がった。さらに73分、セットプレーやクロスでキック精度の高さを見せていた植田を下げ、CBに入っていた下口を左SBに移した。CBに投入された村上は、直後に投入された相手FWファブリシオ・バイアーノとの競り合いで存在感を発揮した。
相模原も途中出場した藤沼のカットインシュートなどで前に出て来たが、負けてはいない。中野克が中盤に活力を生み、杉本もプレッシングの走力を上げるなど、攻撃陣が運動量を上げ、逆風でロングパスが難しい中、足下をうまくつないで勝ち越し点を狙った。
85分、杉本が中盤でボールを奪い返して左に展開。サイドに流れた小島の左足のクロスを中野誠がヘディングで狙ったが、惜しくもポストに弾かれた。90分にも泉がカットインシュートを狙うなど、最後までゴールを狙い続けたが、勝ち越しはならず。1-1の引分けで試合を終えた。
負けたわけではないが、4連勝はならず。植田は「僕たちは勝点2を落とした。試合が終わってからも、ロッカールームに戻ってからも、どんよりした感じが出ていた。次はホーム。絶対に勝点3を取って連戦を終えたいとみんなが感じていると思う」と試合後の様子を話した。
しかし、得た物もある。長澤監督は「プレーリズムを取り戻せた」とサポートによく走り、ショートパスの選択肢を増やした攻撃を評価。「(勝利を逃し)授業料を払ったが、それを手に入れた」と今後に生かす姿勢を示した。次節も中2日で連戦。宮崎を相手に迎えるホームゲームで勝点3を狙う。
(総評:
平野 貴也)
選手・スタッフコメント
監督 長澤 徹
大宮から700人以上のサポーターの方が来てホームのような状況を作ってくれて、本当にありがたかったのですが勝利を届けれらずに申し訳なく思っています。チケット代、旅費も含めて、やはりそれに値するのは勝利だと思っていますので、そういう意味では本当に申し訳ないのですが、まだまだリーグは続きますので引き続き力を貸してもらえればと思います。
ゲームの方は特殊な状況で強風の中でゲームが進みましたが、我々の得点は追い風を受けて高めで引っかけてそのまま持っていって、相手の得点はミドルシュートで、風の恩恵を受けた一つずつのゴールということで、それ以上の何かが勝負を決めると思っていました。
後半は向かい風になった中で、先ほど選手たちにも話してきたのですが、第2節の岐阜戦の後半過ぎぐらいから少し勝ち急ぐというか、勝たなければいけないという重圧の中で少しプレーが単調になりがちな傾向にあって、それが次の試合も続きました。それでも勝ち切ってくる部分はあったのですが、それが今日の後半の向かい風の中でうまく修正されたと思っています。サポートでこまめに顔を出してというプレシーズンのころにやっていたようなリズムが、こればっかりはトレーニングしようと何しようとやはり勝つということと、自分たちのプレーリズムの折り合いをつけていくことは非常に難しくて、プレーリズムの方に走ってしまうと肝心な勝負がそっちのけになってしまう、でも勝負の方に走るとリズムが速くなってしまうという葛藤の中なのですが、今日の後半で折り合いがついたと思います。非常に勇気を持って、勇敢にボールを受け出しにかかってサポート連続していくという、本来プレシーズンでやってた姿が強風のおかげで取り戻せたので、ここからまた自信を持ってピッチに戻ってできると思います。
そういう意味では今日は勝点2を落としたとも言えますが、授業料としてしっかり払ってそれを手に入れたということで、選手と共通理解をしました。リーグはここからまだまだ続きますしここからもいろいろなことがありますが、こういう中でまた前進していくためには非常に有意義な試合だったと思っています。ただ、勝利というのは常に追求しなければいけないので、次の勝利につながる道として今日のゲームをとらえて、すぐにNACKで次の宮崎戦が待っていますので、そこにしっかりと準備をして臨みたいと思います。
MF 6 石川 俊輝
先制点は、風の状況や相手のやろうとしてるサッカーをピッチの中で感じて、相手にダメージを与え続けられたらと思ってみんな共通意識でプレッシングにいっていました。その結果、点につながった形でした。
もっと風をうまく使わなければいけなかったですし、風下のときは思っていない形で失点する可能性もあるからこそ、前半1点取ったあとにもっと押し込んだり追加点を取りにいったりしないといけなかったので、そこはまだまだ成長していかないといけない部分だと思います。
引分けという結果に満足してる選手は誰もいないですし、前半で勝負を決め切れなかったことがすべてかなと思います。奪いにいく守備というのは僕たちの強みだと思っているので、その部分ではもっと相手を上回っていかなければいけないですし、今日の得点シーンのような場面をもっと作っていかなければいけないなと思います。
DF 16 植田 悠太
試合の流れもありますが、自分自身もう少しクロスや攻撃参加ができたら良かったです。自分の良さがあまり出せなかったというのは今後の課題ですし、守備に引っ張られずに自分が攻撃して逆に相手を守備に引っ張るような感じでプレーができれば良かったかなと思います。
どのポジションで出ても、与えられたところでしっかりチャンスを掴み取らなければいけないなと思います。自分の今の立ち位置もわかっているので、出場時間をちょっとずつ伸ばしていくことが大事になります。1分でも2分でも出られるなら、そこで試合を締めるとか勝たせられるとか、チームに貢献できる選手になれればと思います。
今日は勝点2を落とした形になりましたが、難しい試合の中でも勝点1を取れたというポジティブなところもあるので、切り替えて次はホームで絶対勝点3を取って連戦を終えられるようにしたいです。
FW 42 藤井 一志
先発は2回目なので特に緊張とかはなかったですし、やっぱり自分の良さはガツガツプレーすることだと思うので、それをファーストプレーから出そうと意識して試合に入りました。
得点シーンは抜けたときにGKと1対1で、思ったよりも冷静にGKを最後まで見て得点できたことは良かったと思います。トシくん(石川)が奪った瞬間に自分はボールを受ける準備をしたのですが、(杉本)健勇くんに入ったところでまた動き直して前向きでもらって、FWらしいゴールだったのかなと思います。
ここまで4試合に出て1点も取れていなくて少し焦る気持ちは自分の中であったので、点を取ったときはすごいホッとしたというか興奮しました。自分が思い描いてたよりは遅い初ゴールになりましたが、ここから波に乗っていければと思っています。ただ、FWなので1点だけではなく2点取ってチームを勝たせる選手にならなければいけないですし、そこは自分の力不足かなと思います。
自分は前線からプレッシングのスイッチ入れられる選手だと思っていて、それが自分の特長だと思うので、今日は守備の面でもしっかり役割を果たせたかなと思います。
勝ち切れなかったことはすごく残念というか、すごく痛いですが、ただ、下向いてる時間はないと思うので、またしっかり今日の試合を振り返って、中2日ですが次こそチームを勝たせる得点を挙げられるように頑張りたいです。
Facts
主審 | 山口 隆平 |
|---|---|
副審 | 竹田 和雄, 小野 裕太 |
第4の審判員 | 岡田 太一 |
入場者数 | 2,294 |
湿度 | 20% |
ピッチ状態 | 全面良芝 |
気温 | 9.1°C |
天候 | 晴、強風 |
Kickoff time | 2024年3月20日, 18時00分 |