明治安田J3第15節は、ホームでの長野戦だ。ここまで10勝3分1敗で首位。少しずつ、上位チームとして認識されて来ているが、相手チームの標的にされる流れでもある。勝ち続けることは容易ではないが、目標である優勝とJ2復帰を目指し、連勝街道を歩みたい。
序盤は、ともにリスクを負わず、シンプルにゴールへ迫る展開。5分、相手がクロスボールからヘディングシュートを放ったが、GK笠原がニア上へのシュートに鋭く反応し、辛くも難を逃れた。10分を過ぎ、試合のペースが落ち着くかと思われたが、互いにゴールを奪い合う忙しない展開となった。
15分、右サイドで石川が得たFKは、直接ゴール前へ送り込むのではなく、中央を経由して左から泉がクロスを入れる工夫を施した。クロスは跳ね返されたが、ゴール正面で待ち構えていたMF小島が左足一閃。鋭く伸びた球が相手GKの手を弾いてゴールネットを揺らした。
リードを得て、試合を優位に進めたいところだったが、相手もセットプレーの機会を生かして来た。22分、FKからゴール前にボールを入れられると、反応が遅れたところを相手FWに頭で触られ、軌道の変わったボールに反応できず。あっという間に同点に追いつかれた。1-1となったあとは、ほぼ互角の展開。守備面ではピンチが減り、攻撃面では藤井が抜け出しと推進力を示したが、決定機には至らなかった。
勝利を大きく手繰り寄せたのは、後半開始早々の2点目だった。50分、右のタッチライン際でスローインをキープした藤井が中央へパス。杉本が少し時間を作って左へ展開した。駆け上がって来た泉が得意のドリブルを仕掛けるかと思われたが、スペースがあるうちにゴール前へパス。ボールを要求しながら走り込んだ藤井は、スルー。石川が股抜きのシュートを決めて2点目を奪った。
藤井は「パスを出して終わらず、中に人数をかけることはチームとしてやっていること。(泉)柊椰くんは、ドリブルが注目されるけど、パスのタイミングが一番うまいところ。信じて中に入って行った。シュートを打つ気満々だったけど、俊輝くんがフリーになっているのが見えたので、スルーに変えた」と見事な連係プレーを振り返った。
石川は、待望の今季初得点。「やっと点が取れた。やっぱり、ホームであれだけのファン・サポーターの前で点を取れたのは、選手としてもそうだけど、ここ(アルディージャ)で育った僕としては、本当に幸せな瞬間。なかなか点を取れないので、少ないですけど、増やしていきたい」と喜びを噛み締めていた。
この勝ち越し点により、チームに良いリズムが生まれた。58分、左サイドで泉、藤井の連係によってボールをキープすると、杉本がふわりとしたクロス。ファーサイドで待ち構えたアルトゥール・シルバがヘディングでゴールへ押し込み、3点目。
66分、長野は3人同時交代で巻き返しを狙ってきたが、試合の流れは渡さなかった。69分、左サイドで泉が鋭くも粘り強いドリブルを見せつけると、攻撃参加した浦上がクロス。中央で狙った泉には合わずに弾き返されたが、こぼれ球を拾ったアルトゥール・シルバが糸を引くような美しい弾道のミドルシュートをゴール右へたたき込み、ダメ押しの4点目を奪った。
気温が高く、体力を奪われるゲームだったが、終盤は、濱田、高柳、さらに大澤、鈴木を投入して運動量を落とすことなく戦い切り、4-1で勝利を収めた。
次節は、アウェイでの金沢戦。長澤監督は「今回のように、自分たちで仕掛けていくゲームで進めていきたい」と意気込みを語った。第13節で初黒星を喫した後は、2連勝。今後、さらに高い気温の中で戦うタフな試合が増えていくが、チームとして力をつけながら、さらに連勝街道を進みたい。
(総評:
平野 貴也
)
選手・スタッフコメント
監督 長澤 徹
今日は7,000人近くのサポーターの方に来ていただいて、後半、ゴールを決めさせてもらったような形になったので非常に助かりました。ありがとうございます。
ここから続く相手はずっとそうなのですが、長野はルヴァンカップで京都を叩いたり札幌にほぼ勝ちに近いゲームをしたりとのぼり調子で来ているので、週頭に「このゲームだけはチャレンジャーでいいんじゃないか」と、自分たちの順位とか勝点は関係なしに、自分たちから仕掛けるようなゲームに持っていこうという形で入りました。
25分を過ぎるまではやっぱり相手の踏み込みが強くて、なかなか前方にボールが届かないような中で、それでもセットプレーでしっかり取れました。失点の部分は少し緩かったかなというのはありますが、そのままズルズル崩れてしまうゲームは前のホームゲームでやってしまってそこはみんなも十分わかっていると思うので。そこから取り直して25分過ぎからペースをしっかりつかんで自分たちの形からいきましたが、いまいちリスクが取り切れない中で前半の攻撃が終わったので、後半は自分たちの応援の方なのでリスクを取らざるをえない形で入っていったので、奥行きをしっかり使いながら、相手に嫌なことという部分でかなりランニングしたと思うのですが、それが結果に結び付いて良かったです。
総括すると、立ち上がりはちょっと相手とやり合っていましたけど、そのあとはしっかりゲームを握って、悪いゲームではなかったなと思っています。小手先じゃない強さを求めているので、そういう意味ではまだまだやれることがありますし、かといって変な方向には行っていないので、このまましっかりと続けていって、また次は一番調子がいい金沢が来るので、今回同様、自分たちから仕掛けていくようなゲームで進めていきたいと思っています。
MF 30 アルトゥール シルバ
前半の入りに関しては暑さのせいかはわからないですが、自分たちがチャンスを作った中でも相手にもチャンスがありましたし、自分たちがしっかりとペースを握ることができていないような感じはありました。自分たちが先制して相手が同点に追いついて、ただ、後半になると自分たちは賢くサッカーすることができて、追加点を3点決めて勝つことができたと思います。
自分のゴールについては、まずは何よりも神様に感謝しています。自分のゴールシーンもそうなのですが、今、自分たちがやっているサッカーというのは、どの選手が出てもゴール前に絡んでいくことができますし、それがCBでも2列目の選手でもFWの選手でも同じで、すごくいい状態だと思います。自分のゴールに関しては、1点目は(杉本)健勇からのいいクロスが入って自分がファーで叩いて、2点目はこぼれて空中にあったボールを自分がトラップして、いいミドルが決めれられたのかなと思います。
今日は前半である程度の自分たちのフィーリングをつかむことができましたし、後半に向けて特別変えることもありませんでした。やっぱり自分たちが今やっているサッカーというのを引き続きやること、攻守において全体で攻めて全体で守るということをこのチームは徹底してできますし、何かを変えるということもなく、それを後半もやれたと思います。
次はアウェイゲームになりますが、長いシーズンの中で自分たちがいかに勝点を積み上げるかということが大事です。ホームはもちろん自分たちのサポーターが大勢集って応援をしてくれますし、大宮のサポーターというのはやはりホーム、アウェイを問わず、しっかりと自分たちを応援してくれるサポーターなので、アウェイだからというわけではなく、やはりすべての試合で勝点3を取れるように、すべての試合が決勝戦だと思って、そういうメンタリティで臨みたいと思っています。
MF 6 石川 俊輝
得点シーンは、(泉)柊椰の仕掛けもそうですし、その前を走った(杉本)健勇、(藤井)一志も、ああやって本気で受けにいきながら走ってくれたおかげなので、僕だけのゴールじゃないですし、本当にただただ美味しいところだけもらったって感じです。相手が一志に結構食いついたので、だったらターンしてシュートの方が早いかなと、ギリギリまで状況を確認しててギリギリで判断を変えられたので、ああやってゴールが生まれました。
決めた瞬間は、やっと点が取れたなという感じでした。ホームであれだけのファン・サポーターの皆さんの前で点を取れたっていうのは、選手としてもそうですけど、やっぱりここで育った僕としては本当に幸せな瞬間でした。僕個人としてはなかなか点が取れないので、喜びとか幸せな瞬間が少ないですけど、もっともっと増やしていきたいです。
点を取ることは毎年本当に意識してますけど、今年はよりゴールに近い位置にいられているので、目に見える結果というところは本当によりこだわっていかないといけないと思っています。僕が出てる意味っていうのは、プレッシャーとか守備の部分だけでいいわけではないので、結果をもっともっと積み重ねていけるように、また日頃の練習からこだわってやっていきたいです。
練習からやらせないだったり、取り切るだったり、試合で出るのは練習でやってることだけなので、そこは今できてるからいいよねじゃなくて本当にもっともっと良くなっていかなきゃいけないですし、僕たちは本当に今はい上がってる最中なので、そこは日々の練習から本当に緊張感を持ってやっていかないといけないかなと思います。今の状況やプレーに満足しちゃいけなくて、改善していくことだったり、強くしていくことだったり、いろいろやることがあるので、本当に1日1日を無駄にしちゃいけないなと思います。
MF 7 小島 幹敏
入りがあまり良くなくてうまくできてなかったんですけど、前半20分過ぎぐらいからちょっとずつ良くなってきて、後半のあの時間帯で2点目が入ったので、ゲームが進みやすくなりました。そこから自分たちのペースになりましたし、ディフェンスも安定していたので、相手にゴール前に入られてもあんまりやられる気がしなかったです。
先制点は僕自身リーグ戦では1年半ぶりぐらいのゴールで、やっと入ったので安心しましたし、うれしかったです。先週の天皇杯のゴールのほうがきれいでしたけど、ゴールはゴールなのでうれしいです。スミに決めたらもっと良かったんですけど、決めたい気持ちが勝って力が入っちゃいました。
天皇杯が弾みになって今日も決められたので、このまま勢いに乗ってもっとゴールを狙っていきたいです。点につながったFKも練習していたパターンでしたし、ああいうこぼれ球みたいなシーンもまたあると思うので、もっとシュート練習して次も狙っていきます。
Facts
主審 | 友政 利貴 |
|---|---|
副審 | 高寺 恒如, 村田 裕紀 |
第4の審判員 | 小林 拓矢 |
入場者数 | 6,800 |
湿度 | 32% |
ピッチ状態 | 全面良芝 |
気温 | 28.5°C |
天候 | 晴時々曇、弱風 |
Kickoff time | 2024年6月1日, 14時00分 |