明治安田J3第26節は、YS横浜を相手に迎えるホームゲームだ。前節の長野戦は、試合途中で雷雨のため中止。今節も台風接近で開催が危ぶまれたが、雨の中で試合開始を迎えた。
キックオフ直後、3バックの一角を担う村上がスペースへ持ち運ぶドリブルで右前方へ進むと、対角へフィード。泉がシュートを放ち、1分も経たずにゴールへ迫る勢いを示した。さらに左右からの対角フィード、クロスボールで、相手3バックの脇を突いて攻略を図った。守備では、石川が前線に出てサンデー、杉本と一緒に相手のビルドアップをけん制。あるいは、サンデーを前線に残した4-5-1の陣形で相手を中盤から先に進ませなかった。
34分、左からのクロスをファーサイドの下口がヘディングで折り返し、杉本がヘディングシュートを放った場面は惜しかったが、クロスバーをわずかに越えた。39分には、自陣の守備から小島がボールをコントロール。しっかりと前線を見て、スペースへロングパスを送ると、サンデーがキープ。すぐに駆け上がってきた小島を経由してアルトゥール・シルバが強烈なミドルシュートを放ったが、ゴールの左へそれた。完全にペースを握り、前半のうちに得点が欲しい展開となった。
しかし、時にはフィールドプレーヤーが全員、ペナルティエリアまで下がるほど人数をかけて守る相手を崩すのは容易ではなく、無得点のまま前半を終えることになった。長澤監督は「スプリントをせずに点を取るのはムシが良すぎる。対角やクロスも、点が欲しいから、人が(相手のタイミングを外し続ける動きをせずに)待ってしまっている」と攻撃の連続性を促した。
ハーフタイムには雨足が強まり、視界が白んだが、ホーム側ゴール裏からは大声援が送られた。後半も攻勢。特に、杉本は足元でボールをキープして起点として機能した。50分、杉本が中盤から左へ展開。泉のクロスからゴール前の混戦を作り、最後は石川がシュートを放った。54分にも泉のクロスがゴール前に届いたが、杉本とシルバが重なりシュートはクロスバーを越えた。59分にはロングパスで左サイドを抜け出したサンデーがドリブルシュート。次々にゴールへ襲い掛かったが、なかなか得点を奪えなかった。
ところが、思わぬ形でチャンスが訪れた。69分、相手がビルドアップのパス回しで、スリッピーな状況からコントロールミス。目の前にこぼれたボールを石川がすかさずゴールへ押し込み、待望の先制点を奪った。精力的なプレスの賜物だが、石川は「前半から(オリオラ)サンデーや(杉本)健勇、(泉)柊椰も(下口)稚葉もだけど、みんなが相手の守備ラインや中盤をしんどい状況に持って行ったのが大事なこと。相手は、ボールを持たせると上手さを見せるチーム。好きに上手さを見せられ続けてはいけない。ボールを取れなくても、プレッシャーをかけ続けないといけないと思っていた」と狙い続けた意図を明かした。
得点直後、長澤監督は、直後に4人を同時交代。中盤から前の陣形を変更。前線は、ファビアン・ゴンザレスの後ろに藤井、大澤を置く形となった。そして78分、ゴンザレスのカウンターアタックから生まれた左CKのこぼれ球を敵陣中央で拾った下口が左へ展開すると、小島がクロス。ゴンザレスが豪快にヘディングシュートを突き刺し、追加点を奪った。
さらに試合終了間際、大澤が左から入れたクロスボールからゴンザレスがオーバーヘッドキックを狙った場面でボールがこぼれ、ゴンザレス自ら押し込んで、勝利を決定付ける3点目を決めた。
終わってみれば3得点の快勝だが、1点を取る大変さを感じたゲームでもあった。リーグ終盤、首位を走り続ける難しさはあるが、目標であるJ2復帰と優勝へ向け、次節は松本とのアウェイゲームに臨む。
(総評:
平野 貴也)
選手・スタッフコメント
監督 長澤 徹
サポーターの方が5,000人、足場の悪い中来ていただき、笑って帰っていただけるので、ホッとしております。
典型的な、我々が押し込んでYS横浜がディフェンスを整えてというゲームでずっと推移しました。前半は少していねいにやりすぎるというか、きれいに崩すのもサッカーですし、点を取ったときのように奪ってそのまま入れてしまうのもサッカーですし、ファビアン(ゴンザレス)が取った点のようにごちゃごちゃした中で取るのもサッカーですし、多分それを同居させないと勝負というのは取れないんですよね。だから、そういう面では非常にたくましくなってきたと、泥臭いゲームなのですが観ていて面白いとか綺麗とか、そういうのにはほど遠いのですが、元々大宮アルディージャが抱えいたそこの部分の問題を、やっぱり綺麗にていねいにという部分と同居していろいろなことをやれるようになりましたし、(小島)幹敏が外から行ってクロス一発合わせてきましたが、そういうのも含めて少しずつ強いチームにはなっているなと思います。
残り12試合ですが、しっかりとまた競争してチーム力を上げていってさらに強いチームを目指すのと、明日のトレーニングマッチもしっかり勝ってチーム全体を勝利の空気の中で今週を越えて、来週、松本のアウェイに行きますが、今選手たちに言ってきたのですが僕の余計な鼓舞はいらないチームなので、今回に関してはしっかり準備してアウェイに乗り込んで、勝利を貪欲に目指していきたいと思います。
FW 9 ファビアン ゴンザレス
勝点3も取ることができて、それもホームで、本当に素直にうれしいです。
自分のゴールは2点ともクロスからの展開だったのですが、1点目は自分の前にとてもいいボールが入って自分が合わせることができて、2点目はクロスからのこぼれを相手がクリアしようとして味方に当たって、それがちょうど自分の近くにこぼれていい形でフィニッシュすることができました。
監督が自分に与えてくれる時間の中で精一杯やるということだけを常に意識していますし、こうやってゴールでチームに還元することができたのもこれからの自分にとってもすごく大事なことなので、与えてもらった時間内で自分ができることを練習から精一杯やってきて、それが実ったのかなと思います。
ゴールパフォーマンスは、自分がプロになる前からずっとサポートしてくれている家族へのメッセージで、毎回ゴールを決めるとこれをやっています。
自分が加入したときからサポーターの声援というのはすごく暖かく感じていて、ただそこに対してこれまで還元できていなかったので、やっとサポーターの皆さんにゴールという形で還元することができて、すごくうれしく思っています。
自分たちが求めているもの、向かっている先はもう決まっていて、やはり優勝なので、早く勝点を積み上げてJ3優勝に近づくためにどの試合も大事なので、次の試合はアウェイですが勝点3を狙っていきたいと思っています。
MF 6 石川 俊輝
YS横浜はボールを持たせてしまうとうまさを見せるチームなので、うまさを見せられ続けてはいけなかったですし、プレスにいくことでボールを取れなくても精神的にもプレッシャーをかけ続けていかなきゃいけないなと思いながらやっていました。その結果が得点につながったのかなと思います。止めてしまえば外すだろうなと思ったので、ダイレクトで振り抜きました。
前半から、(オリオラ)サンデーだったり、(杉本)健勇だったり、(泉)柊椰、(下口)稚葉もそうですけど、みんなが相手のディフェンスラインとか中盤に対してしんどい状態の中でもゴール前まで持ってったのがやっぱり大事なことだったと思います。
簡単ではないことだと思うんですけど、ここ何試合も本当にずっとああいう形で勢いよく入ってきてくれているので、本当に頼もしいですし、そこでそういった選手たちに負けてられないです。試合でも練習でも、本当にいい競争がし続けられてるっていうのが大事なことだと思いますし、スキを見せないように練習からも緊張感を持って最後まで続けてやっていきたいです。
GK 1 笠原 昂史
ゼロで終われたことに関しては、守備陣としては一定の評価に値するとは思います。ただ、攻めているときのリスク管理だったり、ペナルティエリアの中に人数をかけていくことだったり、ウチのやり方ですし良いいところなのでなくしてはいけないとは思うんですけど、ボックスの中に全員入るのか、誰か1人ちょっと様子を伺うのか、みたいなところの判断は、もうちょっとしてかなきゃいけないですし、チーム全体として考えていかなきゃいけないところかなと思います。
前半に(オリオラ)サンデーの胸に通したシーンは、狙ってる形がうまくできたと思いますし、見えるようになってきてるものは確実に増えてるとは思います。ただ、僕から狙いすぎる必要はないと思うので、シンプルに周りを使うとこは使いますし、長いボールを使うときは長いボールを使うという使い分けをしっかりやって、僕が目立たないようにすればいいかなと思います。
常に集中力高くっていうところは外してはいけないと思いますし、ボールが来ないならマネジメントのところで声をかけながら集中力を保っていくことも大事だと思います。抜けがちにはなるところだと思うので、意識的にそういうところもやっていかなきゃいけないと思いますし、今日に関してはそういうところも抜け目なくしっかりできてたんじゃないかなと思います。
Facts
主審 | 佐々木 慎哉 |
|---|---|
副審 | 田邉 裕樹, 宗像 瞭 |
第4の審判員 | 美川 笙乃 |
入場者数 | 5,333 |
湿度 | 87% |
ピッチ状態 | 全面良芝 |
気温 | 25.5°C |
天候 | 雨、弱風 |
Kickoff time | 2024年8月31日, 19時00分 |