明治安田J3リーグは残り10試合。8戦負けなし、8試合連続クリーンシートで首位を独走する大宮は、第28節で八戸を相手にアウェイゲームを戦った。
「自滅しないように、自分たちのバランスをキープしてやっていくことが一番大事」と言う長澤監督が先発に選んだのは、GK笠原、最終ラインは村上、濱田、浦上の3人。茂木と泉がサイドに張り、小島とアルトゥール・シルバが中盤の低い位置に、杉本と石川が高い位置に入り、最前線にオリオラ・サンデー。U-19日本代表に選出された市原が外れ、濱田が3バックを統率した以外は、快勝した前節の北九州戦と変わらない顔ぶれがピッチに並んだ。
霧雨が舞うなか、八戸のキックオフで始まった試合は、序盤から攻守の入れ替えが激しい展開となる。8分、ドリブルでボールを運んだシルバのシュートが相手に跳ね返された直後、八戸がカウンターを繰り出してくる。スルーパスを受けた佐々木がペナルティエリア内まで侵入してきたが、ここは濱田が冷静に対応。経験豊富な頼れるベテランがすばやくピンチの芽を摘み、大宮の堅守を引き締めた。
均衡が破れたのは13分。シルバとのワンツーで右サイドを攻め上がった茂木がダイレクトでクロスを入れる。足元にボールを収めたサンデーが対応にきた相手2人をかわして右足を強振すると、低い弾道の先制ゴールがネットに突き刺さった。古巣である八戸への感謝を忘れず「大宮で学んだことを出したい」と語っていたストライカーが、思い切りの良さが光る〝恩返し弾〝で、確かな成長を示してみせた。
9分後に山内のくさびの縦パス、佐々木のポストプレーから佐藤に9試合ぶりの失点を喫したものの、大宮はゴールへ向かう姿勢を崩さない。34分には小島の縦パスに反応したサンデーがGK谷口をかわし、右足で無人のゴールにシュートを放ったが、戻った近石のブロックに阻まれ追加点とはならなかった。
その後も出入りが激しく、攻めたあとに攻め込まれる展開が続く。40分には、フリーでボールを持った蓑田のシュートが、大宮DFに当たってゴールに吸い込まれ逆転されてしまう。1点を追う状況のなか、2分のアディショナルタイムにもサンデーのスピードに乗ったドリブル突破から杉本、シルバが連続してゴールへ迫ったが決め切れず、1点ビハインドでハーフタイムを迎えることになった。
後半開始早々、茂木が獲得したFKから立て続けに2度のビッグチャンスが訪れる。泉のボールを杉本が頭で叩いたボールはポストに弾かれ、こぼれ球を拾って小島が入れ直したボールを濱田が頭で逸らして浦上が詰めたが、これは谷口のセーブに阻まれて同点とはならなかった。
その後は大宮がしっかりとボールを握り、八戸のカウンターをケアしながら幾度となくゴールを脅かす時間帯が続く。左サイドから泉、石川、サンデーが仕掛け、小島が可能性を感じさせるCKを蹴り、泉のパスカットから杉本、小島が得点の気配を漂わせるが、ゴールには届かない。
68分、長澤監督は石川に代えて和田を投入。すると、その和田が見事な仕事をする。杉本が奪い返したボールを運んでペナルティエリア内のサンデーへ縦パスを入れる。相手を引きつけたサンデーの落としを和田が狙い、跳ね返りを小島が左足で叩くと、美しい軌道を描いたシュートがゴールに吸い込まれた。
同点。残り時間は20分ほど。追いついても攻撃の手を緩めない大宮は、積極的に攻め続ける。そして81分、杉本が左サイドに展開したボールを小島が丁寧にトラップし、ゴール前の状況を見極めて中央へ。このラストパスをペナルティエリア内に入り込んでいた泉が右足のアウトサイドでタッチすると、ふわりと浮いたシュートがポストの内側を2度叩いて価値ある逆転ゴールとなった。
終盤、カウンターとセットプレーからゴールを襲われたが、ここでは守護神の笠原が圧倒的な存在感を放った。鋭い飛び出しとスライディングでピンチを封じて、安定したキャッチングでヘディングシュートを抑え込んだ。試合は、5分のアディショナルタイムを消化してタイムアップ。ゴールの奪い合いとなる激しい展開の末、大宮は今季初となる逆転勝利で勝点3を手に入れた。
次節はホームに戻っての第30節。大宮は10戦負けなし、3連勝を目指して相模原を迎え撃つ。
(総評:
粕川 哲男)
選手・スタッフコメント
監督 長澤 徹
大宮からサポーターが500人ほど来ていただいて、車で来ている方もたくさんいると聞きましたが、本当に大変な思いして来てもらって、笑顔で帰ってもらえるのでホッとしています。
最終的には、しっかり勝てたことがすべてだと思います。タフになったなと思います。入りの方はちょっとお互いがアップテンポの中から(オリオラ)サンデーが一つ取ったのですが、そこからの時間で少しリスクのかけ方が奪った瞬間にちょっとボール大事にしすぎてしまって、そのまま相手の圧力を受けながらサッカーをやるという形で過ごしてしまったなと。奪った瞬間にリスクを取れればよかったのですが、逆にそこでリスクを取らずに最後の局面で少し慌ててプレーしてしまう時間が続いた中で、二つ相手の思い切ったショットで取られて、前半はそんな形でした。
後半はそのあたりを少し修正して奪った瞬間のプレーを整理するのと、少し攻撃の中でも立ち位置の中で変化をかけて押し込めるような形で持っていって、30分までに点が取れれば何とか我々の交代のメンバーもいるので押し切れるということを明言して後半に臨みました。僕は言うだけなのですが、それをやっぱり実行に移せる彼らは本当にタフになったと、厳しい戦いだったのですが慌てずに最後までプレー続けてジャッジをぶらさなかったという部分は、非常に評価できる点だと思います。
残りあと9試合なのでしっかりと戦えるようにというのと、クリーンシートがずっと続いていてハーフタイムに言ったのですが、背負っているとあまりろくなことはないので、ここで1回打ち切ってもう1回締め直していこうということで、次の試合からまたしっかりと締め直してゲームに臨んでいきたいと思います。
MF 7 小島 幹敏
前半に幸先よく先制点取れてよかったですけど、そこからぽんぽんと取られちゃって、そこから自分たちがちょっとうまくいかない時間が続いて、前半はちょっと苦しかったです。
後半は結構自分たちのペースだったので、流れが来てるなと思っていたら自分が決めることができました。いい感じにボールがこぼれてきて、ちょっと力入ってなかったんですけどそれで逆にうまくミートできたのでよかったのかなと思います。時間帯的にももう1点いけそうだなと思っていたら、うまくパスが通って(泉)柊椰が決めてくれたので、自分のゴールやアシストという数字につながってうれしいです。
優勝するチームや昇格するチームは、やっぱりこういう負けてる試合で1-2から逆転できる力が絶対あると思うので、それを示せたかなって思います。今日アウェイで勝って、これでホームも勝って連勝できたら、よりこの後半戦のラストスパートいけると思うので、また次も応援よろしくお願いします。
FW 90 オリオラ サンデー
とても楽しい試合でした。前にいたチームと今いるチームで対戦できて、自分がしたいことは全部はできなかったですがちょっとはできたし、楽しかったです。
一番は点を取りたいと思っていました。前の試合でチャンスを外しているし、この試合で頑張って前の試合で外したのを取り返そうと思っていて、一点しか決められなかったのはちょっと悔しかったですが、もっともっと練習を続けて、次の試合も頑張ります。
ゴールシーンは、最初のトラップが良かったと思います。シュートはニアを狙って、相手はそんなに速いボールが来るとは思っていなかったと思います。速すぎてGKも間に合わなくて入って、でも練習で何回もやっていたシュートでした。
今日は八戸のサポーターの前でプレーできて、気持ちよかったです。挨拶しに行ってとても応援してくれました。今日は自分の強い気持ちを見せることができたしうれしかったです。
MF 14 泉 柊椰
得点に関しては、(小島)幹敏くんがあそこにパスを通せたのがすごいと思います。上でくるかなと思ったんですけど、下できたので楽でした。ポストに2回当たっても入ったのはラッキーだなとは思いますけど、僕自身調子いいからなのかなとは思います。ピッチコンディション的にパスが跳ねるかなと思ったので結構ボールを引き込んでから打とうと思いながらもちょっと焦って前で触ったんですけど、ボールのバウンドは落ちついて見れていたので浮かすことなく打てたのかなと思います。
ハーフタイムに(長澤)徹さんから「もっと脅威になれ」と言われていたので、僕は攻撃に専念しようと思って、もちろんウイングバックの仕事もしながらですけど、それでも点を取らないと勝てないので、より驚異的な、もはやアタッカーというか、勝つためにポジショニングを取りました。そうしたことで点を取れるところにいたので、3点目を取れたのはそこかなと思います。
本当に一戦一戦勝ちにいってるので、そこがぶれない結果が出たのかなと思いますし、試合ごとに強くなれてる感もちろんあるので、それはチームとしてレベルが上がってるってことかなと思いますけど、それを言えるのは優勝とか昇格を決めてからなので、よりうまくタフになっていければなと思います。
Facts
主審 | 友政 利貴 |
|---|---|
副審 | 荒上 修人, 大穂 祐太 |
第4の審判員 | 種市 裕孝 |
入場者数 | 2,116 |
湿度 | 73% |
ピッチ状態 | 良芝 |
気温 | 14.2°C |
天候 | 雨、弱風 |
Kickoff time | 2024年9月21日, 18時00分 |