明治安田J3第31節は奈良とのアウェイゲームだ。残り8試合。2位につける今治との勝点差は「16」と大きく開いている。J2復帰だけでなく、目標に掲げるJ3優勝も見えてきているが、長澤監督が率いるチームは何一つ変わっていない。日々の練習、そして目の前の試合に集中している。
10戦負けなし、3連勝となった前節の相模原戦直後も、3バックを統率した濱田は快勝には目を向けず、「自分たちの緩さを排除していこうと言ってたのに……」と、先制を許した守備の甘さを悔やんだ。また、優勝の可能性を問われた際も冷静に「変わらずやっていくことが大事だと思います。開幕してからずっと目の前の試合に勝つことだけを積み重ねてきたので」と、答えている。チーム全体に浸透しているに違いない、そのブレない姿勢が頼もしい。
相模原戦からの先発変更は1人。長澤監督は濱田に代え、AFC U20アジアカップ中国2025予選で全3試合に出場してきたU-19日本代表の市原を起用。それ以外は前節と同じメンバーを選んだ。
序盤はともに縦への意識が強く、出入りの激しい展開となる。大宮はカウンターから森谷にシュートを許した直後にCKを得たが、チャンスには至らない。10分を過ぎるとボールを持てるようになるが、低い位置やサイドではパスをつなげるものの、フィニッシュまで持ち込めない状況が続く。
大宮のファーストシュートは16分。右サイドの高い位置でボールを持った茂木が中央へパスを送ると、これに反応したアルトゥール・シルバがヘディングシュート。だが、GKマルク・ヴィトにキャッチされて先制ならず。その後も茂木のロングスローを村上が流して攻撃参加した浦上がゴールに迫るなど、大宮は右サイドから何度かチャンスを作るも、ゴールの気配が漂うことはなかった。
飲水タイム後も、ボールを支配しながら奈良の5バックを崩そうと試みる。ただし、なかなか決定的なパスを出せない。37分、小島が蹴ったこの試合3本目のCKに茂木が詰めたシーンは決定機と言えたが、奈良の体を張った守りに阻まれ、ボールはゴールの左へ外れた。
泉のクロスからの茂木のヘディング、小島のCKからの浦上のヘディングも実らず。ゴールを奪えないまま時計の針が進み、両チーム無得点で前半45分が終了した。
後半も大宮がボールを握り、奈良が逆襲に懸ける構図は変わらない。49分、奈良の波状攻撃は持ち前のシュートブロックで防ぎ、その後の相手CKも落ちついた対応で守り切った。
55分、左サイドの高い位置で得たスローインにオリオラ・サンデー、泉、浦上が絡み、浦上のクロスを茂木がヘディングで狙ったが、ここはファウルの判定で奈良にFKが与えられた。
60分、中盤でのボールロストから岡田にドリブルシュートを放たれた直後、長澤監督はサンデーを下げファビアン・ゴンザレスを投入。ギアを上げ、縦パスやアーリークロスを織り交ぜつつゴールを目指した。カウンターから最後はシルバがミドルを狙うなど惜しい場面が続き、得点への期待が高まる。
残り20分を切り、杉本と石川に代わって大澤と和田が入ると、大宮のポゼッション率がさらに高くなる。74分には泉のクロスを大澤が頭で繋ぎ、ペナルティエリア内で相手を背負いながらターンしたゴンザレスの左足シュートが枠をとらえたが、GKの好セーブにあいネットは揺れなかった。
終盤にも左サイドを突破した泉のクロスからシルバが狙い、右サイドを抜け出した大澤が自ら持ち込み積極的にシュートを放ったが、ゴールには届かない。さらに関口と藤井を送り込み勝負を決めにいったが、粘り強い奈良の守備を崩せず。茂木のロングスロー、アディショナルタイムの藤井の決定的なシュートも跳ね返されて、スコアレスのままタイムアップのホイッスルを聞く結果となった。
今節でのJ2昇格は実現できなかった。しかし、大宮は次節ホームに福島を迎え、これまでと変わらず目の前の1勝を狙いにいく。
(総評:
粕川 哲男
)
選手・スタッフコメント
監督 長澤 徹
大宮からたくさんのサポーターに来ていただいて、勝点3を取りたかったのですが引分けに終わりました。この1を大事にしてまた次に進んでいくので、引き続き一緒に戦ってほしいなと願っています。
ここまでのリーグ戦で実は第3節で対戦した奈良戦が、僕らが点は取ったのですが、ゲームをハッキングされて乗っ取られてしまいました。その相手に対して今日は枠内シュート0だと思うのですが、スキを見せずに押し込んでいくというゲームができたことに関しては、1シーズンを通して選手がしっかり力をつけてきたなとゲームを観ながら実感しました。最後の最後にこじ開けたのですが、相手の執念の方が上回ったんですかね、GKも抜いたんですがあそこからDFがもう1人出てくるという意味では、相手ながらすばらしい執念というか我々も見習わなければなと感じました。
ただ、勝点1は取れたので、ここからいろいろなプレッシャーかかってくるゲームになってくると思うのですが、我々はしっかり積み上げてきたものを出せるように、また準備していきたいと思います。ホームで2つ、ゲームが来るので、しっかりいい準備をして次の福島戦にまず臨んでいきたいと思います。
DF 33 和田 拓也
試合への入り方は、すごく悪かったかと言われるとそういうわけではなかったと思うんですけど、引いた相手にありがちな展開になってしまったので、もう少し選手の中でも工夫しなきゃダメだったのかなと思います。今年の残りの試合でこういうゲームも本当に間違いなく何度かあると思うので、やっぱりこういうゲームをこじ開けていかなきゃいけないと思います。
引いた相手に対してはサイドが起点になってくると思うので、そこで相手のSBやウイングバックの裏を取ってCBを釣り出す動きとかができればよかったですし、前半ベンチから見ていて、引いた相手に対して足が止まりがちだったり、自分のポジション立ったままやりがちだったりしたので、無駄な走りが多くなるとは思うんですけどもう少し足動かして、チームとして崩すために汗かかなきゃいけなかったのかなとは思いました。
点が入らないゲームはいくらでもある中で、今日こういゲームで負けてないっていうのは一個チームとしての収穫だと思います。ただ、プラスアルファの部分で、決定機の回数をもう少し作りたかったなと思います。チャンスを10回作って全部入らなかったゲームもいくらでもあるんですけど、ちょっと物足りなかったかなと思いますし、防がれたシーンもあと3回あのシーンを作ったら1点入ってるだろうと思うので、本当そういうところかなと思います。
FW 42 藤井 一志
最後のチャンスの場面は、(村上)陽介がパスカットした瞬間に自分がフリーというのがわかって、ボールを受けてつけたあとにもう一回ゴールに入っていくというところは自分の武器ですし、連続してかかわっていった中でビッグチャンスが来ました。GKの逆を取ったので入ったかなと思ったのですが、ブロックが入ってしまいました。
今日は久々にピッチに立って、自分がヒーローになるイメージをしてピッチに入ったのですが、どれだけチャンス作ってもやっぱり結果を残せないとFWは仕事をしたとは言えないですし、それに尽きるかなと思います。
徹さんから、ゴールは水物じゃないけど決まるときは決まるし決まらないときは決まらないとシーズン当初からずっと言われていて、今はなかなかツキが回ってこないですが、やっぱり(杉本)健勇くんみたいに点を取れない中でもチームのために何ができるかというところがこのチームが勝っていく中で大事なことかなと思うので、そこは僕自身もブレずにずっとやっていきたいと思っています。
今年からJ3で戦う中で、やっぱり勝ち続けなければいけないというところは年間を通じて言ってやってきていますし、そういう意味では勝点2を落としたという方が大きいのですが、チャンスが決まらないゲームは1本のピントでやられることもありますし、そういう中では点を取れなかったらまずはやらせないというところはチームとして絶対にできるようになってきていると思うので、またすぐ1週間後にゲームがあるのでそこにはポジティブに臨んでいけるかなと思います。
ここからホーム連戦で大事なゲーム続きますが、サポーターの方々の力を自分自身の力に変えながら貪欲にゴールを目指したいと思います。
DF 5 浦上 仁騎
僕らはいつも目の前の試合に勝つこと、勝点3を持ち帰ることだけに集中しているんですけど、今日はアウェイゲームで、この時期になると相手ももっともっと死にものぐるいでくる中で、勝ちはしなかったですけど、失点ゼロで抑えられたというところはポジティブかなと思っています。
DFとして、失点をゼロに終えられるというのはやっぱりうれしいことですし、前節、前々節は勝てたけど失点してしまって、DFとしての悔しさはあったので、今日勝てなかったですけど、失点ゼロにできたことはよかったです。
点を取れればゲーム自体も優位に進められたようなセットプレーもありましたし、結果論ですけど、もう少しゴール前で足を振ったりとか、相手を崩すとかはもちろん、ねじ伏せにいくというか、強引にでもゴールを取りにいく姿勢や意志がもう少し出せたら良かったんじゃないかなと思いました。
今日こうやって0-0で試合を終えて、過ぎてしまったことはもう取り戻せないので、次はしっかりホームでやれるっていうアドバンテージがあるので、あとはまた1週間いい準備して勝つことだけをしっかり考えてやっていきたいと思います。
Facts
主審 | 上田 隆生 |
|---|---|
副審 | 竹田 和雄, 小野 裕太 |
第4の審判員 | 杉田 昴 |
入場者数 | 2,235 |
湿度 | 60% |
ピッチ状態 | 良芝 |
気温 | 28.9°C |
天候 | 曇、無風 |
Kickoff time | 2024年10月5日, 14時00分 |