大宮 vs 札幌 — Match Report

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大宮 vs 札幌

明治安田J2リーグ

第11節

明治安田J2第11節は、札幌を相手に迎えるホームゲーム。金曜開催だが、観客数は1万人超。四方のスタンドが観客で埋まった。ここまで6勝2分2敗で、順位は自動昇格圏内の2位。ホームゲームは、3勝1分で負けがない。勝利を挙げ、ホーム無敗を貫きたい。
試合は、序盤から両ゴール裏の声量に応えるように、球際で激しい争いが見られた。どちらもシュートを打てないまま12分が過ぎたが、攻撃では、GKを使った自陣の数的優位によるパス回しから縦パスを仕掛けて前進。ガブリエウは最終ラインから長距離スルーパスを狙い、安光は、右サイドでボールも自身の位置も前に運び、MF谷内田は中盤から斜めのパスで相手守備網を切り裂いた。
今季リーグ初先発の安光は、緊張していたというが「ルヴァン杯は、チームの結果も自分のプレーも悔しかったので、すごく高いモチベーションで入った。チームのスタートラインにやっと立てたという気持ち。チームが一番大事にしているハードワークを自分も出せたと思う」と話したとおり、時間を経る毎に存在感を強めていった。
20分、谷内田と杉本のパス交換で中央を進むと、杉本が右からクロス。飛び込んだ泉には合わなかったが、ボールを拾った下口が左からクロス。ようやくゴールに迫ることができた。ここから相手に脅威を与えることができるようになり、縦の推進力が増した。敵陣でのプレスも機能。中盤でボールを奪い返す場面が増え、波状攻撃を繰り出した。
33分には、ハーフウェーライン付近で縦パスをカットしてショートカウンター。小島が鋭いミドルシュートを飛ばした。前半のCK回数は8対1。37分には左CKのこぼれ球をガブリエウがボレーで中央へ送り、市原が飛び込む決定機もあった。
試合のペースを完全に握っていたが、後半に入ると札幌のパス回しにプレスが機能しなくなり、押し込まれた。53分、61分とカウンターやサイドチェンジからシュートを打たれたが、GK笠原の好守で辛くもしのいだ。
なかなか攻撃場面を作れない中、62分に豊川を投入。布陣を4バックに変更すると、流れが一転した。長澤監督に狙いを聞くと「攻守(両面)。我々はRB(グループ)なので、どちらも攻撃」と話したが、攻撃の始まりとなるボール奪取の狙いを整理する形となり、豊川が前線からプレスをかけると、呼応するように下口や谷内田が守備のテンポを上げた。
64分には縦パスが相手GKまで流れたが、相手に余裕を与えることを嫌い、下口が猛然と追いかける場面もあった。下口は「トヨ君(豊川)は、チームにエネルギーを与えてくれるし、チームの士気が上がる。ギアチェンジした部分が確実にあった」と振り返った。
苦しかった後半の試合の流れは、選手交代から鮮やかに切り替わった。そして、67分、ついに歓喜の瞬間が生まれた。自陣FKのロングフィードから生まれたこぼれ球を拾ったFW藤井が右サイドを前進してクロス。こぼれ球を拾った下口が左から折り返すと、藤井が左足のボレーシュートを豪快にゴールへ突き刺した。
試合後のヒーローインタビューで涙を見せた藤井は「苦しい時期が続き、考えることもあった。自分の持ち味が分からなくなったり、点を取らなければと思うあまり雑になったり、判断が曖昧になったりしていた。自分を信じ続けたことがゴールにつながった」と8節ぶりの得点を喜んだ。
終盤は、86分に石川、中山、関口を同時に投入すると、下口、市原、笠原らがピッチ内で何度も声をかけて念入りに要所を確認。最後までチャンスもピンチもあるスリリングな展開だったが、1-0で勝負をモノにした。
4月末となり、ここからはゴールデンウィークの連戦となる。気温も上がることが予想される中、5月10日の第15節までは、いずれも中3日、2日の間隔で試合が続く。序盤の貯金を崩すことなく、さらに勝点を積み重ねられるか。チーム力が問われる。
(総評:
平野 貴也
)
選手・スタッフコメント
FW 42 藤井 一志
内容的には前半から押し込んでいる中でなかなか点が取れなくて、後半は少し押し込まれる時間帯が続いたんですけど、しっかりチームとして粘って仕留められたのはチームとしての強さが出た試合だったかなと思います。 個人的にはスタメンで出ていない期間はやっぱりいろいろ悔しい思いもありましたし、自分自身悩みもしたんですけど、ピッチに立ったらやることはチームのために戦うこととか犠牲心を持ってプレーすることなので、しっかり今日もチームのために走ろうという思いでピッチに立ちました。 得点シーンは、最初にクロスを上げたところでうまく自分が合わせられれば良かったんですけど、ちょっと大きくなってしまって、ただ二次攻撃でしっかりクロスに入っていけたところがゴールにつながったと思いますし、やっぱりあのように二次攻撃、三次攻撃できるというのが今の大宮の強さだと思います。結果として僕が点を取りましたけど、自分たちらしい人数をかけた攻撃だったかなと思います。 応援してくださるサポーターとか期待してくださっている周りの方になかなかをゴール届けられないというのは、僕自身すごく悔しい思いだったりとか、序盤あれだけ点を取って注目度が上がった中でプレッシャーというのは正直少し感じていたりしたので、今日点が取れてそういった面でホッとしました。 連戦が続くので、この勝利を価値あるものにするには次の試合でも勝たなきゃいけないと思うので、またチーム一丸となって全員で戦って勝利をつかみ取れればなと思います。
監督 長澤 徹
平日のナイトゲームでしたが11,000人以上のサポーターの方に来ていただき、札幌のサポーターの方もたくさん入ってくれて、大宮のサポーターにはしっかり笑って帰ってもらえるので、ホッとしています。 ゲームの方は、おそらくクオリティの一番高いチームと対戦するにあたって、我々は我々の持っているものでしっかり戦っていくということで意思統一して入りました。前半はトランジションも含めてかなり制圧していたのですが、相手にダメージを与えているかというと、25分ぐらいから少しずつリスクを取れるようになって入って行けたのですが、ゲーム全般的に相手コートでやっているイメージはあったのですが、ダメージを与え切ることができないと流れが反転するかなと思っていたので、ハーフタイムは逆にソリッドさというか細かいところを修正してソリッドにして出していく、どう攻めるかというよりもそっちの方を修正しました。 ゲーム全体としては、最初は少しボールを動かされたのですが、その時間に落ちついて対応できたということが、ゲームの中で一つ大きかったかなと思います。その中で、結果的には少し我々に運があったかなととらえています。いいシュートでしたが、そこを踏まえて相手にも最後にチャンスが来ましたし、我々ももう1点というところで刺し切れない部分もありましたし、そういう意味では少し運が味方してくれたのかなと思っています。 ただ、本当にこの勝点3は次のアウェイで勝利して初めて輝くものなので、今選手たちにも言ってきましたが、まず休んで、すぐ切り替えて、連戦なので次に向かって行かねばというところで意思統一しました。 同時に、途中から出た選手の強度がすばらしくて、向こうも攻勢に出てくる中で(和田)拓也とか、トヨ(豊川)を中心にゲームを完全に押し返していったような形になったので、いつも言っているのですがスタメンとかレギュラーとかそういう枠ではなくて、やはり全体で勝ち取った勝点3だと思っていますので、このペースをシーズンずっと続けていきたいと思っています。
DF 16 安光 将作
ルヴァンカップでチームの結果も個人のパフォーマンスもすごく悔しい思いをした中で今日チャンスをもらえて、本当にすごく高いモチベーションで「やってやるぞ」という感じで入りました。 自分の足を止めないところとか走るところとかは出せたのかなと思いますけど、もっともっと攻撃のクオリティのところは上げていきたいですし、そしたら自分からチャンスも作れると思うので、そこは改善したいなと思います。 ボールも自分も前に行かせられるのは自分の良さだと思うので、そこは意識してゲームに入りました。ただ立ち上がりは、相手も下がってるのが見えたのでやめてしまう場面もありましたし、すごく緊張感もあって、少しリスクを冒せなかったところは多分あると思うので、そこは改善したいなと思います。 後半はすごく苦しかったですし、ちょっと耐えないといけない時間帯が続きましたけど、でも本当にみんなでコミュニケーションを取れていたし、「ここでやらやられないぞ」という中の雰囲気作りはできていたのかなと思います。 個人的には練習からいろいろなポジションをやっていて、そこのポジションでこういうプレーをしないと、というのに引っ張られてしまっていたんですけど、結局はどこのポジションでも自分の良さを出すだけですし、そこを求められてるからという話を、若さん(若宮直道コーチ)がルヴァンカップが終わったあとにしてくれたので、それで自分の中でもかなりすっきりしました。それで今回チャンスをもらえたので、そこは意識していました。 大宮でのスタートラインに自分がやっと立てたかなと思いますし、チームのベースであるハードワークするところとかを自分も出せたと思うので、クオリティとか攻撃の部分とかでまだまだ改善しないといけないことがありますけど、チームの一番大事にしているところのスタートラインには立てたので、そこは良かったなと思います。このゲームで満足することなく、もっともっと上を目指して、チームの勝利に貢献できるように準備したいなと思います。
DF 20 下口 稚葉
アシストのシーンは、押し込んでいたので後ろで構えるよりは拾えるほうが良いですし、早めにポジション取れたことと、(杉本)健勇くんが背負う形になっていたので健勇くんならボールを収めるだろうと思って、そういう予測のところで前に入れたのが良かったかなと思いました。クロスはニアに引っかかるとノーチャンスになってしまうので、そこだけは超えようと思って、ちょっと超えすぎたかなと思ったんですけど、(藤井)一志が入ってきてくれていて彼のクオリティがすばらしかったので、良かったかなと思います。 チームにエネルギーを与えるとかエネルギーを持っていくというのは自分の長所だと思うので、そこはどのポジションに入っても意識はつねにしています。前半の最後のシーンもガブ(ガブリエウ)から背後でもらえそうなところもあったので、後ろから走っていけば何かあるかなっていうのはつねに思っていましたし、結果的に合わなかったですけど、ああいうのを一つ見せるだけで相手も少し警戒してくれると思うので、そういう意味では良いアクションだったかなと思います。 トヨくん(豊川雄太)はチームにエネルギーを与えてくれていますし、ああいう一つのプレーでチームの士気が上がるので、そういった意味では自分も相手のGKまで追ったり背後を狙ったりというのはつねに意識していて、トヨくんとクオリティはまた別なんですけど、そういう姿勢を出すというのが僕たちの役目だと思っています。途中から出てきた選手がそうやってやってくれるというのは、チームとして積み上がっていることだと思うので、すごくありがたいと思います。 (長澤)徹さんも言ってますけど、チームとして出ている人だけじゃなくて出ていない人もそうですし、スタッフもそうですし、このクラブで作り上げているものが今のサッカーだと思うので、強度では絶対譲らないですし、それは連戦だろうと関係ないですし、まだまだスキはありますけどそういった意味では体現できているのかなと思っています。 今日も多くのサポーターの方が入ってくれていて、気持ちが上がってしまって気持ちを抑えるのが大変なくらいすごいなと感じますし、僕たちはそういう方たちに勝点3を渡して笑顔で帰ってもらうというのが、いつも言ってますけど自分は義務だと思っているので、そのために走るしアライブするし体も張りますし、いかなる時にもそこの大事さというのは忘れてはいけないと思っています。 自分のためにやるより、誰かのためにとかサポーターのためにというほうが力が湧くので、本当に僕たちにとっては力になっていますし、それはチームとして共通なので、ゴール裏に攻めている時はいけるぞというのは全員が思っていると思います。サポーター側に攻めるときはエキサイトしますし、足を運んでくれていると思うと不思議な力があって、それは言葉で言うのは難しいですけど、本当にいけるなという感じになります。セットプレーとかキツいときもそうですけど、それはすごくあるので、ボルテージがかなり上がっていると思いますし、すごくうれしいので、今後もスタジアムに来てほしいです。

Facts

主審

須谷 雄三

副審

阿部 将茂, 松本 康之

第4の審判員

田邉 裕樹

入場者数

11,222

湿度

59%

ピッチ状態

全面良芝

気温

19.1°C

天候

曇時々雨、無風

Kickoff time

2025年4月25日, 19時00分

Match

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