3週間ぶりとなる明治安田J2リーグ。第24節はアウェイで富山に挑むナイトゲームだ。
いわき、甲府を相手に今季初の連敗を喫して迎えた中断期間を経て、チームは新たにどのような一歩を踏み出すのか。リーグ戦は残り15試合。まずは連敗を止めて、終盤戦へ向かいたい。
5試合連続ドローと連敗により、守り続けてきたJ1自動昇格枠内の2位から5位に順位は落ちている。しかし、追われる立場よりも追う立場の方が精神的に強い側面はある。長澤監督は全体の目線を「連敗を止めて2位を狙う」方向で揃えており、チームで唯一フルタイム出場を続けている笠原も「一つ勝って、周りのチームに『(大宮が)また来たな。嫌だな』と思わせたい」と、前向きな姿勢を崩していない。
長澤監督が選んだ布陣は、前節の甲府戦と同じ4-4-2。ゴールマウスに笠原が立ち、最終ラインは茂木、市原、イヨハ、下口の4枚。谷内田と小島がピッチ中央に並び、右に津久井、左に泉。豊川とオリオラ・サンデーがやや縦関係で前線に立った。主将のガブリエウは負傷による戦線離脱となっている。
試合開始直後から、大宮は鋭い出足と連動したプレッシングを披露した。茂木のロングスロー、谷内田のFKでゴールに迫り、泉は全力のプレスバックでボールを奪い返す。10分には谷内田の縦パスを受けた小島がスルーパスを送り、ペナルティエリア内に走り込んだ豊川が右足でシュートに持ち込んだ。
豊川とサンデーが前線から相手を追い込み、2列目、3列目もフォローしてポゼッションを許さない。カウンターを受けた場面では市原が素早く戻り、笠原が確実なパンチングでピンチを防いだ。
33分、サンデーが相手のミスを逃さずボールを奪い、パスを受けた豊川がドリブルで持ち込む。巧みなフェイントから右足で放ったシュートは相手のブロックにあったが、先制点の気配が漂う。
大宮は、その後もボールを握り、パスを回し、ゴールを脅かす。38分には豊川と泉が左サイドで攻撃を組み立て、下口と津久井が絡み、最後は谷内田がペナルティエリア内へ飛び込んでいく。シュートを打つことはできなかったが、複数人が関与する大宮らしい厚みある攻撃だった。
待望の先制点は44分。自陣深くからイヨハがサイドを変えるロングフィードを送ると、これを受けた津久井がゴールに迫り、丁寧なラストパス。すばらしいボールタッチからの豊川のシュートは相手GKとDFに弾かれたが、これを拾った谷内田が再びゴール前へ。泉が右足で合わせてネットを揺らした。
前半のアディショナルタイムに松岡の左足シュートにヒヤリとさせられたが、ゴールは許さず。1点のリードを奪ったまま、ハーフタイムに突入した。
後半の頭から、長澤監督は津久井に代えて藤井を投入。藤井は、そのまま2列目の右サイドに入った。49分、豊川が得たFKで谷内田が低いボールを入れると、イヨハが反応して左足でシュート。直後には、下口のパスを受けた豊川がドリブルからフィニッシュ。どちらもGKに止められたものの、チーム全体に2点目を狙いに行く積極的な姿勢が感じられた。
大宮は運動量を落とさず、富山の反撃を凌ぎ続ける。茂木がアップダウンを繰り返し、市原が粘り強い守備で対応し、泉も相手に食らいついてピンチの芽を摘んだ。
59分、2枚目の交代は豊川に代えてカプリーニ。そこからやや押し込まれる展開となったが、守備陣は崩れない。富山の攻撃を食い止め、最終ラインからパスを繋ぎ、縦パスを入れ、サイドを変え、セカンドボールを拾うと、最後はカプリーニが強烈なシュートでゴールに迫った。
飲水タイム後、サンデーに代わってファビアン・ゴンザレスが登場。前線からのプレスを緩めず、相手のビルドアップを封じ、ボールを奪い返す。74分には、藤井が力強いミドルシュートと混戦からの一撃で見せ場を作った。
泉と谷内田に代えて富山と和田を送り込むと、試合時間は残り10分に。笠原が1対1となるピンチを弾き返し、守備陣はゴール前で身体を張る。87分の決定的なピンチでは、市原が渾身のスライディングで相手のシュートコースを変えた。
すると、6分のアディショナルタイムに勝負を決定づける2点目が決まる。右サイドでのスローインをゴンザレスが力強くペナルティエリア内に運び、待ち構えていた富山に預けると、そのままダイレクトでカプリーニへ。左足でのシュートが2度目の歓喜につながった。
そのままタイムアップとなり、大宮は第16節の藤枝戦以来となる勝点3を手に入れた。最後まで攻め、堅く守り、複数得点&クリーンシートで達成した勝利は、巻き返しを予感させる充実の1勝だった。
(総評:粕川 哲男)
選手・スタッフコメント
MF 41 谷内田 哲平
中断期間で緊張感のある練習ができたことがこの勝利につながったのかなと思います。チームが勝てていない状況で、「自分が出場して勝たせてやる」と全員が思っていたと思うので、その練習の中でメンバー入りを勝ち取った選手が今日出場して、勝利できたということは、チームとしてもう一個上のレベルでやれると思います。
最近のサッカーは内容が良ければ勝てるという試合はあまりないような気がしていて、今日は決め切れたからこそ勝てたという試合だったと思うので、結果にこだわって全員がやれた結果だと思います。
個人的には久しぶりの試合だったので、自分のプレーはまずまずかなと思います。内容よりも今日もサポーターが多く来てくれていたので、その人たちに勝利を届けれるように、内容よりも結果を求めて戦いました。
自分はここまでアウェイの試合でスタメンで出ることはあまりなかったのですが、ピッチの外から見ていてアウェイだとやはり少しアグレッシブにいけない部分があったので、最初から出る選手がアグレッシブにいくことによって交代で入ってきた選手ももっとやれると思うので、自分が前からプレスにいけていたことは良かったと思います。
大事ではない試合はないですけど、今日勝ったことで次の千葉戦もまたさらに重要な試合にできたということは、チームとしてプラスだと思います。
監督 長澤 徹
大宮から1,200人以上のサポーターに来ていただいて、本当に今日は勝たせてもらったと思っています。本当に背中を支えてくれて、感謝しています。ありがとうございます。
ゲームの方は、全体的にはすごく消耗戦になった中で、交代で出ていった選手たちがしっかりバトンを受け取ってすばらしい仕事をしてくれたことがまず1つ、もう1つは、消耗戦でこのコンディションにもかかわらず果敢に踏み込んでいって、先にバトンを持って出ていった選手たちの非常に意志のこもったゲームだったと思います。
立ち上がりに決定機を作りかけてトヨ(豊川雄太)や(下口)稚葉が出ていったのですが、少し硬かったのか最初はなかなかゴールまで届かずという中で、少し相手に時間ができたような前半だったと思います。
ただ、攻守のバランスにおいて攻撃がうまく回らないときはディフェンスをしっかりまとまってやるというのは、非常によくできていたと思います。そういう中で徐々に決定機を作り出していって、前半の厚みのある攻撃で1つ取って先手を取れたことは非常に大きかったと思います。そこからこちらも出ていって相手もリスク冒して出てきてという中で、際のところで抑えながら2点目を交代選手で取ったというところで理想的な展開ではあったのですが、細かいところを見るとまだまだどっちに転んだかわからないゲームであるのも確かなので、そういう点においてまだまだ反省していこうと思います。
しっかりとこれで上位にまた食らいついていって、残り14試合が終わったあとどこに立っているか、見てみたいと思います。
MF 14 泉 柊椰
全員勝ちたかったと思うので、2ヶ月半ぶりに勝てて本当に良かったですし、自分のゴールで勝てたというのはすごくうれしいなと思います。
ゴールシーンは、ゴール前で足を止めないというところだけを意識して、マークを外すとかではなくてとりあえず動いておこうと思って動いていたらボールが来たので、考える間もなく打ったという感じです。やち(谷内田哲平)のボールがあのラインに来るというのが分かったので、あそこに動いたことは良かったかなと思います。
どんな形であれゴールを決めたかったので、自分の形とかそういうのを抜きにして、とにかく決めるというのを意識したので、入って良かったなと思います。
4バックでのプレスはもっとできるとは思います。もっとプレスをかけて、前で奪って、ショートカウンターをして、また取られてそれを奪い返して、ショートカウンターをもう一回するみたいなことが、チームの形としてもう少し出てくれば多分本当に止められないチームになるなという思いはあります。
前からプレッシャーをかけにいくところと、プレスバックで守備するところというのは、去年ウイングバックを経験してやれる体力もついたので、そこは自分のストロングになってるとすごく感じています。
中断期間もつねにチームとして勝つためにどうするかということはずっと考えていましたし、矢印が勝利に向いていたと思うので、そこは良かったかなと思います。シーズン中どこかで壁にぶち当たると思っていたので、勝てないことも自分のパフォーマンスのこともいろいろ考えましたけど、やることははっきりしていました。4枚でやるか5枚でやるかはあるとして、左サイドを突破するところと守備で貢献するところ、ゴールとアシストでよりゴールの数をチームとして増やすというのが自分の役割だと思います。いろいろ考えましたけど、そこしか結局ないので、そこをどう洗練していくかということにフォーカスしました。
前節は自分が外して負けているので、今日勝てたことは自分としてはホッとしました。取れなかった勝点はもう戻ってこないですけど、そこから勝点をプラスにしていくことはできると思います。この勝点3を取った次が大事だと思っているので、今日だけはホッとしようかなと思います。
どこが相手でも大事なゲームですけど、次の千葉戦は上位同士の対戦ですし、絶対に勝点を取りたいと思います。
FW 28 富山 貴光
前半耐えて終了間際に点が取れて、後半も耐えるところ耐えて追加点を決めて、いろいろなアクシデントもありましたけど、本当にチーム全員で乗り越えて、みんなが一人ひとり役割を全うして、しっかり勝てた試合だったと思います。
勝てない中でもそこまで悲観的になる感じではなかったですし、やることをやれば勝てるという試合に勝てなかっただけだと思うので、今日みたいにしっかり守るところを守ったり、決め切るところを決めれば、勝点3は取れるので、その最後の勝負どころをもっともっとチームで引き上げてやっていけば、これからも勝点3を取れるかなと思います。
チームの練習が一番競争が激しいと思いますし、練習中からそういったところを意識して本当の試合さながらの雰囲気でやっているからこそ、今日の試合展開でしっかり勝点3を取れたかなと思います。
追加点のシーンは、本当はシュートを打ちたかったのですが、ラッソ(ファビアン ゴンザレス)のドリブルが意外とゆっくりだったのと、カプ(カプリーニ)がフリーなのが見えたのでパスになりました。ああいう練習をチーム内でけっこうやっているので、それがしっかり生きたシーンだなと思います。意外と冷静にパスを出せましたし、カプとは試合に入ったときに「絶対に出すから」とお互い言っていたので、決めてくれて良かったです。
千葉戦に向けてやるべきことをやって、しっかり勝負にこだわってしっかり抑えてやれば勝点3を取れると思うので、また1週間しっかりと競争して良い準備をしたいなと思います。
Facts
主審 | 中川 愛斗 |
|---|---|
副審 | 松井 健太郎, 千葉 直史 |
第4の審判員 | 松澤 慶和 |
入場者数 | 7,768 |
湿度 | 72% |
ピッチ状態 | 全面良芝 |
気温 | 30°C |
天候 | 晴、弱風 |
Kickoff time | 2025年8月2日, 18時00分 |