宮沢悠生監督が率いる“新生・大宮”は、明治安田J2第31節で磐田と対戦した。
今季初の3連敗を受けて長澤徹監督を解任するという決断、リーグ戦も残り8試合での監督交代劇が、どんな変化を引き起こすのか。宮沢監督の下での準備期間は2日と短かったが、勝利を目指す姿勢は同じ。現在8位の大宮は、勝点1差の7位・磐田に勝利して、一つでも順位を上げたい。
「狩りに行こう。ボールを、相手を、そして勝点を、みんなで狩りに行こう」(宮沢監督)という言葉を受けた試合の立ち上がり、大宮は積極的な姿勢を見せた。カプリーニが思い切ってロングシュートを狙い、ボールをサイドに散らしながらゴールを目指した。
しかし、最初のCKから先制点を奪われてしまう。グスタボ・シルバのシュートは笠原が弾き出したが、右からの上原のキックをヤン・ファンデンベルフに頭で押し込まれた。さらに4分後、今度はペナルティエリア内でパスをつながれ、倍井のアウトサイドのクロスをシルバに頭で流し込まれた。
2点のリードを許した大宮は、25分過ぎから立て続けに決定機を創る。それでも、ゴールには届かない。豊川が放ったフィニッシュは相手に防がれ、カプリーニのFKに合わせた村上のヘディングは右に外れ、関口のラストパスに反応したオリオラ・サンデーの左足シュートは枠をとらえられず、サンデーとのワンツーから抜け出した豊川の右足シュートはクロスバーを越えた。
さらに35分、泉が左サイドをドリブルで駆け上がり中央へパス。豊川の丁寧な落としをカプリーニが右足で狙ったが、GK三浦の好セーブに阻まれた。41分には小島のCKをカプリーニが受け、ゴール前へクロスを入れる。そこに飛び込んだ福井が相手ともつれながら狙ったが、これも三浦に弾かれた。
それでも前半のアディショナルタイム、ようやく磐田のゴールネットが揺れる。シルバのボール奪取で攻撃に転じると、関口がアーリークロスを入れる。これを相手GKがこぼすと、詰めていたカプリーニが左足で押し込んだ。ようやく1点を返した大宮は、後半に望みをつないでハーフタイムを迎えた。
後半開始早々、大宮は見事なカウンターから同点に追いつく。アルトゥール・シルバの縦パスに反応した関口が一気に右サイドを駆け上がり、ゴールライン近くまで侵入して折り返す。ここに走り込んだサンデーが、左足でプッシュして試合を振り出しに戻した。
完全に息を吹き返した大宮は、さらに前へ出る。57分には左サイドの泉が起点となり、下口、シルバ、カプリーニが小気味よくパスをつなぐと、ゴール前でマーカーを外したサンデーが落ちついてゴール左隅に逆転ゴールを流し込んだ。
その後、大宮は確実にボールを保持し、磐田に形を作らせない。61分には豊川に代えて杉本を起用し、攻撃の勢いを加速する。すると6分後、観衆の度肝を抜くスーパーゴールが飛び出した。
相手の縦パスをカットした福井のプレーから。シルバが村上に繋ぎ、村上の縦パスを受けた杉本がカプリーニとパス交換。杉本のパスを受けたカプリーニは、ワンタッチ後に前方を見ると、思い切って左足を振り抜く。前半のうちから見せていたゴールに向かう果敢な姿勢が、センターライン手前からの超ロングシュートとなって4点目に結びついた。
終盤、反撃に出てきた磐田に対して、大宮は選手交代をまじえながら時計の針を進める。74分に藤井と津久井、4分後にはファビアン ゴンザレスと和田がピッチに送り込まれた。そこからは激しく攻守が入れ替わり、両ゴール前での攻防が続く。89分、杉本のパスを受けた津久井のカウンターは実らず、1点差に詰め寄られるゴールも許したが、最後まで粘り強く戦い、アウェイで歓喜のタイムアップを迎えた。
試合後、2得点のサンデーと宮沢監督は揃って長澤前監督への感謝を口にしている。そうした思いも力に変えて、前へ進むのみだ。生まれ変わった大宮は、4試合ぶりとなる勝点3を磐田から持ち帰った。次節の相手は仙台。2試合続けてアウェイで、J1昇格争いのライバルと対戦する。
(総評:粕川 哲男)
選手・スタッフコメント
監督 宮沢 悠生
準備期間が短い中で、トレーニングすることもほぼなかったのですが、その中で選手たちがオープンマインドで僕が求めたことを90分プラス7分を含めてやってくれたことを、非常にうれしく思っています。
私たちは昇格組なので、選手たちにも「自分たちはチャレンジャーだ」と話をして臨みました。ここ数試合は惜しい試合が続いてたと思うのですが、何かを失わないようにではなくて、自分たちはチャレンジャーでこんなにいい位置にいるので、どんどん狩りに行くイメージを持って戦おうと選手たちには伝えました。積極的に、ミスしてもいい、ミスは自分が責任を背負うからボールを狩りに行く姿勢を見せたいと、それが一番のテーマでした。
選手はとても真面目で、やはりテツさん(長澤前監督)が作り上げたモラルのあるチームだなということをすごく感じました。ただ、選手たちも心苦しい日々が続いてたと思います。それでも、自分のことを少し受け入れてくれている印象もあったので、もしかしたら今日の試合で何かできるのではないかという思いはありました。
ハーフタイムに話をしたのは、まずはいい部分が出ているから続けようと。絶対にチャンスは来るから、相手は自分たちを怖がってなのかリスペクトしてなのかもしれないですが、ロングボールを蹴っていたので、そのロングボールはしっかり対応しようと。また、サイドチェンジするのは相手の意図だったと思うのですが、自分たちはボールに対して集中したいので、それを防ぐために今やっていることをもっと正確に、もっと勇気を持ってやることを姿勢として伝えました。
FW 90 オリオラ サンデー
今日はまずしっかりと勝ち切るという気持ちで試合に入りました。チームが勝つことが一番うれしいですが、自分はFWなので点を決めないといけないので、自分が点を取るイメージを持って入りましたし、チームが勝つために頑張りたいと思っていました。点を取ることができてすごくうれしかったです。
磐田に勝てたことはすごく大きいと思いますし、ここ3試合負けていたのでこの試合が大事なことは分かっていましたし、今日しっかり勝つことで自分たちの気持ちやモチベーションがもっと上がると思っていました。宮沢監督が言っていることを自分たちがしっかりとできるようになればもっと上に行けると思うので、自分たちはしっかり集中して勉強して、サポーターの皆さんたちに喜んでもらえるように頑張ります。
自分は大宮に来てから本当にいろいろなことを教えてもらったので、たくさん勉強になりましたし、いろいろな人と話をしてきました。ここまで自分の中ではパフォーマンスはあまり悪くなかったと思っていますし、点が取れないことが悔しかったのですが、今日はひさしぶりになりましたけど2点取りましたし、まだまだいけるという感覚もありました。残り7試合もどうしたら自分のゴールが増えるかを考えて、今年の目標を達成できるように頑張ります。
今日は2ゴールでしたけど、自分はFWとして次の試合も点を取らなければいけないと思っていますし、次の試合も勝たないといけないので、仙台戦も今日みたいにしっかり走ってチームが勝つように頑張ります。
DF 20 下口 稚葉
すごくエキサイティングしたゲームでしたし、本当は4-2で終われればベストでしたけど、4-3になってしまったというのはまだまだ自分たちの力不足なところだと思いますけど、修正できる点だと思います。今大事なことは結果ですし、勝点3を持ち帰れたということにしっかりフォーカスして、次また勝点3取れるようにやっていきたいなと思います。
ボールに圧力いくところや失った後のプレッシングのことだったりというのは練習で宮さん(宮沢悠生)がしっかり提示してくれていましたし、まずはそれを体現しようと思ってやっていました。ポイントポイントで僕たちにうまく提示してくれたので、それを実行することを意識してやっていて、あとはそれぞれの想いや自分の強みがすごく出たゲームかなと思います。
ムラ(村上陽介)も(福井)啓太も(関口)凱心も自分の特長を出してやっていますし、1失点はあると思ってゲームの中で声をかけていましたけど、崩れなかったのはやはりこのチームの強さだと思います。自分がもっともっと支えてあげられる力があればいいですけど、まだまだ力不足ですし、今日は攻撃陣に助けられたので攻撃陣にすごく感謝したいなと思います。
僕は(長澤)徹さんを男にしたかったですし、それが僕の大宮に来たミッションでした。その中で、今日この苦しい状況を皆さんが支えてくれて、みんなで勝点3取れましたし、若い選手たちがすごく闘っていたのでそういうプレーにも胸を打たれましたし、今日のゲームがまた僕らの新しい形として徹さんに届いたかなという思いもありました。ピッチに入った時に徹さんと宮さんの幕をサポーターの皆さんが掲げていたことがすごくうれしかったですし、ここからやるんだという強い気持ちやいろいろな感情が自分の中で飛び出てきて、最後涙として出てしまいました。
まだまだ僕たちは航海中なので、もう一個上のステージに船を進めれるように、もう一回皆さんと一緒になって戦っていきたいですし、あと7試合もう一回自分たちの強みを存分に出して立ち向かっていきたいなと思います。
この一勝で何かを手にしたわけではないですし、まだまだ僕たちは上に食らいついていかないといけない立場なので、自分自身もチームとしてもいろいろな感情をここにしっかり置いて、次の仙台戦に向かって歩んでいかないといけないですし、本当に大事なのは勝った試合の次なので、西大宮に帰ってしっかりトレーニングしたいなと思います。
DF 34 村上 陽介
今までやってきたサッカーと根本のところは変わっていないと思いますけど、細かいシステムのところなどは多少違うところもあるので、立ち上がりは少し全体としてうまく入れなかったかなと思います。うまく盛り返せたので良かったですが、次はもっと立ち上がりからうまく合わせられるように、もう一回練習からしっかりやりたいと思います。
個人的には絶対あの選手にやらせないという強い思いは表現できたのではないかなと思いますけど、やはり失点したという結果が残ってしまいましたし、終了間際にも失点しているので、3失点はしっかり反省したいと思います。ただ、勝って反省できることはすごくいいことだと思うので、次につなげていきたいと思います。
3連敗している中でアウェイにこれだけのサポーターが来てくれて、そこは結果で返すしかないと思っていたので、そこは一つ返せてよかったなと思います。
本当に結果で評価される世界だと思うので、後半はいいサッカーができましたし、それをいかに結果につなげられるかで本当に評価は全部変わってくると思います。とにかく自分も無失点にこだわって、今日もセットプレーでチャンスもあったのでそこを決め切るところとか、とにかく目に見える結果で貢献したいなと思っています。
Facts
主審 | 御厨 貴文 |
|---|---|
副審 | 田尻 智計, 柳岡 拓磨 |
第4の審判員 | 堀 善仁 |
入場者数 | 12,315 |
湿度 | 50% |
ピッチ状態 | 全面良芝 |
気温 | 26.3°C |
天候 | 晴、弱風 |
Kickoff time | 2025年9月27日, 19時00分 |