大宮 vs 新潟 — Match Report

1

-

0

大宮 vs 新潟

明治安田J2リーグ

第1節

山本のゴールと粘り強い守備で開幕戦に勝利

2026/27シーズンの開幕戦。ナルシス・ペラッチ・ナダル新監督が率いる大宮は、J1からの降格組である新潟とのホームゲームで新たな一歩を踏み出した。
選手たちは、この試合に向けて準備を進めてきた。走り込みの多い3回のキャンプはいずれもハードで、ほぼ全員が「あれだけやったのだから」と、それを乗り越えてきた自分たちに対する自信を口にしている。泉は「走ったことで間違いなくメンタルは強くなりました」と、成長を言葉にした。
チケット完売で迎えた注目の一戦。試合開始45分前に両チームのGKがウォーミングアップのためにピッチに現われると、ゴール裏から凄まじい声援が発せられる。決戦直前のスタジアムの雰囲気は最高だ。この日、ナダル監督は1週間前に行なわれた浦和とのプレシーズンマッチから先発1人を変更。4-3-3の並びは変わらず、木寺に代わり関口が右SBを務めた。
開始5分、いきなりスコアが動く。相手のクロスをキャッチしたトム・グローバーがすぐさまボールを離すと、これを受けたカプリーニが一気に前線へ突き進む。外側を駆け上がった関口を囮に使って中央へ切れ込み、スルーパスを出すと、斜めに走ってきた山本が右足のワンタッチでゴールに流し込んだ。
早々に飛び出した今季初得点にスタジアムは沸き、より大きな声援が選手を後押しする。
先制後も、大宮は果敢に前へ出た。鋭い縦パスで局面を前進させ、ボールを失ってもすぐに奪い返し、山本、泉、関口が次から次へと前線へ飛び出していく。18分には右からの山本のクロスを泉が頭で狙い、続けて右サイドの深い位置からペナルティエリア内に進入したカプリーニのラストパスにカルリーニョス・ジュニオが合わせる。さらに23分、抜群の精度を誇る加藤聖のアーリークロスをカルリーニョスが頭で叩く。しかし、いずれも枠をとらえることができず、追加点とはならなかった。
飲水タイム後も、大宮の勢いは止まらない。カルリーニョスを前線に残す4-5-1のコンパクトな布陣でプレッシャーをかけながら、セカンドボールを拾いまくる。ハイラインの裏を突いてくる新潟に対しては、尾崎が俊足を活かして完璧に対応。いち早く攻撃の芽を潰し、チャンスを作らせなかった。
前半の終了間際はやや押し込まれる展開となったが、カプリーニが自陣深くまで戻って懸命なクリアを見せるなど、高い集中力を保ったまま1点リードでハーフタイムとなった。
後半開始直後、最終ラインの裏に出されたボールに対してトムと尾崎が交錯する場面はヒヤリとしたが、その後の対応は問題なく、守備に綻びは見られない。中央でコンビを組む西尾と尾崎は強さと速さという互いの武器で補い合い、手堅くゴールを守った。
追加点が欲しい展開の中、山本のクロスからカルリーニョスのヘディング、さらには泉のカットインシュートと惜しい場面が続くが、2点目を奪えない。63分には先制点を決めた山本が足を痛め中山と交代。同時にカルリーニョスに代わって杉本が送り込まれた。
するとその直後、高い位置でボールを奪って攻撃に移ると、最後は杉本のスルーパスから中山が新潟のゴールを脅かす。勢いよくピッチに飛び出していったふたりが早速チャンスを演出してみせた。守備陣はハイラインをキープして、カウンターにも冷静に対応。関口、加藤聖の両SBも的確なスライドと粘りの守備で最終ラインを引き締めた。
抜け出したカプリーニのシュートがGKに当たり、跳ね返りを泉が狙うなど追加点の期待は高まるが、ゴールが遠い。74分、カプリーニに代わってスファナット・ムエアンタが前線の右に入る。タイの明日を担う逸材は相手に囲まれても動じないテクニックを披露。78分には自らドリブルで持ち込んでシュートを放つなど、優れた攻撃センスで攻撃に彩りを加えた。
残り時間は10分と少し。2点目は欲しいが失点だけは避けたい時間帯で、ナダル監督は関口と豊川に代えて村上と小島を投入。最終ラインに強さを、中盤にはパスの出口となるポイントを作る。それでも、思うように跳ね返せない。アディショナルタイムは5分。防戦一方の最後は、立て続けに訪れたピンチを全員が身体を張って守り、村上が渾身のヘディングクリアを見せた直後にタイムアップとなった。
開幕戦で何よりも価値がある勝利を手にした試合後、ナダル監督は2点目を奪って仕留め切れなかったことを悔やみながらも「選手たちは最後にローブロックを組んで、全員がしっかりと意思統一をして守り切る姿勢を見せてくれた。そこに関してはうれしく思います」と手応えを口にした。
決勝点を決めた山本は「開幕戦のゴールは特別なので素直にうれしいです」と笑顔を見せた。右SBでのスクランブル出場でクリーンシートに貢献した村上は「やったことがなかったのでビックリしましたけど、ボスから『いけるか?』と聞かれたので『いけます!』と(笑)。今日はみんなの気持ちの入った守備が皆さんにも響いたと思いますが、継続が一番難しい。これからも昇格するチームに相応しい結果を出していければと思います」と、今後を見据えた。
そのほかの選手たちも、開幕までの頑張りが結果に結びついた喜びを語りつつ、続けることの大切さを口にしていた。次節は1週間後、今治に挑むアウェイゲームだ。
(総評:
粕川 哲男)
選手・スタッフコメント
監督 ナルシス ペラッチ ナダル
チャンスをたくさん作れていたぶん、もっと点が取れていればという試合だったと思います。それができないと難しい試合になってしまいますし、1-0で勝利はできましたが、2点目を取って試合を仕留め切るだけのチャンスは作れていたと思います。ただ、この結果に関してはとてもうれしく思っています。 もっとボールポゼッションをして、もう少しボールを握っても良かったかなとは思っています。ハーフタイムには「考えすぎずにもっとやっていこう」と選手たちに話しました。 ただ、その中でもみんながハードワークして戦って、セカンドボールを奪ったり、デュエルに勝ったりしてチャンスを作り出してくれました。 チャンスを作れていたのですが、そこで仕留め切れないとどうしても相手に押し込まれて守る展開になってしまいます。それでも選手たちは、本当にローブロックでセットプレーも含めて、最後まで1人も欠けることなく、同じ頭で意思統一をした中で守り切ってくれたと思います。 相手のクロスであったりシュートであったり、どんな状況であっても相手の目の前には自分たちの選手がいたと思います。 やはりそのようなディフェンスであったり、選手たちがそういった姿勢を見せてくれたことに対して、とてもうれしく思っています。 10日ぐらい前、選手たちに「サポーターの人にサポートしてくださいと言うことはできない。自分たちがするべきことは、サポーターの皆さんがサポートしたいと思えるようなことを提供することだ」と言いました。フットボールファンがスタジアムに来て期待することと言えば、やはりパッションであったり、エネルギーであったり、そういったところだと思っています。今日はサポーターの皆さんが、ハッピーな状態で家に帰ってくれるのではないかと思います。自分から彼らに送れるメッセージがあるとすれば、最後まで大きな声でサポートしてくれたことに感謝したいです。自分の夢は、相手チームにとってこのスタジアムでプレーすることが非常に難しい、そう思われるスタジアムにしていくことです。
FW 11 カプリーニ
自分たちは相手にリスクを作らせるような自分たちが脅威になるサッカーをしているので、相手を上回れたのはしっかりとそれが実った試合だったと思いますし、自分だけではなく仲間全員がそれをしっかりとこなしたのかなと思います。 (山本)桜大がどれだけすばらしい選手かという話は僕たちの中でもよく出るのですが、難しいシチュエーションでも彼はそれをしっかりと決め切りますし、しっかりとゴールという形にすることが彼の持ち味だと思いますし、彼がチームにいてくれて自分たちはラッキーだと思っています。僕が出したパスに対して、信じてくれてゴールまで運んだことがすばらしいですし、そのゴールを守り切ってしっかりと勝つことができたのも、もちろん一連の流れはありますが、桜大のゴールのおかげだとすごく感じています。 守備の面では、しっかりと守備がオーガナイズされた中で、自分たちがやるべきことは監督からの提示の中で明確になっていますし、オーガナイズは自分たちで取れていたかなと思います。後ろには優秀な(関口)凱心もいるので、そこでしっかりとコンビネーションを取りながら、お互いを見ながらしっかりとディフェンスもできたと思います。 今日みたいな試合に関しては、自分たちのオーガナイズからしっかりとお互いが声をかけて、しっかりとプレーができる体制を作っていたことが大事でした。ただ押し込まれる時間がどうしてもあったので、そうならないようにも、相手に90分とおしてやらせないようにしたいですし、自分もチャンスを決め切れなかったところはしっかりとゴールに変えて、いかに自分たちのリスクを下げるかが大事になってくると思います。 ホームのこの雰囲気の中でサッカーができて、僕たちは力をもらっている側なので、良い試合をするというのは自分たちからすると当然だと思っています。アウェイでも同じような試合ができることを自分たちの中で植え付けないといけないと思っていますし、そのバランスの取れたものを作らないといけないと感じています。ホームゲームだけ勝ってもアウェイゲームを落としてしまうと、自分たちが掲げてる目標から遠くなってしまうので、掲げてる目標が明確である以上、しっかりと勝って昇格ということを自分たちは目指しているので、そこに向けてやっていきたいと思っています。
MF 21 スファナット ムエアンタ
試合前はワクワクしていましたし、幸せを感じながら臨めた試合だったかなと思います。NACKでサポーターの皆さんの前でプレーできたことが非常に幸せですし、勝点3というチームが一番望んでいるものをしっかり手にすることもでましたし、このチームメートとスタッフみんなで勝ち取れたので、全体的にもすごく幸せに感じています。 つねに自分の持っているものを最大限に出したいですし、それだけではなくチームにしっかりと貢献して、勝点3を取りたいなと思っています。今日の試合は自分でも改善すべきところはあると思うので、次に向けてしっかりそこはより成長して、ゴールが決められればなと思います。 サポーターの皆さんに幸せを届けられるように僕たちは頑張っていきたいと思いますし、勝点3をしっかり積み上げて、良い結果を皆さんの前で見せられるように努力していきたいと思っています。
FW 18 山本 桜大
得点シーンは、最初足元でボールをもらおうと思っていましたが合わなかったので、裏の動きをしたところにカプ(カプリーニ)がうまく出してくれて良かったです。やはりゴールは特別ですし、なかなか取れない時期も味わったので、取れる喜びをすごく感じました。 追加点は入らなかったですが、チャンスはたくさん作れていましたし、あとは決めるだけだと思います。決めれていればもっとラクな試合だったかなと思いますが、自分もそうですし個々で反省していると思います。 自分はインサイドハーフなので、守備に関してはあの位置で守備をサボってしまうと相手にバンバン行かれてしまいますし、今日はうまくできたかなと思うのでこれを基準にしていけたらなと思います。攻撃は今までは自分で剥がす場面も意識していましたが、パスで局面を変えるということは新しく意識しながらやっています。 開幕というのもあってみんな気合が入っていましたし、アラートにやれていたので、これを1年間ずっと続けられるようにしたいと思います。

Facts

主審

中村 太

副審

篠藤 巧, 長田 望

第4の審判員

國吉 真吾

入場者数

12,217

湿度

69%

ピッチ状態

全面良芝

気温

29.2°C

天候

Kickoff time

2026年8月8日, 19時00分

Match

すべて表示