今治 vs 大宮 — Match Report

2

-

3

今治 vs 大宮

明治安田J2リーグ

第2節

アディショナルタイムの劇的弾!! 小島の一撃で連勝を飾る

2026/27シーズンの第2節は、FC今治とのアウェイゲームだ。大宮はナルシス・ペラッチ・ナダル監督、今治はアベル・モウレロ監督と、どちらもスペイン人指揮官が率いる。ナダル監督がUEFA指導者ライセンスを取得する際の講師がアベル監督で、極東の地で実現した師弟対決としても注目を集めた。
大宮のスタメンのうち10人は、1-0で勝利した前節の新潟戦と同じだ。唯一の変更点として、インサイドハーフの山本がメンバー外となり、中山がスタメンに指名された。控え選手は新潟戦から3人の変更があり、イヨハ、エドワード、日髙がベンチから出場を待つ。システムは前節と同じ4-3-3だ。
キックオフからわずか20数秒、中山が相手GKからCBへのパスを引っかける。3分には加藤玄が相手陣内でボールを奪い、カプリーニのパスから泉が右足のコントロールショットを放つ。これはオフサイドとなるが、試合の入りは申し分ない。
ところが、6分に先行を許す。自陣右サイドからの相手FKが、誰にも触れることなくゴール左スミへ流れ込んだ。
ビハインドを背負ったものの、慌てることなく相手ゴールへ迫る。8分、トム・グローバーのキックを泉が相手DFに競り勝ってヘッドで落とし、カルリーニョス・ジュニオがテクニカルな右足ループで相手ゴールを脅かす。
12分には同点弾が生まれる。敵陣でボールを奪い返すと加藤聖の縦パスをカルリーニョスがフリックし、豊川を経由してボールは左サイドへ。泉がGKとDFラインの間へグラウンダーのクロスを通すと、ファーサイドのカプリーニが左足でプッシュした。
その後も試合の主導権を握る。前線からのプレスで相手のパスミスを誘う、パスコースを限定して敵陣で奪い返す、といったプレーができていた。今治で警戒すべき1トップのエジガル・ジュニオは、西尾と尾崎の2CBがクリーンかつハードにチェック。アンカーと2人のインサイドハーフ、さらには両ウイングとカルリーニョスも守備の局面で足を止めず、今治に攻撃の起点を作らせない。
相手陣内でサッカーを進めていく大宮は、27分に2点目を奪取する。右SB関口が自陣からドリブルでボールを運び、内側のレーンを進んで豊川へつなぐ。背番号10は鋭いターンから左足を振るが、相手DFにブロックされる。そのセカンドボールを加藤聖が収めると、左足でピンポイントクロスを供給する。CBの背後を取ったカルリーニョスが、ヘディングシュートを決めた。J2通算100試合出場となる節目のゲームで、32歳のブラジル人FWがリーグ戦初ゴールをゲットした。
33分には相手GKが5秒以内にゴールキックを蹴ることができず、攻撃側のCKとなる新ルールが適応される。前半から激しい消耗戦となった一戦は、大宮が1点リードでロッカールームへ戻った。
追いかける立場のホームチームが、後半開始からパワーを注いでくるのは想定の範囲内だ。それでも、大宮はゴール前でしっかりと身体を張り、決定的なシュートは許さない。
逆に52分、カプリーニのゴリゴリと音がするようなドリブルが相手の守備組織を混乱させ、カルリーニョスがペナルティエリア内右からクロスを入れる。GKが弾いたボールを泉がフリーでプッシュしたが、惜しくもバーに嫌われてしまった。
その後は自陣での攻防が続く。今治が60分の2枚替えで攻撃のギアを一段上げ、相手陣内でサッカーをすることが難しくなる。68分にCKのセカンドボールを蹴り込まれ、同点とされてしまう。
直後の69分、ナダル監督も動く。泉、豊川、カルリーニョスに代え、スファナット・ムエアンタ、小島、マギーが送り込まれる。マギーはJリーグデビューとなった。
80分には中山に代わって杉本が起用される。直後の81分、スファナットが斜めのランニングでDFラインの背後を突き、至近距離から鋭いシュートを浴びせる。これは惜しくも枠をとらえられなかった。
後半のアディショナルタイムは5分だった。両チームともに次の1点をどん欲に狙っていくなかで、大宮がゴールをこじ開けた。
加藤聖が対角線のパスを鮮やかに通すと、これを受けた関口が右サイドから縦へ抜け出す。グラウンダーのクロスはDFにカットされるものの、すぐ目の前の小島がボールを収める。DFとGKの位置を見定めた一撃が、大宮のファン・サポーターの目の前のゴールへと突き刺さった。90+1分、大宮が土壇場で一歩前へ出た。
ナダル監督は90+3分に、最後の交代カードを切る。カプリーニに代えて、イヨハを投入する。CBの枚数を増やしてクロス対応をより強固にし、守備時は5-4-1で相手の攻撃を跳ね返す。
90+7分の今治のCKでは、相手GKもゴール前へ上がってきた。緊迫感が増すなかで西尾がヘディングでクリアし、加藤聖がタッチライン外へボールを蹴り出したところで、終了のホイッスルが鳴り響く。プレーの強度も集中力のレベルも最後まで落とさずに、正しい判断を積み上げてつかんだ勝利だった。
消耗度の激しい夏場のゲームでは、「自分たちのやりたいこと」を追求しながら、「その瞬間にできること」を選択していく柔軟性が求められる。アウェイの厳しい環境で競り勝った大宮は、勝利にふさわしいパフォーマンスを見せたと言えるだろう。
(総評:戸塚 啓)
選手・スタッフコメント
監督 ナルシス ペラッチ ナダル
とても激しい試合で、インテンシティもとても高かったと思います。われわれのチームは、いい時間に仕事をしてくれたと思います。最後まで勝利できると信じてプレーしてくれました。試合に勝つには、自分たちが勝てると信じてプレーしなくてはいけないと思っています。自分にとっては、その点で言えば一歩先に進めたのではないかと思います。 もちろんアウェイに来たので、アウェイのサポーターからのプレッシャーがあったりすると考えることもあるかと思いますが、そうではなかったと思います。われわれのチームは、自分たちのことを信じてもらいたいと思っています。そこに信念を持つこと、今日の自分たちにはそういったものがあったと思います。 もちろん、試合の中で戦術的、技術的に、いい部分、悪い部分があったと思います。相手チームから自分たちにプレッシャーがかかったシーンもありました。そういった中でも、文句を言ったりうまくいっていないなどと言うのではなく、しっかりと向きあって立ち向かってくれました。チームのため、クラブのためです。そのことに関して、自分は彼らのことを本当に誇りに思います。 交代を準備していた中で失点をしてしまいましたが、自分のキャリアでは初めてあのような形で交代をそのまま進めました。これまでは失点をしたら交代を止めていたのですが、自分の感覚を信じたかったのです。失点をする前、少しチームのエネルギーとメンタリティが落ちているように感じたので、3枚替えをしました。失点をしてしまってもまだ勝てる時間はあると思っていましたし、今週は(小島)幹敏がトレーニングをいい感覚でやれていると感じていました。まだ17歳のマギーも、今週のエネルギーは良かったと思います。バンクも自分たちにとってすごくいいエネルギーをもたらしてくれると思っています。彼らであったりこのチームのことを信じているからこそ、あの交代を進めました。
DF 3 加藤 聖
立ち上がりに失点しましたが、それでも慌てることなくしっかりそこから巻き返すことができました。百年構想リーグではこういった試合をなかなかモノにできないことがありましたが、こういった試合をモノにできるようになってきているのはプラスですし、自信になったと思います。 今シーズン初めてのアウェイゲームで、相手のホーム開幕戦でもあったので、相手の勢いに飲まれる可能性もあったと思います。最初に失点してしまいましたが、相手をうまく乗らせないように意識して試合に入りました。 アシストという結果をやっと一つ出せたのはよかったと思います。守備の時間帯でも逆サイドが多くあまりボールが来なくて守備のシーンはそこまで多くなかったのですが、流れの中から失点しなかったのはよかったところかなと思います。 百年構想リーグでもみんな戦っていたとは思いますが、その中でも最後のところで粘り切れなかった試合もありました。でも今は最後まで全員が身体を張れていると思いますし、プレスの行き方も時間帯によって変えたりとか、自分たちの中でそれを話しながらできているので、そういったところは今の粘り強さにつながっていると思います。 流れの中からのキックは調子がいいですが、止まっているボールのキックが少し合っていなかったりうまく蹴れていないので、今後はそこも合わせてアシストを狙っていきたいと思います。
FW 9 カルリーニョス ジュニオ
本当に難しい試合でしたし、そうなることを全員が理解して臨みました。J2リーグではこういった試合がたくさんある中で、自分たちがそこに対してどう準備をして立ち向かうかが重要で、組織としては勝点3が一番大事です。それを自分たちがしっかりとこのアウェイで勝ち取ることができたので、今日の勝利に関してはすごくポジティブだと思います。 どの試合でもそうですが、いかに自分たちが集中した状態を保てるかということが大事ですし、メンタル的にもフィジカル的にもポジティブな状態を保ちつつどう相手に立ち向かうかが大事になってくるので、しっかり勝利を届けること、自分たちが勝つ試合をすることをいつも意識しています。 得点の場面は、クロスのところで(加藤)聖とその前からずっとコミュニケーション取っていました。彼は本当にすばらしい選手ですし、キックに関して本当にクオリティの高い選手なので、信じてクロス上げてくれと頼みました。自分は自分の仕事をしただけですが、ちゃんとポジションを取ってしっかり決められたことはもちろんうれしいですし、家族のためにも、自分のためにも決められて本当によかったです。 次の札幌戦もアウェイで、間違いなく今日のような難しい戦いになると思います。ただ、互角に戦えるチームですし、仲間を信じてやっていくだけです。自分たちのサッカースタイルを全面的に主張して、しっかりといい試合をして、またアウェイでも勝点3を持ち帰りたいと思っています。
MF 7 小島 幹敏
チャンスは結構ありましたし、ゲーム自体は決め切れない流れの中で、相手ペースのときに失点してしまいました。2-2だったので点を取りたかったですし、ペナルティエリア内にどんどん入っていくことを意識していたのですが、頑張って走っていたらこぼれてきてくれてラッキーでした。 1-2のときに交代で入る準備をしていたので、自分がボールを受けたりしてタメを作ったり、流れを持ってくるイメージをしていましたが、入るタイミングで2-2になってしまったので、点を取りに行かなければいけないと思いましたし、エリア内に入っていくことを意識して入りました。また、ハーフタイムでも言われたのですが、セカンドが拾われていたので、その球際のところはまず負けないようにしようと思っていて、そこもある程度やられなかったのでよかったです。 得点の場面は、(加藤)聖のフィードが入って、(関口)凱心がたぶん縦に行くだろうと思って、ニアは間に合わないのでマイナスで来るかなと思っていたら凱心がニアに出して、それがうまく相手に当たって、マイナスで待機していたらうまくこぼれてきたので蹴り込むだけでした。 自分のポジションはペナルティエリア内に入ることを結構言われているので、走らなければいけないなと思いますし、逆に守備でも戻らなければいけないのですが、そこは自分も頑張れる方なので、しっかりやりたいと思っています。 アウェイで今日のように追いつかれる展開になると、流れがホーム側にいくと思うのですが、その中で自分たちがこうやって勝ち越すことができて、こういうチームが強いと自分は思っていて、チームとしても個人としてもすごく自信になると思います。

Facts

主審

俵 元希

副審

廣瀬 成昭, 松本 康之

第4の審判員

堀 格郎

入場者数

8,349

湿度

65%

ピッチ状態

良芝

気温

29.6°C

天候

Kickoff time

2026年8月15日, 19時00分

Match

すべて表示