カルリーニョス、豊川、泉のゴールで札幌を撃破
開幕3連勝を懸けて臨む第3節は、札幌とのアウェイゲームだ。
3-4で競り負けた敵地での百年構想リーグから3カ月と少し、ナダル新監督の下でハードなキャンプと充実したトレーニングを重ねてきた大宮が、どのような戦いを見せてくれるのか。
前節からのスタメン変更は1人。中山に代わり小島がインサイドハーフに入った。注目のスファナット・ムエアンタ(バンク)は、兄のスパチョークと並んでベンチスタートである。J1昇格を争うライバルとの対戦だけに、しっかりと勝点3を持ち帰りたい。
大宮はキックオフから相手のコーナーを目掛けてボールを蹴り込み、ガンガン前へ出る積極性を見せる。その姿勢が実を結ぶのに時間はかからない。8分、右サイドの関口が下がらず仕掛けてきた札幌を裏返し、カルリーニョス・ジュニオがクロスに合わせてヘディングを放つ。わずかに左に外れたが、その1分後に先制点が生まれる。加藤玄が相手のビルドアップに激しく寄せ、カプリーニがダイレクトでパスを送ると、そこに走り込んだカルリーニョスが右足でネットを揺らした。
リードを奪った大宮は、その後も攻撃的な姿勢を貫く。左サイドの加藤聖がドリブルで運び、クロスのこぼれ球を拾ったカプリーニが加藤玄とのワンツーで縦を突き、中央へ。逆サイドから詰めた泉は相手のブロックにあってボールに触れなかったが、複数人が絡む大宮の攻撃が冴える。
追加点は31分。FKの場面で泉が素早く関口に出すと、関口がドリブルで縦に運んでクロスを上げる。相手のクリアでコースが変わるが、カプリーニが胸でつなぎ、ゴール前でこれに反応した豊川が混戦の中で右足をプッシュ。身体のキレと一瞬を逃さない嗅覚が重なった、見事なワンタッチゴールだった。
2点のリードを奪った大宮はデュエルの勝負に負けず、札幌のカウンターにも対応。サイドを破られる場面は何度かあったが、西尾と尾崎がゴール前で壁となり、加藤玄が戻り、関口と加藤聖は効果的に絞り、ゴールを割らせることなくハーフタイムを迎えた。
後半、当然のように前へ出てきた札幌にゴールを脅かされる。だが、ティラパットのヘディングが右に外れた直後、一瞬のチャンスをものにしたのは大宮だ。
49分、中盤での関口のクリアを豊川がつなぎ、泉がスペースへ蹴り出すと、カプリーニとカルリーニョスの2人が一気に前へ出る。飛び出してきた相手GKの股下を抜くカプリーニのシュートは無人のゴールに転がりポストを叩くが、最後まで諦めずに走っていたカルリーニョスが、リードを3点に広げた。
ナダル監督は61分にカルリーニョスと豊川に代えて、マギーとバンクを投入。2人のスコアラーに代えて攻撃的な選手を送り込み、ゴールに向かう意志を見せる。その直後、右サイドを崩されて決定的ピンチを迎えたが、近距離からの大森のシュートをトム・グローバーが身体に当てて食い止める。カバーに入った西尾も讃えた素晴らしいセーブだった。
65分のFK。加藤聖が得意の左足で直接狙う。鋭い軌道を描いた力強いボールがクロスバーを叩くも、こぼれ球を加藤玄、カプリーニ、マギーがつなぎ、最後はカプリーニが左足で狙う。これは右に外れたが、素早い切り替えとゴールに向かう共通意識が垣間見えた、惜しい決定機だった。
74分の交代は、カプリーニと小島に代えて杉本と中山。これも中盤から前の入れ替えで、リードを守るメッセージは感じられない。すると78分、泉の今季初得点が飛び出す。最終ラインでパスを繋ぎ、尾崎が縦パスを入れる。これをマギーが落とし、中山が右サイドのバンクへ。流れるようなパスワークで一気に札幌の最終ラインを突破すると、バンクの優しいラストパスを泉が落ち着いて流し込んだ。得点に絡むことへの意欲を口にしていたバンクの、嬉しい初アシストだ。
最後の交代は、泉に代わり今季初出場となる日髙。結局、ナダル監督はベンチに控える守備的な選手を一人も使うことがなかった。4分のアディショナルタイムに入った試合終了直前、CKから喫した失点はセットプレーの守備を課題としている大宮が持ち越す反省点ではあるが、試合開始から終了まで攻撃的な姿勢を崩さず、アウェイで見事な勝利を掴んだ。
3連勝を遂げた大宮は4日後の天皇杯で八戸に挑み、1週間後の第4節で3試合ぶりにホームゲームを戦う。迎える相手は、長澤徹監督が率いる湘南だ。
(総評:粕川 哲男)
選手・スタッフコメント
ゲームのインテンシティはとても高かったと思います。個人的には、選手個々のレベルも、自分が予想していたよりも高かったように感じました。両チームともタレントのある選手がピッチ上でプレーしていたように感じています。もちろん、ファン・サポーターの方々にとってはとてもいい試合になったのではないでしょうか。自分たちのとても高いインテンシティやエナジーがあった結果、得点につながったのではないかと思っています。
今日の試合前に「アウェイチームとしてではなく、ホームチームのようにプレーしよう」とチームに話をしました。「勇敢に、ポジティブに、チャンスを作るために前線でボールを奪っていこう」と。そのメンタリティとフィジカル的な頑張りが、今回の結果につながったのではないかと思っています。 4点を取ることができましたが、相手にも得点に値するようなところはありましたし、最後に相手に得点がありましたが、それに値する内容だったと思います。ただ、それと同時に自分たちは勝利に値すると感じました。
得点を奪ったあとも、プランはつねに同じです。もう一点を取りに行くという形です。選手たちが「勝っているんだ」というマインドにならないようにしています。やはりそういった姿勢になってしまうと、自分が目指しているもの、そしてクラブとして目指しているものにはならないと考えています。もちろん、相手にチャンスが生まれることもあると思います。スタジアムまで足を運んで試合を観てくださった方がたくさんいらっしゃるので、得点がたくさん生まれていい試合を見せることができたのではないかと思います。ですので、われわれのメンタリティであったりプランというところは、つねにもう一点を取りに行きます。
いい形でボールを持っての得点もできていましたし、ビルドアップで回避して得点もできていたので、チームとしてやりたいことが結構できたゲームだったのかなと思います。
自分の得点のシーンに関しては、逆のウイングとか自分以外のアタッカーが抜け出したときは、同時にスタート切るというのを決めているので、「バンク(スファナット・ムエアンタ)、ありがとう」と言いたいです。百年構想リーグでは点が取れていたので、それもあって点が取れない時間が結構もどかしくなってきていましたし、ゴールへの欲というのは百年構想リーグを経てより強くなってるのかなと思います。
守備をうまくやることでいい形で攻撃できるというのがチームの形になっていると思うので、全員がサボらないですし、自分のところでやらせないというのは結構大事にしています。ビルドアップはうまくスペースを突きながら、僕らアタッカー3人以外のメンバーが上手くボールを前に持って来てくれるので、ボールを受けた時の責任感というのはより強くなっています。
ここから連戦になりますが、天皇杯も含めて全部勝ちたいですし、どんな形で出るにしてもアタッカーのポジションで、短い時間でも結果を出さないといけないポジションなので、より結果にこだわってやっていきたいと思います。
しっかりと勝つことができましたし、自分たちが準備してきたものを相手に対してしっかりとぶつけることができて、とてもいい試合だったと思います。
1点目は、自分たちがプレスをかけてボールを奪って、カプリーニがゴール方向にボールを出してくれて、それを自分がしっかり決め切ることができました。このコンビネーションであったり早いパス回しも、自分たちが今週準備してきたものなので、それをしっかりとアウェイの地で発揮することができてゴールにつながりました。
2点目は、最後までカプリーニが蹴ったボールの行方を見守っていたのですが、それがポストに当たってしまって、自分が通り過ぎたタイミングで左足になんとか当ててゴールにすることができました。どの選手がゴールを決めるかではなく、アウェイの地での勝点3を取ることが自分たちの目標であり一番大事です。今回は自分のゴールでしたが、どの選手がゴールを決めたとしてもやはりチームの勝点3というのが一番で、ここに来た目的である勝点3をしっかり持ち帰ることができました。
遠い札幌の地までたくさんのファン・サポーターの皆さんに来ていただいて、ありがとうございます。移動の大変さは自分たちもわかっていますし、最後までサポートしてくれたファン・サポーターの方々に本当に感謝します。試合は続きますが、いつもどおりのサポートをよろしくお願いします。
得点シーンは、こぼれてきたところにうまく反応できただけです。点が取れたのは良かったですが、今は攻撃も守備も、ピッチ全体を見ていかなければいけないところもあるので、ゴールは取れましたが、ビルドアップでも後ろと前をつなげるような役割を今はしなければいけないと思っています。前はカプリーニとかカルリーニョス(ジュニオ)、(泉)柊椰がしっかり決めてくれると思うので、ピッチ全体の仕事ができればと思います。
4-0で終わりたかったというのと、こういう試合を4-0で終わるのか、最後に失点してしまうのかというところで、もう一個上のレベルに行くためにゼロで終われるようなチームにしていきたいです。
ここから5連戦になるので、全部(試合に)出るという気持ちと、全部勝つというところを、1試合1試合ですがやっていきたいと思います。ボス(監督)やコーチが、チームの誰が出ても役割をわかりやすくしてくれているので、与えられたところでしっかりと結果を出すというのを一人ひとりが思っていますし、それをピッチで表現したいです。
Facts
主審 | 野堀 桂佑 |
|---|---|
副審 | 宇治原 拓也, 緒方 孝浩 |
第4の審判員 | 宗像 瞭 |
入場者数 | 15,471 |
湿度 | 68% |
ピッチ状態 | 全面良芝 |
気温 | 23.2°C |
天候 | 屋内 |
Kickoff time | 2026年8月22日, 15時00分 |