明治安田J1昇格プレーオフ2025 準決勝
2025.12.7 [SUN] 13:00 フクアリ

千葉

  • 71' カルリーニョス ジュニオ
  • 77' エドゥアルド
  • 83' 姫野 誠
  • 87' 河野 貴志
4 - 3
0 前半 2
4 後半 1

大宮

  • 20' 泉 柊椰
  • 32' 関口 凱心
  • 48' アルトゥール シルバ
試合経過
監督コメント
自分たちが6位でフィニッシュしたことは評価にも値すると思いますし、プレーオフの中では1番チャレンジャーのポジションに立つことができたので、そのチャレンジャー精神を千葉にぶつけていこうと、自分が就任した磐田戦から失うものがなくリバウンドメンタリティでみんなでやってきた中で、選手たちだけではなくて自分もそうだと思うのですが少し上が見えてしまって、そこでチャレンジャー精神、狩るという部分が少し失われてしまったのかなというところは自分の中ですごく反省していて、それをもう一回取り戻そうということを選手たちと共有しました。

狩るには一番のシチュエーションだと思いますし、相手は3位で引分けでもいいというところだったりを突いて狙っていければと思っています。自分たちは6位でチャレンジャー精神を持って臨めますし、その立ち位置が揺るがないところに自分たちの強みが出せるのではないかと思っています。長い時間、同点の状況を作ることができれば、相手が勝ちに行くのか、引分けでいいのか、迷うような難しい状況を作り出せるのかなとも思います。今いる選手たちがこの舞台にチャレンジできる喜びや誇りを持って、自分たちに流れがくるようなパフォーマンスを出してほしいと思いますし、それを準備することが自分の役目だと思ってます。

今一番大事なのは、リバウンドメンタリティだと思っています。磐田戦で自分たちが2失点したときに、4点を返すと考えていた人はたぶんいなかったと思いますし、山形戦で先に2点を取られて絶体絶命になったときにも、みんなで狩る姿勢を見せて2点を決めて最後に追いつけたように、選手たちはリバウンドメンタリティを絶対に持っています。自分が就任したときは苦しい状況でしたが、その中でも選手たちがリバウンドメンタリティを発揮できるようなすばらしいチームで、今はそういったことが必要だと思いますし、責任がある自分が先頭に立って、選手たちとそこを共有して臨みたいと思っています。
選手コメント
周囲との連係の部分は、ここからの勝たなければいけない状況の中で大事になってくると思うので、しっかり声を掛け合いながらより意識を高められればと思います。つながり続けることができないと、どれだけ練習をしても試合で状況を打開したり跳ね返すことはできないですし、最近の練習では細かい確認などもやっているので、みんなの意識と声掛けがあればかなり守れるのかなとは思います。

千葉は、サイドからの攻撃で中に枚数をかけてくるので、まずはサイドからクロスを上げさせないことと、中では人数を合わせつつ、2トップに加えて中盤から入ってくる選手がいると思うので、そこをうまく捕まえることができれば、相手は人数をかけてくるぶん、跳ね返してからの自分たちの速攻は武器になると思います。

ここからはプレーオフになりますが、本当に自分の力を見せるときだなと思いますし、過去にプレーオフで2点を決めていていいイメージが自分の中にはあるので、今年は上に行けるようにやっていきたいです。

いいスタジアムで、いい雰囲気の中で試合ができることはすごく楽しみですし、千葉には前回対戦で負けているのでそのリベンジも含めてしっかり勝って、自分たちが勝ち越して終わりたいと思います。
自分たちは今までと同じようにトレーニングを続ける必要がありますし、直近の2試合は負けていて、そこで出ている課題は間違いなく修正しなければいけないと思うので、今はそこに取り組んでいます。

チームの雰囲気は、とてもいいと思います。負けて落ち込んでいるようではダメですし、次も決勝戦で、決勝戦が2つ残っているというとらえ方をみんなでしています。ミスを起こさないことは難しいかもしれませんが、ミスを起こさないための努力はしなければいけないと思っています。

この試合は、ビッグマッチになるのではないかと思います。お互いに自分たちのスタイルでサッカーをやろうとするチームですし、この試合に関してはディテールによりこだわったチームが勝つのではないかと思っています。だからこそ自分たちはよりディテールを詰めなければいけないと思いますし、千葉がいいチームだということはわかっているので、あとは自分たちがどれだけそこに対して求められるかだと思います。

サッカーに限らないですが、いいメンタルで臨めればすべてのことがうまくいくと思いますし、そういう意味では、いかに頭がリフレッシュできているか、いい状態かということはすごく問われると思います。ただ、それだけではなく、自分たちが今まで築いてきたものがこういう試合では活きると思いますし、総力戦でもあって負けたら終わりという瀬戸際なので、プレーオフでは準備も戦い方も変わってきますし、VARも導入されたりいろいろな要素があるので、それぞれの準備が必要だと思います。
メンバー

スターティングメンバー

GK 35 若原 智哉
DF 2 髙橋 壱晟
DF 13 鈴木 大輔
DF 28 河野 貴志
MF 67 日高 大
MF 18 杉山 直宏
60'
MF 6 エドゥアルド
90'
MF 4 田口 泰士
73'
MF 42 イサカ ゼイン
73'
FW 20 石川 大地
FW 29 カルリーニョス ジュニオ
73'

控えメンバー

GK 23 鈴木 椋大
DF 24 鳥海 晃司
DF 15 前 貴之
90'
MF 44 品田 愛斗
73'
MF 10 横山 暁之
MF 37 姫野 誠
60'
MF 38 吉田 源太郎
FW 9 呉屋 大翔
73'
FW 11 米倉 恒貴
73'

監督

小林 慶行

スターティングメンバー

70'
88'
70'

控えメンバー

81'
70'
70'
88'

監督

宮沢 悠生
試合詳細
17 シュート 10
8 GK 10
9 CK 6
9 直接FK 5
2 間接FK 3
0 PK 0
試合データ

主審

大橋 侑祐

副審

堀越 雅弘

副審

中澤 涼

第4の審判員

中川 愛斗

入場者数

17,074人

天候

晴、弱風

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

19.9℃/35%

HIGHLIGHT

後半の4失点でJ1昇格への道が途絶える
いよいよ、自分たちの力で手に入れた「明治安田J1昇格プレーオフ2025」の舞台だ。

ここまで辿り着いた足跡に誇りを持ち、積み上げてきたものを信じ、悔いの残らない試合ができるか。6位で出場権を獲得した大宮は、3位・千葉のホームで初戦となる準決勝に挑んだ。年間順位の優位性を確保するため、引分けでも敗退決定。大宮が決勝に勝ち上がるためには、勝つしかない。

一見すると不利に見える大会方式だが、チャレンジャーである大宮としては目指すものが明確になり、雑念が消える。宮沢監督は「引分けでもいい状況から生まれる一瞬の隙を突ければ、アウェイを静まり返らせることができる」と、拮抗した状況から決勝点を奪う試合展開もイメージしていた。

C大阪に在籍した2016年にプレーオフを制してJ1昇格を経験している杉本は、「チャンスが目の前にやってきたので、掴み取るしかない」と冷静に語り、小島は「アウェイだけど気負わずやれたらいい」といつもの姿勢を崩さない。自身初のプレーオフに挑む下口は「ここからは魂。僕自身も見ている人たちも震えるようなゲームがしたい」と、熱い思いを口にしている。

勝利のみが希望を繋ぐ大一番は、完全アウェイの雰囲気のなか千葉のキックオフでスタートした。

試合は、開始直後からお互いの闘志がぶつかり合う展開となる。相手にシュートを許した直後、大宮はカプリーニとのワンツーから前線に入った津久井がゴールに迫る。「俺らは勝ちにいかないといけない。先に点を取ること、先制点が大事じゃないですか」と語っていた杉本は、ダイヤモンド型の中盤の頂点に立って攻撃を組み立てた。

ともにカウンターの切れ味が鋭く、ゴール前での攻防が続く。大宮は加藤のファインセーブでピンチを凌いだ次の瞬間、泉がゴールを脅かす。そして20分、我慢の時間帯を切り抜けた大宮は、最初のCKから待望の先制点を押し込んでみせた。

左サイドからカプリーニが津久井につなぎ、津久井のクロスを市原が折り返すと、そこに飛び込んだのは5試合ぶりに先発出場した泉だ。体を投げ出しての渾身のヘディングシュートで、アウェイに駆けつけたファン・サポーターに歓喜を届けた。

スコアが動いたことで、球際の競り合いと両チームの応援は激しさを増す。津久井と泉が相手守備網をこじ開けようとするが、そこからカウンターを食らって加藤がセーブを強いられる。一瞬も目を離せない緊迫した展開が続く。

それでも32分、価値ある追加点を奪ったのは大宮だ。バイタルエリアで中央にボールを運んだ関口が、思い切りよく左足を振ると、強烈な一撃がネットに突き刺さった。カプリーニのCKをつないで泉が頭で押し込んだゴールはオフサイドで取り消されたものの、大宮は連動した守備と最終局面で体を張る高い集中力を発揮し、2点のリードを保ってハーフタイムを迎えた。

大宮は、後半も開始直後からゴールへ向かう姿勢を見せる。関口が仕掛けた勢いのままに掴んだCK。泉の折り返しを受けたカプリーニがアルトゥール・シルバに繋ぐと、背番号30は迷わず右足を強振。力の乗った一撃が、美しい軌道を描いてサイドネットを揺さぶった。リードは3点。だが、油断はできない。

後がなく、前への圧力を強めてきた千葉に対し、大宮は粘り強く対応。ゴール前に壁を築いて耐えると、カウンターに転じる。杉本が抜け目なくファウルを誘い、CKからの逆襲は村上が食い止めた。

大宮のファン・サポーターが声を枯らすなか、小島がセカンドボールを拾い、泉が縦への突破を試み、加藤が体を張ってシュートを弾き返す。シルバがインターセプトから駆け上がり、失ったボールはすぐに奪い返し、一進一退のまま時計の針を進めていく。

ベンチが動いたのは70分。宮沢監督は関口と泉に代えて、和田と谷内田を送り込んだ。よりゲームをコントロールしようという一手の直後、しかし、一瞬の隙を突かれて1点を返されてしまう。それでも、ピッチに立つ全員が集まって「慌てる必要はない。飲み込まれるな。連続(失点)はなしだ」と声を掛け合って気持ちを引き締め直したと、村上は振り返る。

ところが、流れを引き戻せない。77分、足を痛めたシルバがピッチの外に出ている間に追加点を許し、点差は1点に。スタジアムが異様な空気に包まれるなか、千葉の攻勢が続き、83分には同点ゴールを押し込まれてしまう。さらに87分、フリーの相手にCKを頭で押し込まれて逆転を許した。

2点が必要になった大宮は、市原を前線に上げてゴールを目指したが、思うようにボールを送れない。運動量の落ちない千葉に行く手を阻まれ、最後に掴んだCKのチャンスも生かすことができず、まさかのタイムアップを迎える結果となった。

終わってみれば3試合連続の逆転負け。あれほど注意していた連続失点を繰り返す格好で、シーズンの終焉を迎えてしまった。試合後、富山は「プレーオフの独特の空気に飲まれました。いつもどおり前から守備をして、点を取りにいくサッカーをできなかったから、3-4という試合になったと思います。本当にもったいない試合でした」とコメント。試合直後、頭を抱えてピッチに倒れ込んでいた下口は「まだ……整理がつかないです。これも人生と受け止めるしかないと思っています」と悔しさを噛み締めていた。

このショッキングな敗戦を、クラブと選手がどう糧にして、前へ進むのか。ここから先、その覚悟が問われる。

(総評:粕川 哲男)

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監督コメント
「プレーオフで自分たちらしいサッカーをしよう」という目標を掲げてここまで来て、立ち上がりから自分たちらしいサッカーができていたと思います。ただその中で、相手の流れを切ったりだとか、ゲームの流れを読んでサッカーをするというところで、自分の采配を含めて相手に流れを持っていかれてしまったという印象です。

率直に悔しいです。リーグ戦は6位という結果に終わってしまったのですが、十分にプラス2試合を戦って上に行く力がある選手・スタッフだったので、そこをまとめきれずにこういう結果になってしまったことは自分の力不足だと思います。

前半は自分たちがやりたいこと、準備してきたものがすべて出せたとは思うのですが、やはり90分プラスアディショナルタイムまでがサッカーですので、その中でゲームをコントロールする、流れを読む、流れを切る、相手の勢いを止めるというところもサッカーでは必要で、そこが自分自身を含めてまだまだ足りなかったと思っています。

交代してすぐ3-1になって、そこで少しバタバタしてしまった印象があります。そこで自分を含めてもう一回自分たちが立ち返るところに立ち返って、自分たちがチャレンジャー精神で上のチームに狩りに行くというところが、失点したことで崩れてしまったと分析しています。
選手コメント
得点シーンは、左足でシュートを打ったら入るかなと思って、振り抜きました。 相手に当たりましたが良い感じに決まって、それが良い追加点になったので、そこは良かったと思います。

J1に行けるチャンスがありましたし、後半の立ち上がりにもアルトゥール(シルバ)が3点目を決めてくれて、けっこうイケイケムードがあったと思うのですが、それをひっくり返されたことはすごく残念です。プレーオフ含めて3試合連続で逆転負けしていますし、今日みたいに3点差をひっくり返されることを続けていたら本当にいけないと思いますし、もう少し改善できると感じていたので、本当に悔いが残るゲームでした。

リードしてもやることは変えずにやろうというのは前半から話していたのですが、後半に3点リードになってやはり少し緩んだのか、なかなかうまくいかない時間が続いたので、後半45分の戦い方というのはもっと改善する必要があると思います。まだまだやれることはあったと思いますし、後半に関しては本当に良くなかったと思います。自分が出ていたときに追加点を取るなり、自分がもう一つ締めることができれば良かったです。

リードしているときの戦い方を全員でもっと改善しないといけないと思いますし、直近3試合の試合内容は本当に納得できていないので、しっかり見つめ直して、また来季頑張っていきたいと思います。
この大一番でこういう負け方をしてしまうのは、自分たちの弱さが出たなと思います。失点したら雰囲気が悪くなってしまうことは分かっていたので、失点しないように声をかけていましたが、細かいチームとして合わせるところができていなかったかなと思います。

プレーオフをホームでやりたかったというのが本音ですけど、本当にこれだけ多くの方が来てくれて、すばらしい雰囲気で試合ができたのは僕たちサッカー選手にとって本当にうれしいことです。ただ結果は本当に悔しいですし、これを繰り返してはいけないなと思います。

今シーズンは、本当にガブ(ガブリエウ)に引っ張ってもらったところもありますけど、個人としてもこの1年成長できたなと思うところもたくさんあります。代表活動で抜けることも多かったですが、チームはずっと上位をキープしてくれていたので、僕としては本当に結果で恩返しがしたかったのですが、なかなか難しくて、とても悔しいです。

サポーターの皆さんは1年をとおしてずっと声を出してくれましたし、結果が出ないときでもいつだってずっと応援してくれていたので、そこに応えられなくて申し訳ないなと思っています。サポーターはやはりJ1にいる大宮を見たいと思うので、百年構想リーグは昇降格がないですけど、必ずその次のチャンスで上がりたいなと思っています。
山形戦以来5試合ぶりのスタメンだったので、結果を残したいという思いはありました。CKからトリックプレーの形でうまいこといって、少しファーに流れたので、ニアにこぼれてくるかなと思って足を止めなかったことが得点につながったかなと思います。試合に出られていなくて今日は何としても決めたいという思いがあったので、良い得点だったかなと思います。

自分がゴール前に入っていくシーンも多かったですし、もう少し点を取れたかなと自分的には感じています。たらればになりますが、ダメ押しの点を取れていれば、という試合だったので、そこが最後で来たかなとは思います。

後半自体は良い入りをして3点目を取れて、というところから少し落ちてしまった感じがあったかなと思います。相手にスピードがある選手が多かったので、もう少し狭いところでハメられれば、ウチが4点目を取れたかなと思いますし、3点取ってからの戦い方は勉強しなければいけないところかなと思います。

自分の課題はインテンシティのところなので、そこは気を使いながら成長した姿を見せたいと思っていましたし、そこであまり遅れを取らなかったことはけっこう良かったかなと思います。(津久井)匠海との関係性も良かったと思うので、左サイドでわりと攻撃の形を作れていたのかなと思います。

個人的にはとにかく成長できた1年だったかなと思います。シーズンとおしてJ2で戦って、ウイングバックをやったり、インサイドでプレーしたりとか、いろいろなことをやったうえで出られない時間もありましたし、上がったり下がったりを繰り返しながらやってきましたが、最後にクオリティのところが出たというのはまだまだ課題だと思うので、それをこの先につなげていきたいと思っています。
フォトギャラリー

(写真:早草 紀子)

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