明治安田J2リーグ 第15節
2025.5.10 [SAT] 14:00 NACK

大宮

  • 16' ファビアン ゴンザレス
  • 31' 豊川 雄太
  • 76' 谷内田 哲平
3 - 0
2 前半 0
1 後半 0

仙台

試合経過
重要なのはこの仙台戦。「最高強度」の2位チームを破れ
16日間で5試合を戦い抜く過密日程の最後、大宮は2位の仙台とホームで対戦する。首位を独走する千葉に国立競技場で勝利した前節に続いて、上位相手に連勝できるか。

仙台戦の重要性は、誰もが胸に刻んでいる。千葉戦後の杉本健勇の「大事なのは仙台戦。頭を切り替えないといけないし、次で負けたら意味がない」という言葉は、選手全員に共通する思いだろう。J1自動昇格圏内にいる千葉と仙台に食らいつき、今治と水戸の猛追から逃れるためにも、リーグ戦で無敗を誇る“聖地”NACK5スタジアム大宮で勝利を飾りたい。

森山佳郎監督が2年目の指揮を執る仙台は、直近8戦負けなしと絶好調。ここ5試合では最も勝点を積み上げている。リーグで2番目に失点が少なく、堅守をベースに最後まであきらめない姿勢を貫き、徳島、磐田相手の黒星はともに1点差負け。攻守のバランスが取れた安定したゲーム運びが持ち味なだけに、大宮との今節もタイムアップまで緊迫した展開になりそうだ。

長澤徹監督が「最高強度」と認める仙台は、選手を入れ替えながら連戦を戦い、そのうえで確実に勝点を重ねている。前節の藤枝戦で途中出場だった郷家友太、鎌田大夢、武田英寿は、万全のコンディションで臨んでくるはずだ。また、ドリブルが冴えるオナイウ情滋、2試合連続ゴール中の荒木駿太、ポストプレーが光る宮崎鴻、チャンスメーカーの真瀬拓海、神出鬼没の左SB石尾陸登など、警戒すべき選手は多い。

大宮としては、富山戦、千葉戦に続いて最高の立ち上がりから先制点を奪い、必ず訪れるだろう苦しい時間帯を耐え、展開や相手とのかみ合わせ次第では選手の立ち位置なども変えつつ、交代選手を含めた総合力で僅差のゲームをモノにしたい。

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監督コメント
千葉戦はしっかり勝利を勝ち取れたことが一番の収穫で、ただ、ペナルティエリア内への侵入回数が相手とほぼ同じぐらいだったのですが、相手の1本目の侵入でやられてしまったことなどまだまだスキはあるので、その前段階はしっかりやれているのですが、そういったところは課題だと感じています。また、最後に一気にペナルティエリア内に何回も入られたところは、よく守れたなと思っています。

次で連戦が終わりますが、札幌戦でしっかり勝利から入って、いわきにすばらしいゲームをやられて負けて、富山戦では退場を凌いでみんなでなんとか勝点1をもぎ取り、千葉戦では全員で勝利を勝ち取りました。最後の仙台戦でどう勝ちを持って来るかということと、5試合で勝点10取れればすごいことなので、そこを目指して頑張ります。

仙台は最高強度のチームだと認識しているので、そこの強度の部分ではまずしっかりと、後手を取らないようにやり切ることが大事だと感じています。

いつも選手たちにもミーティングで話しているのですが、やっぱりどんな局面でもエネルギーが必要で、耐えるところとか、仕留めるところとか、やり合うところとか、やっぱりホームだといつも後ろに声援があってそれをパワーに変換することができるので、非常にありがたく思っています。次はホームで戦えるので、サポーターの皆さんに一緒に戦ってほしいですし、信じてほしいですし、我々は信じてもらえるように頑張ります。
選手コメント
千葉戦は、前半の立ち上がりは結構良くてセットプレーで点も取れましたし、他にもチャンスがあったりと流れはつかめていました。ただ、そのあとは自分たちがプレッシャーに行けなくなってきて押し込まれたときに、結構苦しい時間が長かったです。あそこで1-1で折り返すことができたので、後半にカウンターなどで自分たちの良さが出せたのかなと思います。

2点目の場面は、中盤で相手とうまく入れ替わって、だいぶフリーだったので運ぶ時間がありましたし、運んでシュートの選択肢もあったのですがカプリーニが空いているのが見えました。他の選手も上がってきて4対2ぐらいだったのですが、カプリーニの方がフリーだったのでそっちを使いました。時間があったので結構余裕がありました。

仙台は堅守速攻というか、ハードワークだったり球際も強い印象があります。でもそこは自分たちが一番負けてはいけないところなので、まずはそういう当たり前というかベースの部分で負けないようにできれば、試合を持って来れるかなと思います。

連戦の最後なので、すべての力を出してしっかり勝ち切りたいです。千葉戦もそうでしたが、仙台も上位なのでここで勝てれば大きいと思いますし、6ポイントマッチを取りにいきたいです。ここで連勝して上位の2チームに勝てれば、自分たちにより勢いが出ると思います。

次はホームですが、僕は環境も応援も含めて断然ホーム派です。なぜかはわからないですがNACKの方が体が動きますし、メンタル的な部分もあるのかなと思います。今シーズンは毎試合たくさんのファン・サポーターが入ってくれていて、昨年以上に熱量を感じます。そろそろミドルを1発決めたいです。
千葉戦は、本当にすごくいい雰囲気でしたし、自分自身もあのような舞台でプレーできることを待ち望んでいました。選手だけではなくてスタジアムが一体となって勝利することができた試合だったかなと思います。自分自身のキャリアの中でも1番多い観客数でしたし、大宮からもたくさんのサポーターの方が来てくれて、本当にホームのような雰囲気でプレーできて、自分の中で昂るものがありました。

連戦で試合が次々に試合が来ることは個人としてはうれしいことなので、あまり考えすぎずに一戦一戦を戦っているだけで、そこまで疲労も感じていないですし、次も目の前の一戦をしっかり戦っていければと思います。

次はホームなので、必ず勝点3を取りにいきたいです。相手は2位で調子が良くて失点も少ないので、そういった相手に対して自分たちはまた千葉戦同様にチャレンジャーとして、自分たちから襲いかかれるような、そういうゲームをしていきたいと思います。

ホームはいつもたくさんの方が観に来てくれて、必ず勝てるという気持ちになりますし、サポーターの声援は自分たちの足を動かしてくれます。今週もみんなで一丸となってホームで勝点3が取れるように、ともに戦いましょう!
メンバー

スターティングメンバー

87'
60'
77'

控えメンバー

60'
49'
87'
77'

監督

長澤 徹

スターティングメンバー

GK 33 林 彰洋
DF 2 髙田 椋汰
46*'
DF 44 井上 詩音
DF 5 菅田 真啓
77'
DF 39 石尾 陸登
MF 8 武田 英寿
87'
MF 10 鎌田 大夢
77'
MF 25 真瀬 拓海
MF 27 オナイウ 情滋
46*'
MF 11 郷家 友太
FW 99 宮崎 鴻
89'

控えメンバー

GK 21 梅田 陸空
DF 3 奥山 政幸
DF 19 マテウス モラエス
DF 42 石井 隼太
77'
MF 17 工藤 蒼生
87'
MF 24 名願 斗哉
46*'
FW 18 梅木 翼
77'
FW 40 安野 匠
89'
FW 47 荒木 駿太
46*'

監督

森山 佳郎
試合詳細
12 シュート 8
11 GK 11
9 CK 6
7 直接FK 12
0 間接FK 1
0 PK 0
試合データ

主審

今村 義朗

副審

川崎 秋仁

副審

千葉 直史

第4の審判員

宗像 瞭

入場者数

11,250人

天候

曇、弱風

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

19.5℃/68%

HIGHLIGHT

会心の3得点と鉄壁の守備で仙台に完勝
5連戦の最後となる明治安田J2第15節は、2位の仙台を迎えてのホームゲームだ。

今節は首位・千葉と4位・今治の対戦も組まれているため、3位の大宮を含め、上位4チームが勝点を奪い合う格好となる。上位に踏みとどまるためにも、国立競技場を埋めた約5万人の大観衆の前で千葉に勝利した前節の意味を深めるためにも、2連勝で過密日程を終えたい。

スタジアムは最高の熱気に包まれた。チケットは完売、観衆は11,250人。ウォーミングアップから力強いチャントが鳴り響き、熱い声で選手たちを鼓舞する。「いわゆる6ポイントマッチで連勝できたら最高じゃないですか。気合いが入りますね」と語っていた小島は、士気が高まる雰囲気に「スタジアムの盛り上がりがすごかったので、疲れてるはずなんですけど、意外と走れました」と振り返った。

ここ8戦負けなしと絶好調の仙台との一戦は、予想通り難しく、息つく余裕もない展開で進んだ。開始直後から武田の正確なセットプレー、オナイウのロングスローからゴールを脅かされたが、高い集中力で跳ね返す。右ウイングバックで2試合連続先発出場となった関口も、1対1の場面で身体を張って侵入を許さなかった。

仙台の攻撃を凌いだ16分、大宮は最初の決定機を先制点に結びつけた。ゴール前へ走り込んだ下口がガブリエウのロングパスをファビアン・ゴンザレスにつなぎ、そこに豊川と泉が絡む。泉が低く鋭いパスを入れると、下口が落とし、小島が左足のアウトサイドでフィニッシュ。GK林が懸命に弾いたが、素早く反応したゴンザレスが右足で叩き込んだ。出場停止明けの背番号9が「ゴールでもアシストでも、どんな形でもいいからチームの力になりたかった」との思いで決めた意地の一発だ。

リードを奪った大宮は、極端に構えることなく、小島と谷内田を中心に落ちついてパスを回す。危ない位置にボールが入ったときはガブリエウや市原が抜群の存在感を見せて、シュートまで持ち込ませない。左CBの下口も闘志を前面に守備を引き締めた。

勢いが増す追加点は31分。左サイドを駆け上がった泉のクロスをカプリーニがボレーで叩く。一度はGKに防がれたが、自ら拾って折り返すと、ファーサイドにゴンザレスが飛び込み、こぼれ球に反応した豊川が2戦連発となる豪快なシュートでネットを揺らした。

2点リードで迎えた40分以降は攻め急がず、機を見て前へ出る。ガブリエウがインターセプトで仙台の攻撃を封じるなど守備に綻びは見えず、危なげない展開でハーフタイムとなった。

後半開始直後、大宮はゴンザレスがアクシデントに見舞われる。交代出場した杉本がカプリーニと並びシャドーの位置に入り、豊川が最前線に立った。すると、その直後に前線3人のコンビネーションに関口が絡み早速CKをつかむなど、上質な攻撃のクオリティは変わらない。

その後は、1点を狙って前へ出てくる仙台の攻撃を受けつつ、要所は締める。そして一度ボールを奪い返すと、杉本、泉、豊川が一気に前線へ出て行く。60分にはカプリーニに代えて和田を投入。「内容的に先発した選手たちがゲームを作ってくれていたので、それを継続しつつ、『2-0が一番危ない』と言うから、そこだけは気をつけたいと思った」と語った和田と小島がピッチ中央で試合をコントロールし、谷内田は1列前にポジションを上げ、より攻撃に比重を置いたプレーを見せた。

ポストを叩いた武田のシュートにヒヤリとさせられる場面もあったが、粘り強い守備で対応。ピンチを凌いだガブリエウと市原は、守り切った直後に互いの健闘を称え合った。

両ゴール裏から熱い声援が続く中、刻々と試合時間が減っていく。大宮は谷内田がCKから見せ場を作り、直後のスローインを受けた杉本の高速クロスを豊川がゴールに押し込む。だが、これはオフサイドの判定。ブロックを築いて耐えながらも、3点目を奪いに行く姿勢は崩さない。

歓喜の3点目は76分。豊川、泉との連係で小島がポケットに侵入して、マイナス方向に丁寧なラストパス。ゴール前に走り込んだ谷内田が技巧的トラップで相手を外し、右足で優しくゴールに流し込んだ。

大宮は試合終盤も攻撃の手を緩めない。交代出場の藤井、カットインから泉、運動量の落ちない小島がゴールに迫る。ボールを保持される時間は多くなったものの、ゴール前ではガブリエウがことごとく相手ボールを弾き返し、魂のスライディングでシュートすら打たせなかった。

結局、試合は3-0でタイムアップ。大宮は前節の千葉に続いて強敵の仙台も撃破し、最高の形で連戦の最後を締めた。試合後の長澤監督は「強度だけは譲らないという信念は、少しずつだけど前進している」と選手たちを称えつつ、それでも「まだ中盤戦ですから」と気持ちを引き締めた。

選手たちの多くも同じ。千葉と仙台を下した自信と手応えを口にしながら、次の戦いを見据えていた。価値ある連勝に浮かれることなく、頂点を目指す大宮の戦いは続く。

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監督コメント
今日も11,000人以上のサポーターの方が集まってくれて、笑って帰っていただけるので、ホッとしています。ありがとうございました。

最終スコアは3-0でしたが、序盤はデュエルの攻勢から少し入られてコーナーキックから続く展開があって、そこで先に点を取られていたらまた別の展開になっていたと思います。ターニングポイントとしてあそこをよく耐えたというか、しっかりとオーガナイズしてしっかりとディフェンスできたところがポイントだったと思います。

この5連戦、使いっぱなしでよく頑張ってくれた3バックの選手たちは、序盤は目が合うまでに少し時間がかかったかなという印象ですが、そこは想定内でした。その時間帯を過ぎてからは、ボールを展開さえできればチャンスまで持っていくことができていたので、選手たちも落ちついてプレーしていたと思います。

(前半は)しっかりと得点できましたが、仙台はすごいパワーを持っているので、後半も先手を取らないといけないという中で、3点目を取れたことが勝負を決定づけたかなと思っています。

最初に言ったように、点差ほど差のあるゲームではなく、どっちに転んでもおかしくなかったととらえていますけど、選手たちはロッカーでもハーフタイムも「強度だけは絶対負けない」と全員が言っていたので、そこのプライドを感じたゲームでした。
選手コメント
結果を見ればすごく良い試合でしたし、前半でうまく2点取れて、後半は苦しい時間もあったんですけど、全員で耐えて追加点を取れたという完璧な試合だったと思います。

個人的にはけっこうミスもあって前半あまり納得したプレーができていなかったので、後半は結果をプレーで残せたということはポジティブにとらえています。 前節の国立で出場できなかった悔しさを持ちながら今日のピッチに立ちましたし、まずはチームが勝つことを第一優先にしながらプレーしていましたけど、その中でゴールという結果が残せて良かったです。

ゴールシーンはロッカーに戻ったあとに映像で見たら意外と落ち着いていたなと思いました。実際はあまり落ち着いてなかったんですけど、練習でやっていることが出た感じです。なかなか結果を出せていなかったので、ゴールという結果をサポーターの前で決められたということはすごくうれしいです。

上位相手に2連勝しましたけど、相手が首位だからとか相手が強いからとかではなくて、僕たちはつねにいつもどおり戦っています。今日の勝ちは次節の藤枝戦がより大事になってくるので、そこに向けて全員で準備していきたいなと思います。アウェイでなかなか勝てていないことがチームとしての課題でもあるので、とにかく最初から襲いかかれるように、また準備していきたいなと思います。
前節は1発目をなかなかガツンといけなくて前半が良くなかったので、今日は前半から飛ばしてやろうと思って必死に食らいつく気持ちでやっていました。前半から襲いかかるというのを頭の中でイメージしていたので、それが良い方向にできたかなと思っています。

千葉戦の経験は大きかったですし、自分の中でうまく整理して今日の試合に臨めたので、そこは非常に良かったと思います。千葉戦、仙台戦と勝利できましたけど、まだ1位になっていないので、まずはしっかり1位になって、そして1位をそのまま維持をするというのが一番良いと思うので、そこを目指してやっていきます。

今日の勝利で1位との勝点差を縮められたことがうれしいですし、この勢いのままいければ良いなと思いますけど、まずは一戦一戦しっかりと戦って、勝ちを積み重ねることができたら良いなと思います。

前節の国立も今日のNACKも本当にいつもサポーターの皆さんの熱い応援があるので、それに選手たちは応えないといけないですし、ものすごい後押しがもらえるので、これからもぜひスタジアムで応援お願いします。
今季ここまでケガなどもあって苦労しましたけど、このゴールに至るまでに自分のやれることをやってきて、今日こういう大切な試合でゴールを決めることができて、とてもうれしく思っています。ケガはサッカーではどうしても起こりうることだと思っていますけど、ただそういうところにとらわれず、自分のやれることを続けていけば努力は報われると思っています。

今日は前半の立ち上がりは少し苦労してしまいましたけど、そういった苦しい状況でも自分たちは耐えることができると分かっていましたし、自分たちのチームはクオリティが高い選手がそろっているので、彼らがいればチャンスは絶対に来ると思っていました。

チームの力になりたいという思いはいつも持っていますし、得点だけでなくどんな形であれチームの力になれるようにいつも準備しています。ここから得点を重ねて、チームの力になれればと思っています。次の藤枝戦に向けてまたしっかりと準備をしていきたいと思います。
フォトギャラリー

(写真:早草紀子)

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