明治安田J2・J3百年構想リーグ 地域リーグラウンド EAST-Bグループ 第2節
2026.2.14 [SAT] 14:00 NACK

大宮

  • 28' オリオラ サンデー
  • 83' 山本 桜大
  • 90+5' カプリーニ
3 - 2
1 前半 1
2 後半 1

札幌

  • 3' 家泉 怜依
  • 58' スパチョーク
試合経過
次につなげる一戦に。すべてを糧に成長を

J3の松本に勝利した1週間前の開幕戦は、手ごたえと課題の両方を感じ取れる試合内容だった。

加藤玄と小島幹敏が中盤中央でコンビを組み、2列目に山本桜大、杉本健勇、泉柊椰、最前線にオリオラ・サンデーが立つ[4-2-3-1]で臨んだ45分間は、杉本が「すばらしい前半だったと思う」とコメントしたほど。相手のシュートを2本に抑え、7本のシュートで2点を奪う充実の戦いぶりだった。

一方で、後半は失速気味に。宮沢悠生監督は流れが変わった要因の一つとして「ミスを恐れたメンタリティ」を挙げたが、劣勢をはね返せないまま失点を喫してしまった。小島幹敏は「開幕戦で耐えて勝てたのは大きいけど、自分たちで悪い流れを変えられるようにならないと。ゴール前のクオリティはカテゴリが上がれば変わってきますから」と反省している。

2026/27シーズンにJ1昇格を勝ち取るため、あらゆる面のレベルアップに努める明治安田J2J3百年構想リーグでは、今後も試行錯誤が続くだろう。そのすべてを糧として、チームとしていかに成長できるか。新たな可能性を感じさせたトム・グローバー、大宮加入後初ゴールを決めた山本、プロデビューを果たした大卒ルーキーの松井匠、18歳でメンバー入りした日髙元など、明日を照らす明るい材料は多い。

札幌を迎える今節も、収穫と改善点の両方を得られるはず。「相手をしっかり分析しつつも、自分たちの良さややりたいことを出せるか。それに、前節で出た課題に対してネガティブにならずワクワクしながら取り組みたい」と宮沢監督は展望した。必要以上に相手を意識することなく、攻守両面で勇敢に勝負を挑み、次へつながる意味のある一戦としたい。

(文:粕川 哲男)

続きを読む

監督コメント
前節の松本戦は改善の余地もありますが、自分たちはいま、意図的にボールをつないでいくところにチャレンジしていて、中盤の2人(小島幹敏と加藤玄)もトライしてくれていました。そこに、和田拓也、中山昂大、カウアン・ディニースなど、誰が入っても機能することをイメージして取り組んでいる段階です。うまくいかないから(長いボールを)蹴るというところには逃げたくないので、チームとしての狙いを選手たちと共有して、仮にエラーがあったとしてもトライを続けてやっていきたいと考えています。

中盤を(昨季の)ダイモンドから少し変えて、ダブルボランチの[4-2-3-1]にした意図は、選手の特徴を生かしたかったからです。ただ、昨季に[4-4-2]のダイヤモンド型を採用したのも、(途中就任で)時間がないなかで、ボール中心の守備、自分がしたいサッカーをどうやって落とし込めるかを考えたすえに選択したフォーメーションでした。フォーメーションありきでサッカーをしているわけではなく、選手の良さを引き出す狙いがあり、誰を軸として、誰の特徴を出せるかを考えて決めています。

松本戦は(昨季プレーオフ準決勝)千葉戦の反省もあって、試合の流れに呑み込まれないようにするため、ピッチの外から何かを変えるのではなく、ピッチの中で耐え抜くことにチャレンジしたかった部分もありました。それに関しては、いま選手たちと自分たちがどのようなチームになっていかなければいけないか取り組んでいるところです。例えばどこが狙われていて、何を変えなければいけないか外から伝えることは、選手たちの踏ん張りのあとに来るべきものだと自分は考えています。そういった意味で今回、選手たちが耐えて勝てたことに関しては、一定の評価ができると感じています。

次に対戦する札幌は松本とはかなり狙いの違うサッカーをしているので、しっかり分析して、まずは自分たちの良さを出せるかというところに取り組んでいきます。この前の松本戦で出た課題を、ネガティブな方向ではなく、「よしっ、最後の20分やってやるぞ!」といった感じでワクワクしながら貪欲に改善できるか。どんな試合になるかはわかりませんし、試合の流れにもよりますが、自分たちの良さを出すこと。前回の課題を解消して一つずつ積み上げていくこと。その二つをイメージして臨みたいと思います。
選手コメント
リーグ戦は勝点を取りながら成長していくことが大事なので、ホームでの開幕戦で「3」を取れたことはよかったです。流れを失った後半は、自分たちで苦しい状況を作り出してしまったところがあると思います。前半同様に選手一人ひとり、攻撃でつながって前進していくことが大事だと思います。

松本が後半に入って思い切りプレッシャーをかけてきたこともあって、確かにバックパスが多くなったところはありました。その場面では個で状況を打開する動きや、パスの出し手と受け手だけでなく、3人目がうまくサポートしていく回数を増やせればよかったと感じています。相手が前に出てきたときに自分たちがいかに外していくかは、チームとしてチャレンジしているところでもあるので、引き続き取り組んでいければと思います。

試合中、(逆サイドの関口)凱心とのバランスは意識していました。凱心は相手の裏を突く動き、自分は内側に入ってのプレーが得意なので、今後も選手それぞれの得意な部分を出していくような形で試合を進められたらと思います。
開幕戦でプロデビューできたのはよかったです。ゲーゲンプレスで相手からボールを奪った場面は、チームで取り組んでいるところですし、(投入場面では周囲に比べて)さすがに元気で、力が余っていたので行きました。

デビュー後は「見たよ」と言ってもらうなど、周りからの反応は結構ありました。もう少し長い時間、出場したかった思いはありますが、プロとして一歩を踏み出せたところはよかったと思います。あの時間帯では運動量が落ちてきていて、守備の時間が長くなっていたので、守備でとにかく動き回ろうと思っていました。

スタジアムの雰囲気は最高で、ウォーミングアップから気持ちが上がりました。あれだけの応援を受けながらプレーしたのでは初めてです。サッカー専用スタジアムで、スタンドとピッチが近いので、選手としてやりがいがあります。

後半は特に、(ベンチの)自分たちが流れを変えてやるという意識でした。1点差にされて残り時間も減っていく中で、宮沢監督が自信を持ってピッチに送り出せるよう、練習からもっとアピールしていく必要性を感じています。『もう1点を取りにいくために起用したい』と思えるような選手になりたいですし、それくらいの信頼をつかみ取りたいと思います。
札幌の選手は非常にうまくて、相手を剥がしながら切り崩してくるイメージがあります。その札幌戦に向けて、チームとして取り組んでいるゲーゲンプレスは意識しています。それに関しては変えません。ただ90分間(プレスを)やり続けるのは厳しいと思うので、守備で落ち着く時間も作りながらいこう、ということはミーティングでも確認しました。守備に関してはCBを中心に頑張ってくれると思うので、攻撃陣でもっと違いを出して複数得点を狙っていきたいです。

2列目の右サイドは特にやったことがなくて、初めてといっていいポジションでした。意識したことの一つは、(右SBの関口)凱心くんを生かすことです。凱心くんのスピードはチームとしての武器なので、自分が相手を引き付けて凱心くんが裏を狙うといった、自分がボールを受けて凱心くんを生かすようなプレーを心掛けました。あとは、前からプレッシングしてボールを奪って、そこから一気にゴールへ、といった狙いも持っています。シュートは全般的に得意なので、遠目から打つのも好きです。枠に飛ばすこと、枠に飛ばせば何か起きるので、そのあたりも意識しています。

NACK5スタジアム大宮は、とても良いスタジアムだと感じました。ピッチとスタジアムが近いので、臨場感があります。そのスタジアムで、早い段階で点を取れたので安心できますし、自分のゴールで勝てたことは自信になると思いますが、継続しないと意味がないとも思っています。次の札幌戦もホームで戦えるので、頑張ります。
メンバー

スターティングメンバー

63'
73'
73'

控えメンバー

73'
63'
73'
63'
FW 20 日高 元
73'

監督

宮沢 悠生

スターティングメンバー

GK 24 田川 知樹
DF 15 家泉 怜依
DF 47 西野 奨太
DF 2 髙尾 瑠
DF 3 パク ミンギュ
MF 5 福森 晃斗
MF 18 木戸 柊摩
85'
MF 27 荒野 拓馬
57'
FW 71 白井 陽斗
71'
FW 7 スパチョーク
85'
FW 20 アマドゥ バカヨコ
57'

控えメンバー

GK 1 菅野 孝憲
DF 25 大﨑 玲央
DF 50 浦上 仁騎
MF 10 宮澤 裕樹
57'
MF 14 田中 克幸
85'
MF 19 ティラパット
85'
MF 31 堀米 悠斗
FW 22 キングロード サフォ
71'
FW 23 大森 真吾
57'

監督

川井 健太
試合詳細
16 シュート 11
8 GK 7
6 CK 6
6 直接FK 14
2 間接FK 1
0 PK 0
試合データ

主審

清水 勇人

副審

林 可人

副審

篠藤 巧

第4の審判員

塚田 健太

入場者数

11,474人

天候

晴のち曇、弱風

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

14.5℃/45%

HIGHLIGHT

終了間際にカプリーニが逆転ゴール、ホームで開幕2連勝
明治安田J2・J3百年構想リーグの第2節は、札幌を迎えるホームゲーム。

スタメンは、第1節と同じ。控えには、2種登録されたU18所属のDF木寺らが名を連ねた。アウェイのサポーターも多く、1万1474人の観衆が見守る中でキックオフを迎えた。

試合は、わずか3分で失点する厳しい展開で始まった。カウンターアタックからサイドチェンジで振られた場面でシュートをブロックしたが、CKを頭で決められた。

攻撃では、最終ラインと加藤玄のパス交換をベースにパスをつないで前進し、前線では山本が流動的な動きでパスを引き出した。

しかし、20分を過ぎると、プレッシングが機能せず、札幌の攻撃に振り回された。守備者が引き出され、空いたスペースを使われる展開。DF西尾は「センターバックが釣り出されたところを狙って来るのは、頭に入っている。その状況でどう賢く守るか。ディフェンスライン全体で、細かいところを詰めていかないといけない」と課題を感じ取っていた。25分にはスルーパスを通されたが、GKトム・グローバーがシュートコースを消して難を逃れた。

28分、最終ラインから左でパスを受けた泉は、意表を突くワンタッチのロングパスで相手の背後を急襲。「相手のサイドバックがあまり出てこないので、引き付けて背後を取りたかった。(山本)桜大が背後を取りに行くのが見えたので、そこに(ボールを)落とした」と狙っていたプレーで好機を作ると、サポートに走った山本が抜け出し、追い越した杉本がクロス。こぼれ球を拾った泉がドリブルから低いクロスで中央へ送り、山本が触ったボールをオリオラ・サンデーが押し込み、同点とした。

43分、クロス対応にGKが出たところを折り返された場面はピンチだったが、西尾がシュートブロック。前半終了間際には、山本のシュートがポストをたたく惜しい場面もあったが、1-1でハーフタイムを迎えた。

後半は、相手の運動量が落ちた影響もあり、ビルドアップとポゼッションの精度が高まり、敵陣に押し込む時間が増えた。55分、FKのこぼれ球から、加藤玄が目の覚めるようなミドルシュートを放った場面は、惜しかった。しかし、今度は良い流れからカウンターで失点。再び1点を追いかける展開になった。

63分、宮沢監督はカプリーニと茂木を投入。70分、泉のインターセプトからショートカウンターを仕掛けた場面では、杉本が中央のカプリーニにつなぎ、加藤玄が右へ展開。茂木のクロスを泉がヘディングで狙った。73分には、加藤聖、中山、松井の3人を同時に投入。途中出場の選手が懸命に走り、ボールを奪えば、一気に加速する力強さをチームに与えた。

83分、茂木のクロスを山本がヘディングでゴール左上に決めて同点。茂木は「僕が入ったときには、相手はかなり疲弊していた。ボールを受けて周りを生かす部分でチームとしてのボールの動きは良くなったんじゃないかと思う。アシストもできたし、流れを良い方向に持って行けて良かった」と振り返った。

百年構想リーグでは、引分けで90分が終われば、PK戦となる。アディショナルタイムの目安は、5分。途中、泉が負傷で動けなくなるも、諦めない姿勢が最後に実った。終了間際、中山が左へ展開すると、そのままゴール前へ。加藤聖のクロスのこぼれ球を中山が強烈なボレーシュート。味方に当たったところをカプリーニがゴールへ押し込み、ついに逆転に成功。これが決勝点となり、開幕2連勝を飾った。

次節もホームゲームで、福島を相手に迎える。もちろん、狙うのはホームでの開幕3連勝。山本の2試合連続得点など新戦力が早くも機能している攻撃で、勝利を目指す。

(文:平野 貴也)

続きを読む

監督コメント
前回の松本戦とは少し違った試合展開になって、ただ選手たちが自分たちのやるべきことを信じてやってくれたおかげで勝点3を取れたと思います。試合運びも含めて改善していかなければいけないところもありますし、ただ勝点3をまた積み重ねたということは一定の評価に当たるのではないかなと思います。

相手がやりたいことはわかっていたのですが、その攻撃に対して自分たちの守備ができなかったという悔しさが前半は残ります。後半は、自分たちでハーフタイムに修正をしてやろうとしていることがあって、相手コートでプレーをしていた中でカウンターで失点をしてしまうというところは、やはり絶対にしてはいけない失点だと思いますし、絶対に防げる失点だと思います。自分たちでもっともっと修正できるところはありますし、トレーニングで修正できたらと思います。

自分たちは1対1で勝たなければいけない中で、1対1で負けていたところがかなりあって、そこで負けてしまうと完全に相手のやりたいことをやらせてしまうので、勝てない相手であればしょうがないですが、やはり勝てますし、そこで五分五分のボール、もしくは6対4ぐらいのボールを相手に与えていたので、そこは本当に気持ちだというところは伝えました。

(後半の交代の狙いは)疲れが見えてきた中で、誰を残して誰が入ったら自分たちのほうに流れが来る可能性が高いかというところと、練習のパフォーマンスを見て、彼らがこのタイミングで入れば自分たちにもう一回チャンスは来ると思っていました。負けゲームだとは全然思っていなかったので、うまく選手たちが自分たちの良さを出し切ってくれたと思います。
選手コメント
僕が交代で入ったときにはもう相手もかなり疲弊していましたし、足を伸ばしている選手もいたので、そこでの僕の役割としてはボールを受けて周りの選手を生かすことだと思っていました。そこをうまくやっていこうとして、アシストもできましたし、ゴールにかかわることができて、チームの流れも良いほうに持っていけたので、それは良かったなと思います。

前半を見ていて、(関口)凱心と(村上)陽介の距離が少し遠いかなというシーンもありましたし、凱心はあの高い位置で良さを出せますけど、僕が入ったらそこでの勝負ではないとは考えていました。近いところを取ってとか相手を来させるとか、そういうことを考えて入ったので、それがうまくハマって良かったと思います。

前での勝負というよりかは、自分は自分の良さを出していきたいですし、後ろの3人に入っていくほうが良さは出ると思っていますし、今日も自分なりにやるべきことを考えてやっていました。自分のやれることをしっかりやり切れたかなと思います。

チームとしては課題だらけだと思いますし、僕自身も入ったときに今日みたいに毎回流れを変えられるように、練習からやっていきたいと思います。
前節チームは勝ちましたが、自分はFWなので自分も点を決めたかったなと思っていましたし、次の試合は絶対に頑張って点を取ろうという気持ちだったので、今日は勝てましたし、点も取れたので、すごくうれしかったです。

得点シーンは、練習からずっと言われているFWとして味方を信じてゴール前に入ることを意識していました。去年はあまり中に入れていなかったですし、今年は絶対変わらないといけないと自分でも思っていますし、点を取りたいなら絶対に中に入っていこうと思っていました。(山本)桜大のところで決まらなかったら自分が触ろうと準備していましたし、自分のところにしっかりボールが来てゴールを決められたので良かったです。

今年は背後だけではなくてつなぐことを練習から意識するようになりました。ほかの選手ともっとコンビネーションできるのであれば、もっと自分のパフォーマンスも良くなりますし、点を取りやすくなるのかなと思います。もちろんミスがあるときもありますが、それでも落ち込んでいないですし、しっかり練習から頑張ってトライできています。それが試合でも出てくるので、うまくいっているのかなと思います。

自分はFWなので百年構想リーグでは10点くらい取りたいですし、自分が点を取ったら自分のポジションをしっかりキープできると思っています。もちろんそのポジションを狙ってチャレンジしている選手たちもいますが、それは自分のモチベーションにもなりますし、しっかり自分のゴールでアピールして2026/27シーズンが始まる前に良い準備をしたいと思います。
ゴールシーンは、コースとかは狙ってはいなくて当たれば良いかなというぐらいだったので、うまく反応できてうまくいって良かったです。

中盤の運動量は自分たちのほうに分があると思っていたので、後半相手が疲れてきたところで自分たちでうまくコンビネーションを、というのは意識していましたし、勝ち切れたのはそこでリズムを作れたのが大きかったかなと思います。

自分はけっこう走れるタイプなので、そこで自分の勢いというかリズムも作れると思うので、このサッカーはすごく自分に合ってると思いますし、監督から求められる結果の部分や守備のプレッシング、切り替えというところプラスアルファというのはつねに意識しているので、まだまだ頑張りたいと思います。

個人的な課題としては、ボールを良い形で受けられているシーンもあるのですが、やはりちょっと気が抜けてしまっているときは食われてしまっているときもあったので、一回もボールを奪われないぐらいの高いレベルを目指してやりたいなと思います。

結果にはこだわりたいと思っているので、できるだけシュートを打つというのは意識していますけど、自分がシュートを打つべきなのか、確実な選択肢があるのか、というのは今日もワンシーンあったので、そこはうまくやっていきたいなと思います。

2戦連発という結果の部分はすごく良いなと思いますが、チームとしてもっと圧倒して勝ちたいなと思います。勝負強さが大事になってくると思うので、今日勝てたのは大きいですけど、修正する部分もたくさんあるので、また頑張りたいです。
フォトギャラリー

(写真:早草 紀子)

カテゴリー


パートナーバナー