明治安田J2リーグ 第34節
2025.10.26 [SUN] 13:00 NDスタ

山形

  • 34' 氣田 亮真
  • 75' 堀金 峻明
2 - 2
1 前半 0
1 後半 2

大宮

  • 89' 杉本 健勇
  • 90+5' 津久井 匠海
試合経過
監督コメント
今週のトレーニングでは、今までやってきたことに加えて、前節や前々節で出た課題に取り組んできました。それは守備だけとか攻撃だけとかではなくて、自分たちは攻守と切り替えが一体しているので、一つに特化せず、出た課題の積み重ねというイメージでトレーニングをしてきました。

相手のシステムなどは特に関係なくて、基本はプレー原理、プレー原則に基づいて判断してほしいということを伝えています。ただ、前節はチャンスを作っていた中で決め切れずにあのような苦しい試合になったことは、自分の中では課題の一つとして感じています。でも、選手も人間なのでそこだけにみんなが集中しすぎないように、できていることのフィードバックもしましたし、バランスを見ながら準備できたと思います。

山形はベーシックなチームだなという印象で、そのすごくベーシックなところを忠実に個人能力が高い選手たちがやってくると感じています。でも自分たちがやることはほぼ変わらないので、自分たちがやってきたこと、自分たちの課題を一つずつ積み重ねていって、またいいゲームをしたいと思っています。

就任してから1ヶ月が経ちましたが、今やっていることに対して選手たちが「こういう守り方でもできるんだ」という自信が、結果が出たことによってついてきたなと感じます。自分が目指すサッカーの長所と短所は自分が一番理解していますし、こういうことをされたらイヤだなというのはありますが、でもそれ以上に自分たちの長所があるので、それでもやり続けるんだということを選手たちには伝えています。それで相手が上回って、相手のほうがいいサッカーして、相手が勝点を取ったならば、それはもうしょうがないと自分は開き直っているので、そういう意味で長所を出していけるような試合をしたいと思っています。
選手コメント
監督が交代して、まだチームとして目指しているものが完成したわけではない中で3連勝することができましたが、「次の相手を倒すことが大事」と監督もいつも言っていますし、今週も同じ気持ちでトレーニングに臨んできました。

前節はひさしぶりのスタメンで、ゴールを決めたかったのですが決め切ることができませんでした。チャンスを作るという面ではいろいろとやれたことはありましたが、最後の部分で自分自身の課題が出てきたので、次に出たときには決められればと思います。トップ下のポジションで出ることも多くなると思いますが、やっぱり得点やアシストが求められますし、ただ、守備の部分でも求められることは多いので両方をうまくやりながら結果を残していければと思います。ゴールに近い位置でプレーできるので楽しいですが、立ち位置的に試合の中で可変することもありますし、考えることや意識することはそれほど変わらないです。

山形も監督が代わっていろいろと整理されていると思うので、アウェイですし難しい戦いにはなると思うのですが、しっかり勝ちにいければと思います。

リーグ戦は残り5試合になりましたが、最後に昇格できるように、そこに向けて一戦一戦を戦っていくのみです。残り短いですが、チームとしても個人としても成長できる期間だと思うので、最終的に昇格できればと思います。
チームの中で3連勝というような言葉は特に出ていないですし、しっかり切り替えて、本当に目の前の1試合だけを考えています。次の試合に向けて相手がどうというよりも、試合の中で出てきている自分たちの課題にフォーカスしながらトレーニングができていると思います。締まった雰囲気でトレーニングができていて、いい流れは来ていると思います。目の前の1試合に全員が集中して取り組めていることが、連勝や今のチーム状態、勢いにつながっていると思いますし、それは今週もしっかりやれていると思います。

山形は、サイドやFWに強烈な選手がいて、前線のインパクトやカウンターの力強さ、迫力というところはすごく強いものを持っていると思いますが、自分たちのサッカーは、前からボールを狩りに行って仕留めるというところなので、そこはスキを与えずにしっかりやっていきたいと思います。

個人的には前回対戦で決勝点を決めていますし、やはり点を取った相手に対してはいいイメージで試合に入れます。今はずっと点が取れていないので、もう一度ここで取って、残り5試合で自分がヒーローになります。

現状は順位を見てもまだ上も下も可能性があって、そこばかりを気にしていてはダメだと思いますし、今の結果は、目の前の1試合1試合で全力でボールを狩りに行ったりとか、勝利を狩りに行っているからこそだと思います。個人としてもチームとしても、今この状況にいられるということを楽しみながらプレーしたいと思います。
メンバー

スターティングメンバー

GK 45 渋谷 飛翔
DF 19 岡本 一真
DF 3 熊本 雄太
DF 22 城和 隼颯
DF 13 野嶽 寛也
MF 71 中村 亮太朗
MF 88 土居 聖真
85'
MF 17 寺山 翼
85'
FW 10 氣田 亮真
90'
FW 90 ディサロ 燦シルヴァーノ
70'
FW 25 國分 伸太郎
70'

控えメンバー

GK 1 トーマス ヒュワード ベル
DF 15 川井 歩
DF 49 坂本 稀吏也
MF 14 坂本 亘基
70'
MF 21 田中 渉
85'
MF 27 榎本 啓吾
90'
FW 23 大森 真吾
85'
FW 55 堀金 峻明
70'
FW 99 ベカ ミケルタゼ

監督

横内 昭展

スターティングメンバー

83'
64'
74'
83'

控えメンバー

64'
83'
74'
64'
83'

監督

宮沢 悠生
試合詳細
9 シュート 10
10 GK 6
8 CK 6
9 直接FK 14
3 間接FK 5
0 PK 0
試合データ

主審

吉田 哲朗

副審

宇治原 拓也

副審

廣瀬 成昭

第4の審判員

國吉 真吾

入場者数

7,432人

天候

雨、弱風

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

16.2℃/90%

HIGHLIGHT

残り1分から杉本、津久井のゴールで劇的に追いつく
明治安田J2リーグは残り5試合。大宮は第34節で山形とのアウェイゲームに臨んだ。

最終局面になっても大混戦が続いている。前日に長崎が今治と引分けたことで、首位・長崎から大宮と同勝点の6位・鳥栖まで、6チームが勝点7差の中で鎬を削っている。

この日の大宮は、前節の藤枝戦からスタメン2名を変更した。前節の後半に途中交代となった笠原に代わり、ゴールマウスに立ったのは加藤。緊急出場した前節に続いてリーグ戦の出場は今季2試合目だが、宮沢監督は「どの選手もチャンスを生かす準備はできている」と信頼を口にし、加藤は「目の前の試合に集中して最後までやり切りたい」と気持ちを引き締めていた。

中盤がダイヤモンド型の4-4-2は変わらず、出場停止明けのカプリーニが前線でオリオラ・サンデーとコンビを組み、豊川がトップ下に戻った格好だ。

アウェイに駆けつけたサポーターが土砂降りの雨の中で熱い声援を送り、選手たちの闘志を掻き立てる。試合は山形のキックオフで始まった。やや押し込まれた立ち上がりを加藤のキャッチングなどで凌ぐと、大宮のパスが繋がり始め、カプリーニがCKとFKからゴールに近づいた。

16分、右サイドから受けたカウンターの場面では、中央に絞った下口が身体を張ってシュートを防ぐ。村上のブロック、市原のカバーリング、茂木のスライディングも光り、加藤も安定感のあるパンチングとキャッチングで守備を引き締めた。

思うように攻撃の形を作れなかった大宮に訪れた最初のチャンスは、セットプレーから。カウンターの場面で豊川がファウルを受けて得たFK。ボールの前に茂木と並んで立ったカプリーニが左足を振ったが、壁に当たってCKに。続いたCKも実らず、先制点を奪うことはできなかった。

すると34分、中盤でボールを奪い切れず右サイドを突破されると、低いクロスを受けた氣田にネットを揺らされた。その後もゴールに近づけず、加藤が必死のセービングを見せるなど耐える時間が続く。

前半終了間際、カプリーニのCKに合わせた市原のヘディングは弾き出され、続いてサンデー、豊川のヘディングも外れて、リードを許す形でハーフタイムを迎えた。

後半開始直後、大宮はカウンターから何度か縦を突くが、ラストパスが通らずシュートまでは至らない。それでも57分、茂木のロングスローのこぼれ球を拾うと、小島のアーリークロスから最後はサンデーが右足でゴールを狙ったが、これも枠を捉えることができなかった。

その後は、両チームともボール奪取からカウンターを仕掛け合う展開となり、ゲームが落ち着かない。加藤のセーブ、カプリーニとアルトゥール・シルバのクリアでピンチを脱した大宮は反撃に出るが、なかなかゴールに近づけない。カプリーニの左足から放たれた鋭いFKも跳ね返された。

最初の交代は大宮。サンデーに代わり杉本、泉に代わり津久井が送り込まれた。さらに、豊川に代えてトップ下に谷内田を起用してゴールを奪いにいく。ところが75分、相手のスローインからの攻撃を跳ね返せず、右サイドを崩されると、最後はゴール前に詰めた堀金に追加点を奪われた。

残り時間は15分と少し。最後の交代は83分、カプリーニと下口に代わり、藤井と和田が入る。攻守のバランスを取りつつゴールを目指すと、89分にようやくネットが揺れる。ゴール前で細かくパスをつなぎ、最後は谷内田のラストパスを受けた杉本が、ポストの内側を叩くシュートで点差を縮めた。

サポーターの熱い声援がスタジアムに響くなか、大宮は最後まで果敢な姿勢を見せる。そして、5分のアディショナルタイムも残り数秒となった90+5分、右サイドを抉った茂木のクロスを杉本が頭で落とし、津久井がワントラップ後に左足で同点ゴールを突き刺した。最後の最後、チーム全員の諦めない姿勢が実を結んだ、価値ある同点劇だ。

試合後、宮沢監督は土壇場でつかんだ勝点1を前向きに捉え「できなかったこと、できたことを分析して、次の秋田戦ホームで自分たちのサッカーを出し切れるよう選手たちと準備していきたい」と語った。

1得点1アシストの杉本は「1点取ったときに絶対に追いつけると思ったけど、時間が足りなかった」と引分けを悔しがり、1アシストの谷内田は「前向きな気持ちで次の秋田戦、しっかり勝ちに持っていけるようにしたい」と先を見て、同点ゴールを押し込んだ津久井も「応援してくれたみんなの力だと思います。次はホームで、あの大声援の中でサッカーできる幸せを感じながら勝点3を取りたい」と前を向いた。

土壇場で獲得した、この日の勝点1の意味は小さくない。その価値を高め、最後まで走り抜けて目標を達成するために、次節、大宮はホームで秋田を「狩りにいく」。

(総評:粕川 哲男)

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監督コメント
とても苦しい試合でした。前半から相手のやりたいことをやらせてしまって、かなり研究されていた印象でした。ただ、ハーフタイムに選手たちと「もう一回、自分たちのサッカーをやろう」と話をして、そこから勝点1を拾い切れたことは非常に価値があると思っています。

芝や天候というよりは、自分たちのポジショニングや意識の問題でなかなかうまくボールを運ぶことができない部分がありました。また、守備の面でなかなか自分たちの守備をさせてもらえなかったことで、選手たちのフラストレーションが少し溜まったところもあったかと思います。

この結果は勝点2を落としたという言い方もできると思うのですが、本当に強く上手い相手だということはわかっていましたし、ここは「なんとか勝点1を取れた」というポジティブな持って行き方をしたいのと、やはり交代選手が短い時間の中でやってくれたというところが、今回の勝点以上に、勝点と同じぐらい自分たちのやりたいサッカーに必要なことだったのではないのかと、ポジティブにとらえています。交代で入った2人のゴールはとても価値のあるゴールだと思いますし、彼らにとってもチームにとっても大きなゴールだと思います。

「勝点2を落としてしまった」という雰囲気も選手たちの中にはあって、そこは感情が入り混じっていると思います。できなかったこと、できたことをしっかりもう一回分析して、次のホームでの秋田戦に向けて自分たちで修正していきたいと思います。

今日も雨の中、本当にたくさんサポーターの方が来てくださって、本当にすごい応援をしていただいたので、これは選手たちの力になっていると思いますし、なんとか勝点を届けたかった中で勝点1しか届けられなかったのですが、次の試合はホームで絶対に自分たちのサッカーをやり切れるように、選手たちと準備していきたいと思います。
選手コメント
前節の藤枝戦での出場は一瞬だったのですんなり終われましたけど、あまりプレッシャーがかからないというか気にしないタイプなので、今日もしっかり試合に入ることができたと思います。

シーズン当初からリーグ戦で試合に出てチームを勝たせるためにずっとやってきたので、不安とか緊張がないと言ったらやはり嘘になりますけど、自信を持ってピッチに立つことができたと思います。今日勝てなくて正直悔しいですし、カサくん(笠原昂史)がずっと出ていて、良いプレーをしていて、チームを勝たせていた中で、自分に代わった途端に負けたり勝てなかったときにはどうしても自分に目がいくと思うので、そういう意味でのプレッシャーは正直すごくありました。

前半は自分たちの流れがあまり良くなくて、スカウティングでも相手の土居選手がカウンターの起点を作る場面が多いことは分かっていたのですが、その中でそこからの起点でカウンターを許してしまう場面も多かったと思います。そこはもっと後ろの自分がCBやボランチに声をかけて、コミュニケーションを取らなければいけなかったと思いますし、GKとして2失点してしまったので、追いついてくれた前線の選手に感謝しています。

前から行くところは、自分たちの良さでもあり、やらなければいけない部分でもあるので、戦術どうこうのもう一個下の部分の球際であったり気持ちを見せたり、そういったところでも相手のほうが前半は上回っていたかなと後ろから見ていて感じました。ただ後ろはその中でも耐えなければいけないポジションですし、CBも含めても良いコミュニケーションを取れていたので、前半はゼロで終えられれば良かったですけど、そこは次に向けての反省かなと思います。
得点シーンは、(市原)吏音が逆サイドに展開したところで、自分が外に張っていてもボールは来ないと思っていましたし、自分が点を取ることを意識したら自ずとゴール前のスペースに入り込んでいく形になりました。ああいうシーンで決め切れることも自分の持ち味だと思っていますし、練習でもずっと中で(杉本)健勇くんが競り勝っていたので、信じてあそこに入り込んでいきました。

途中交代の選手含めて全員が、自分たちが変えていく、試合を決めていく、ということをずっと意識していました。自分が入ってからも失点して0-2になって、それでもこの山形の地まで来てくれて、雨の中で相手のサポーターよりもあれだけ大きな声で応援してくれる大宮のサポーターたちと向かい合う形になっていて、本当に力になりましたし、こんなところでは終われないという気持ちでゴールに押し込みました。チャントも聞こえていましたし、それが力になっていたので、ゴールを決められたのは応援してくれている全員の力だと思います。

なかなかチームの力になれない状況が続いていて、それでも自分がやるべきことをずっとやってきた中で、今日のああいう得点という一つの形になったので、よりこれからの自信につながりますし、自分がやってきたことが間違いではなかったと今思っていますし、報われた形でうれしかったです。ただチームのためにもっともっとやらないといけないですし、このチームで昇格するためには勝点3を取らないといけないので、自分はそこに向けてスタメンでも途中出場でも与えられた時間でやっていくだけですし、自分のタスクをこなして結果を出すだけだと思っています。

次節の秋田はなかなか難しい相手ですが、僕たちのサッカーをやっていけば絶対勝てると信じていますし、ホームの大声援の中でサッカーができるので、その幸せをかみしめながら、NACK全体が一つになって、みんなで勝点3を取っていきたいです。
得点シーンは、ヤチ(谷内田哲平)との関係が良かったです。ヤチは前も向けますし、パスもすばらしいものを持っているので、基本的にはヤチが持ったら動き出していますし、今日はここをとおしてくると思っていたポジショニングしか取ってなかったので、ヤチのパスがすばらしかったです。

2点目は、(茂木)力也のボールも良かったですし、しっかりファーで(津久井)匠海が待っていたのが見えていたので、そこに届けることができて良かったですし、落ちついて決めてくれて良かったと思います。

「1点追いつけば絶対に逆転できるから、もう失点しないでおこう」とハーフタイムにもみんなにも伝えていましたけど、自分が出てからも失点しましたし、そこは全員の責任ですけど、2失点目のような失点をしているとまた同じ目に遭うしこけると思っています。2失点したあとは「1点でも絶対に返す」という思いでやっていて、1点返せたときに「絶対に追いつけるな」と思っていました。ただ追いついたときには時間が足りなかったので、もう少し早く1点目を決めていればなと思うとそこは反省です。

今日の勝点1が次につながるかどうかは、次の試合やこれからの試合にかかっていると思うので、また良い準備をしてホームに帰りたいと思います。秋田戦もたくさんのお客さんが入ってくれるというのも聞いているので、早くプレーしたいです。今日もこんな雨の中で応援してもらっているのにこのままでは帰せないなと思っていましたし、たくさんのお客さんの中でプレーできるというのは本当に幸せなことですし、盛り上がっていると思うので、しっかり僕たちも良い結果を残して、勢いのある良い試合にしたいと思います。
フォトギャラリー

(写真:高須 力)

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