【Wings for Life World Run 2026】日本公式アンバサダー 猪狩ともかさんインタビュー

5月10日に開催される『Wings for Life World Run 2026』。世界的チャリティーランイベントを控える中、『Wings for Life World Runプレゼンツマッチ』となった4月18日の磐田戦でNACK5スタジアム大宮に来場して挨拶を行った日本公式アンバサダー 猪狩ともかさんのインタビューをお届けする。



全世界同時開催、壮大な鬼ごっこ

2026年5月10日(日)日本時間午後8時から、今年で13回目となる世界最大規模のチャリティーランイベント「Wings for Life World Run」(ウィングス・フォー・ライフ・ワールドラン:通称ワーラン)が開催される。

ワーランは通常のランニングイベントとは大きく異なる。すべての参加者が世界各国で一斉にスタートし、30分後に走り出す「キャッチャーカー」に追い抜かれた時点で、その参加者はレース終了。本物のキャッチャーカーが追いかけてくる「フラッグシップラン」、スマホアプリを使い、バーチャルキャッチャーカーを相手に参加者が好きなコースを走る「アプリラン」、アプリラン参加者が集まって走る「アプリランイベント」の3種類とも、ゴールラインは設定されていない。

よって、世界中のアスリート、一般ランナー、車椅子ユーザー、初心者が、それぞれのペースのランニング、ウォーキング、車椅子で、キャッチャーカーから逃げながら遠くを目指すという、唯一無二の面白さがある。

いってみれば、全世界で同時に開催される壮大な鬼ごっこだ。

今年の日本のアプリランイベント会場は4カ所。東京・明治神宮外苑、広島・福山市竹ケ端陸上競技場、福岡・海の中道海浜公園。そして埼玉・大宮第三公園が、昨年に続いて開催地となっている。

猪狩ともかさんが語るワーランの魅力


そんなワーランの日本公式アンバサダーを務めるのが、アイドルグループ『仮面女子』の猪狩ともかさんだ。2024年から3年連続で任務に就く大使は、ワーランの魅力を発信するだけでなく、実際にイベントに参加して盛り上がりを実感している。

「2年前にアンバサダーのお話をいただいて、それをきっかけにワーランを知りました。それまではイベント自体の存在を知らなかったので、多くの皆さんに知ってもらうこと、伝えていくことの大切さや責任を感じています」

2018年に不慮の事故により脊髄を損傷して下半身不随となった猪狩さんは、車椅子でワーランを走っている。初参加の一昨年は3km弱を走り、昨年は4km強と距離を伸ばせたことで、「今年もさらに記録を更新したいと思っています」と意気込む。

とはいえ、ワーランは走行距離を競うだけのイベントではない。アプリランイベントは全員でお祭りを盛り上げる空気に満ち、参加者は走ることを楽しんでいる。

「私は遅いのでどんどん抜かされるんですけど、皆さん『ファイトー』とか『頑張ろう』と声をかけてくださるので、とても温かい気持ちで走ることができます。私は、基本的にスポーツがあまり得意ではないので走ること自体は大変なんですが、イベントそのものをすごく楽しめています。本当に和気あいあいとした雰囲気があり、お祭りみたいなんです。私が参加してきた東京会場にはトラックがあって、クラブDJのような方が音楽を流していました。夜に走るという高揚感がありますし、『あと何mで追いつかれますよ』という画面を見ながら、追いかけてくるキャッチャーカーから逃げている鬼ごっこのようなドキドキ感もあるので、本当に楽しいイベントという感じです」

と同時に、ワーランは「走れない人のために走る」をスローガンとしており、参加費の全額と同額を脊髄損傷の治療研究に充てるという大きな目的がある。レッドブル創始者のディートリヒ・マテシッツが設立した『ウィングス・フォー・ライフ財団』はワーランの主催者であり、脊髄損傷の治療法発見を唯一の使命とする非営利の脊髄研究財団だ。

「チャリティと聞くと堅いイメージがあると思いますが、コスプレをしている方もいて、みんなでワイワイ楽しむイベントという感じなんです。ワーランに参加する方の中には、単純に走るのが好きという方もいるでしょうし、脊髄損傷された方の役に立ちたいという思いの方もいると思います。ただ単に募金や寄付をするのとは違って、走ることで誰かの役に立てる、すばらしいイベントだと思っています」

大宮の選手たちもイベントに参加

昨年のワーランには、フィジーのソロランナーからブラジルのランニンググループまで世界の191カ国から史上最多31万719人が参加し、総額860万ユーロ(約14億円)の寄付が集まった。車椅子ユーザーの猪狩さんはワーランの意義を実感している。

「脊髄損傷は、完治に至るまでの明確な方法が見つかっていません。なので、脊髄損傷に関する研究のお手伝いを世界中の参加者がしてくださるということは、本当にありがたいことだと感じています。自分自身もワーランに参加することで後押しというか、少しでも研究が進んでくれたらうれしいです。今後どんどん研究が進んでいって、脊髄損傷は治せるという認識になるまで医療が進化することを期待しています」

猪狩さんは4月18日のジュビロ磐田戦でNACK5スタジアム大宮を訪れて、ファン・サポーターに向けて「当日はすごくお祭りみたいな雰囲気で、楽しく走ることができると思います。私も神宮会場に参加して、車椅子で一生懸命走ります! ぜひ、皆さんの力を貸していただきたいです。よろしくお願いします!」と挨拶した。

なお、5月10日(日)の大宮会場(大宮第三公園)でのウォームアップには、今年もRB大宮アルディージャとRB大宮アルディージャWOMENから選手が参加してランナーとふれあい、激励のメッセージを送る予定だ。


粕川 哲男(かすかわ てつお)
1995年に週刊サッカーダイジェスト編集部でアルバイトを始め、2002年まで日本代表などを担当。2002年秋にフリーランスとなり、スポーツ中心のライター兼エディターをしつつ書籍の構成なども務める。2005年から大宮アルディージャのオフィシャルライター。

FOLLOW US