選手やスタッフにピッチ内外にかかわらず様々な質問をしていく本コーナー。今回は、今季から加入した西尾隆矢選手と加藤聖選手が登場! 同じチームに所属したことがない二人ですが、世代別代表などで大の仲良しに。大宮で再会し、最終ラインでは隣同士でプレーすることもある仲良しコンビの関係性に迫りました。
聞き手=粕川 哲男
中学3年生からの仲良しコンビ

【第9節のFC岐阜戦は2001年度生まれの同級生4バックで無失点勝利を達成】
――2001年度生まれの同級生ですね。第9節のFC岐阜戦、第10節の松本山雅FC戦は関口凱心選手、村上陽介選手を加えた同学年の4人で、4バックを組みました。
西尾「初めてやんな?」
加藤「初めて」
西尾「同学年4人の4バックなんて初めてだったので、うれしかったですよ。僕が大宮に来てから最初にしたことは、『同期会しよう』って言うこと。まだ、凱心とも陽介とも全然しゃべってなかったのに。みんなでご飯に行くのを、真っ先にしました。そこでみんなと一気に仲良くなった。聖とは元々仲いいしな」
加藤「うん」
西尾「今は絶対毎月、最低月イチ開催を目標にやってます。だいぶ距離が縮まりました。コイツ(聖)としゃべることはもうないですけどね、しゃべりすぎて」
加藤「ないよ」


――二人の最初の出会いは?
西尾「いつや?」
加藤「たぶん、中3のときのメニコンカップ(日本クラブユースサッカー東西対抗戦)」
西尾「選抜されて、東西に分かれてやるやつだ」
加藤「そのとき部屋が一緒だった」
西尾「俺なんでか知らんけど、CBやったのにFW登録で招集されとって」
加藤「そう」
西尾「そこで初めて聖と出会った」
加藤「そんときは1泊2日とか。夜に集まって次の日に試合して帰ったから、そこまでは仲良くならなかったかな」
西尾「そのあとやな、アンダー世代の代表でしょっちゅう一緒になることがあったから。そこからですね、仲良くなったのは」
――海外遠征もかなりの数で実施していますよね。
加藤「はい」
西尾「むちゃくちゃ行ったな。聖と同部屋、何回なったかってくらい……。とっておきのエピソードですか?」
加藤「『Switchのマリオ』全クリちゃう?」
西尾「俺ら、ホンマしょうもないことしかしてない(笑)。部屋でずっとゲームしたり、毎晩二人でホラー映画観たり」
加藤「フフフ……」
西尾「カップルみたいな感じ(笑)。U-15世代などで海外に行っても、お金もないんで、なんもすることないじゃないですか。そうなると、テレビに携帯つなげて映画観ようぜとなって、怖い映画をずっと観るみたいな」
加藤「やってたなぁ」
西尾「今思ったらキモいことしてんなって感じですけど、基本二人で。たまにほかの選手を呼ぶこともありましたけど。なに観たっけ?」
加藤「あれちゃう?人形のやつ」
西尾「アナベル(※)!」
加藤「そう」
西尾「アナベルシリーズも全クリしたもんな、俺ら。オフの日とか、朝から晩までずっと部屋で一緒におったな」
(※『アナベル 死霊館人形』など、シリーズ化された)
――かなり早い段階から気が合ったんですね。
加藤「いや、まぁ、どうなんですかね」
西尾「……聖がまずしゃべんないんで、まったく。鬼人見知りなんで。俺はどっちかって言うと生粋の大阪育ちなので、誰にでもしゃべる。体格もドシッとしてるから、みんなにガンガン行けるけど、聖は初めてのときとか、端にチョンって感じだから。しず~かに。大宮来てもそうですよ。俺おらんかったらどうしてたんってくらい」
加藤「(静かな微笑み)」
西尾「そんな感じだけど部屋が一緒で仲良くなって、そこからずっとですね。まぁ、聖が勝手についてくるだけですけど(笑)」
行ってみたいテーマパークは…

――加藤選手は兵庫県出身ですよね。
加藤「でも、人生の半分以上は兵庫県の外にいますから。もう忘れました、関西のこと。12歳のときJFAアカデミー福島があった静岡に行って、今年25歳なんで。ほかの県にいるほうが長いんですよね」
西尾「関東は住みやすい……。いや、ホンマに。ビックリしたよ。俺は大阪大好きなんで、関東にあんまりいいイメージなかったんですけどね」
加藤「そうなんや」
西尾「冷めてる人多いやろな、みたいな。そう思って大宮に来てみたら、めっちゃみんな優しくて、普通にしゃべってくれるんで、思ってたんとちゃうなって。街も住みやすいし、なんでもそろうので便利。大阪は人が多過ぎて、わちゃわちゃしてるところがある」
加藤「うん」
西尾「飲食店の店員さんは、ちょっと素っ気ないかなっていうのはありますけど」
加藤「普通やで。大阪が特別」
西尾「怒ってるの?って人が……。俺にも悪いところあると思うんですよ。店員さんに何を求めてるの、と思われるんですけど」
加藤「フフフ……」
西尾「なんか言葉では言い表せないですけど……いや、こんなん言うたら、小っちゃいヤツやなみたいになるからダメですけど」
加藤「そういう店もあったってことやろ」

――初めて行って良かった場所はありますか?
西尾「この前、サンリオピューロランド行ってきた!マイメロと写真撮ってきた」
加藤「(西尾が話す)マイメロがイヤやねん」
全員「(爆笑)」
西尾「俺も撮らしてくれよ、写真くらい(笑)。娘が、キャッキャッ言って。ディズニーランドは行ったことがないんですよ、人生で。早く年パス買って行きたい」
加藤「年間パスポート、あるの?」
西尾「あるでしょ。俺、大阪いたとき、ユニバ(―サル・スタジオ・ジャパン)の年パス持ってたからね、場所的に横に住んでたけど。ディズニーランド一緒に行こうな?」
加藤「俺はディズニーシー、1回だけ行ったことある」
西尾「ランドは?」
加藤「ない」
西尾「でも、奥さん好きやろ」
加藤「CM流れたら『行きたい』『早く行こ』って、いつも言われる」
西尾「奥さん同士もめっちゃ仲いいんですよ。だから、奥さんに案内してもらおう。俺の家族は誰も知らんから。回り方とか大事やろ」
加藤「でも、俺あんま……」
西尾「お前、その発言で炎上や」
加藤「(ディズニーシーに行った経験は)中学校の卒業遠足みたいな感じで、半日だけやったから。めっちゃ人多くて、俺、絶叫系好きなんだけど、ただ動くだけのやつ、3時間並んだ」
西尾「そんときとは、また変わってるやろ」
加藤「いや、分からん」
西尾「新しいやつもいっぱいあるだろうから、絶対楽しいって」
加藤「並ぶのがさ……」
西尾「分かるよ。でも、並ぶのもテーマパークの醍醐味やから」
加藤「夏とかムリやろ」
――共通の趣味であるゴルフの面白さは?
西尾「まだ一緒には行ってない」
加藤「ないな。ゴルフの良さは、やる人にしか分からないかも」
西尾「やし、楽しみ方も人それぞれやと思いますよ。マジでうまくなるのを目指している人もおるし。俺はオフに、朝早くからゴルフに行って、あのめっちゃ広い芝生をみんなで歩きながら、しゃべりながら、なんて健全な遊びだ! って感じ」
加藤「健全だな(笑)」
西尾「めっちゃいいオフ過ごしてる感あるんすよ。空気綺麗やし、景色最高やし」
加藤「うん」
西尾「俺はそんな良いスコアとかは目指してなくて、みんなでわちゃわちゃできる感じが好き。サッカーではピリピリするときもあるけど、ゴルフに関してはもうずっと笑ってる」
加藤「俺も極める感じじゃない。練習行かないし、本番だけ」
西尾「エンジョイゴルフやな」
加藤「たまに、今日はハイスコア出そうと思って気合い入れる日もあって、そういう日は結構イライラしますけど」
西尾「そういう日に限って良くないんだよな」
加藤「そうそう。だから、そういうのはやめて、1本いいのいったら気持ちいいみたいな感じでやってます。それが楽しいっす。ゴルフの楽しさは説明できない」
西尾「俺らみたいなのは、ただ行って、みんなでホンマ楽しい。それだけ」
大宮でのプレーする際の覚悟

――あらためて、どんな思いで大宮への移籍を決めたか教えてください。
西尾「初めての移籍だったので、いろいろ悩みました。ただ、RB大宮アルディージャに声を掛けてもらえたのは、すごくうれしかったです。自分の中では大きな決断だったので、成長しないといけないという覚悟できました。あとは、C大阪にいたときから大宮はJ1にいないといけないクラブと思っていたので、J1まで上り詰める道のりに参加できることが光栄ですし、J1昇格メンバーになるために頑張りたい。いち早くチームの軸となる選手にならなきゃと思って来ました」
加藤「実際に話をいただくまでは、大宮の規模の大きさは知らなかったんですが、レッドブルの話とかを聞いて、本当にこれから伸びてくるクラブだと感じました。あとは自分の目標として海外で活躍するという思いがあるので、そこを目指すには大宮で活躍するのが一番の近道だと思って移籍を決めました。2026/27シーズンに必ずJ1に昇格して、その中で主力として活躍すれば可能性がある、という覚悟があります」
西尾「ここに来て数カ月経ちましたが、RB大宮アルディージャというクラブのすごさは、めちゃくちゃ感じているし、自分たちが贅沢な環境にいることを実感しています」
加藤「うんうん」
西尾「ここに来てからも『C大阪はJ1だから良かったでしょ』って言われますけど、僕は全然レッドブルのほうがすごくて、すばらしいサポートを感じています。そこは、実際にこのクラブの選手になって、より強く感じています。その思いは全員やんな?」
加藤「たぶん」
西尾「すごいという一言に尽きるし、ビックリしたところも多い」
加藤「聞いたことない役職の人がいたり」
西尾「確かにな(笑)」
加藤「役職の名前を見るだけで、絶対すごいんやろうなっていうのは分かる」
西尾「(感想が)小学生か!」
加藤「いや、それだけでも規模のヤバさは感じる」
西尾「スタッフの数がすごい。みんなそれだけサッカーに対する熱量があって、ここまで費やしてくれてるんだというのは感じる。だから、俺らは何不自由なくできる」
加藤「それは思う」
西尾「振り返りも、それぞれスタッフの方と1対1でやってもらえるとか。映像を使った分析もあるし、映像ミーティングができる部屋が何個もあるとか。当たり前の感じでやってるけど、結構すごい。ないよな?なかなか」
加藤「ない」
――プレーヤーとして感じているお互いの良さは?
西尾「ずっと同じサイドで組んできたので、あらためて聞かれると難しいですね。聖の特長は、もう誰もが分かってることやと思うけど、質の高いキック。やりにくさは一切ないので、大宮でパッと組んでも違和感はマジでなかったです」
加藤「うん」
西尾「俺のカバー、全部しろよって思ってますけど」
加藤「普通逆なんですけどね」
西尾「アハハハ……。聖がこうしたいんやろうなとか、なんとなく分かる。阿吽の呼吸と言うか、良いときも悪いときも感じ合えるので、この年になって久しぶりに組んだけど、コンビネーションはすごくいいと感じています」
加藤「安心感があります。攻守においてドシッと構えてくれるので、僕も安心して自分のプレーに集中できるし、前に行ける。後ろが安定していないと、自分の武器を生かすのが難しくなるので。隆矢がいることで、攻撃面の自分の良さを出せる回数が増えているとは感じます。ずっと一緒にやってたんで、急にできた関係じゃなくて、昔から変わらず横にいてくれる安心感があります」
西尾「(頷き)」
加藤「ファン・サポーターの方は、たぶん僕たちの関係を知らないから新鮮な感じもあると思いますが、隆矢との連係に関しては、昔からずっと変わってないんですよね」
西尾「(小声で)最近はちょっと失点多いけどな」
加藤「そこは……いろいろチャレンジして、試行錯誤しながら自分たちの正解と言うか、見つけたいと思ってます」
内容と同時に勝ち癖を

――二人のホットラインからのゴールは、まだないですね。
西尾「そうですね」
加藤「シュート、結構打ってるよな」
西尾「確かに。しかも、足で(笑)。セットプレーから取れたらいいけどな」
加藤「うん」
西尾「俺は自分じゃなく、チームが取ってくれたら全然いいです。自分の得点ももちろん大事ですけど、チームが勝てばそれだけで十分」
加藤「CKのとき隆矢も狙ってるんですけど、俺のキックの質が」
西尾「ボールが良かったら。俺が触って外したら俺のせい」
加藤「フフフ……。CKから一発ドーンはまだないか」
西尾「いや、絶対に大事なところで決めるんで大丈夫です。とっておきます」
――最後に、残りのシーズンに向けた意気込みを聞かせてください。
西尾「このハーフシーズンは、聖も言ったようにトライしながらやっている中、エラーもありますが、それでもやっぱり自分たちがやろうとしてるスタイル、大宮らしさは変えず、残りの試合もトライし続けて一つでも多く勝ちを残したいと思います。ここで築き上げたものを、次の2026/27シーズンでしっかり出せるようにやっていきたいです」
加藤「このハーフシーズンはあと少しで終わりますけど、良いものが積み上がっていると感じますし、残りの試合でさらに良くできると思うので、内容と同時に勝ち癖をつけて、2026/27シーズンにつなげていきたい。それができれば、本当にJ2優勝、J1昇格というものが見えてくると思うので、まず残り全試合勝利を目指して頑張ります」
粕川哲男(かすかわ てつお)
1995年に週刊サッカーダイジェスト編集部でアルバイトを始め、2002年まで日本代表などを担当。2002年秋にフリーランスとなり、スポーツ中心のライター兼エディターをしつつ書籍の構成なども務める。2005年から大宮アルディージャのオフィシャルライター。

