JリーグYBCルヴァンカップ 2回戦
2025.4.16 [WED] 19:00 NACK

大宮

  • 82' 杉本 健勇
1 - 3
0 前半 0
1 後半 1
0 延前 2
0 延後 0

FC東京

  • 56' マルセロ ヒアン
  • 98' マルセロ ヒアン
  • 105+1' マルセロ ヒアン
  • フジテレビONE
  • スカパー!
試合経過
中2日、J1勢との対戦。勝機は相手の形を「見て」戦った先に
大宮はJ2リーグから中2日、FC東京はJ1リーグから中4日と、スケジュールの違いがある。とはいえ、今大会の1回戦ではどちらもターンオーバーを採用している。リーグ戦で十分なプレータイムを得ていない選手たちが、モチベーション高くぶつかり合うという構図になりそうだ。

どちらも基本システムは[3-4-2-1]である。ミラーゲームになる可能性は高い。一人ひとりが目の前の相手に負けないことが、試合の主導権を握ることにつながっていく。

FC東京は守備の局面でハイプレスを仕掛けつつ、[5-2-3]に可変してブロックを作る。2ボランチの脇のスペースが狙いどころとなり、そのスペースを使われることを嫌って相手の両ウイングバックが出てきたら、今度は3バックの脇が空く。[5-4-1]のブロックを敷かれたら、[5-2-3]と対峙するよりも辛抱強くボールを動かしていく必要がある。ただ、相手の前線は1枚になるので、ボールロストからカウンターを受けるというシチュエーションにはなりにくい。

大切なのは相手を「見る」ことだ。相手の立ち位置をしっかりと見て、その時々にピッチ内でイメージを共有し、攻め筋を統一していくのである。

ホーム・NACK5スタジアム大宮では、昨季から圧倒的な勝率を誇っている。今季はリーグ、ルヴァンカップで5勝1分と負けなしだ。長澤徹監督は「自分たちさえ積極的な姿を見せれば、スタンド(の熱)とリンクしてなんでもできる感覚になる、というのは選手たちも話している」と言う。「練習は試合のように、試合は練習のように」というチームのスタンダードを表現すれば、十分に勝機は見いだせるはずだ。

(文:戸塚啓)

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監督コメント
秋田戦では勝利することができましたが、ルヴァンカップはまた違うコンペティションなので、つなげるというよりは新たなゲームだと区切ってこの試合に臨みます。いつも言っていますが勝利から逆算するので、相手は前の試合から日数が空いてますし、我々は日曜日に試合をしたばかりで、やはりパフォーマンスできるということが最低条件になるので、視点はいつもと同じですが一番勝つ確率が高いメンバーを選定していきたいと思っています。

リーグは序盤戦なので、基本的にはどこもそうだと思うのですが、ラージグループを作りながら、シーズン中は何があるかわからないという中で進んでいるので、勝つ負けるというよりも本当にチームとしての総和を出せるかどうかというのが一番ポイントだと思います。引き続き、このゲームを含めてですが、やっぱり選手の能力を全部出せているかどうかというところはすごく大事だと思いますし、このゲームもそこに向かって組み立てていこうと思っています。

FC東京は力がありますし、J1もJ2も序盤戦は混戦になっていますが、内容だけ見ると非常にスキルにこだわっていて高い理想でサッカーをやろうとしてることはわかっていますので、そういう意味では今の時点での成績は自分の頭の中には残っていなくて、本当にいいタレントがいていいチームだなというとらえ方をしています。自分が過去所属していたとかはあまり考えていなくて、FC東京という一つのチームに対してやっていく部分と、上のカテゴリのチームが下のカテゴリのチームと対戦するときの大変さもわかっていますし、我々はチャレンジしていく立場なので、立ち上がりから思いっ切り入っていければと思います。

リーグ戦ではないので勝って次に進むという、ただそれだけが目標なので、前回のように10人になろうが、試合中にPKを外そうが、攻め込まれようが何しようが、もうそこの一点だけです。内容とか、うまくいかない時間帯で落ち込む必要もなく、本当にデッドアライブのゲームなので、そういう形でしっかり覚悟を決めてゲームに臨んでいこうと思っています。
選手コメント
ルヴァンカップ1回戦のいわき戦は途中からの出場で、個人的に試合の入りはよくなかったのですが徐々に慣れていったと思います。昨シーズンの最終節以来の公式戦出場で、爪痕を残したいという思いは強かったです。満足いくような内容ではなかったですし、フリーキックやコーナーキックも結構あったのでそれを結果につなげたかったというのはありますが、チームとしては勝利することができたのでよかったです。

昨シーズンよりも、チーム全体としてのクオリティは上がっていると感じます。特に攻撃の部分でパスの質とか、足から足というのはよく言っているのでそういったところであったり、一つひとつのパスやシュートなどは自分自身も意識してこだわってやっています。個人としてはまだまだですが、やっぱり結果を残すことが一番大事だと思うので、アシストであったりゴールであったり、自分がチームを勝たせるという思いを持ってやることが大事だと思っています。

FC東京には、アカデミー時代から対戦していた同世代の選手たちもいますし、上のカテゴリのチームとの対戦なので「やってやるぞ」という楽しみな気持ちが大きいです。個人としてはやっぱり一番は結果を出すことなので、どんどんボールに絡んでゴールにつながるプレーができればと思います。
秋田戦は残り時間が少ない中での出場でしたが、ゼロに抑えることと、1人退場者も出てしまっていたのでしっかり逃げ切ること、まずは守備からということを意識して試合に入りました。直近のリーグ戦のアウェイで2敗していたので、ここで秋田に勝ち切れたことは非常によかったですし、次のルヴァンカップに向けてまたいい勢いがつけられるように、中2日ですが全員でまた乗り越えたいと思っています。

先月のルヴァンカップ1回戦のいわき戦も苦しいゲームでしたが、たくさんのサポーターの声援のおかげで勝ちを持って来ることができたと感じていますし、PK戦のときの雰囲気もすごくて非常に助けられたと感じています。退場者が出て苦しいゲームでしたが、全員でハードワークして勝ちを持って来れたというのは非常によかった点でもありますし、次も全員で一丸となって戦えればと思います。

FC東京は、メンバー見ても知っている選手や有名な選手が多いですが、相手どうこうよりも自分たちが挑戦者という意識を持って食らいつく、襲いかかることができればと思います。

自分の持ち味はスピードやパワー、フィジカル面や1対1なので、自分の良さをどんどん出せればと思っています。J1のチームと対戦する機会は今はあまり多くないので存分に楽しめたらと思いますし、自分の持ち味がどれだけ通用するかということも試してみたいです。ただ、チームが勝つことが一番大事なので、そこに向けて自分の持ち味や良さを出して、勝利に結び付けられればと思います。
メンバー

スターティングメンバー

112'
63'
77'
65'
65'
63'

控えメンバー

112'
63'
77'
63'
65'

監督

長澤 徹

スターティングメンバー

GK 13 波多野 豪
DF 4 木本 恭生
DF 5 長友 佑都
68'
DF 44 エンリケ トレヴィザン
DF 47 木村 誠二
77'
MF 7 安斎 颯馬
MF 10 東 慶悟
68'
MF 37 小泉 慶
90+2'
MF 53 北原 槙
113'
FW 19 マルセロ ヒアン
FW 98 エヴェルトン ガウディーノ
68'

控えメンバー

GK 41 野澤 大志ブランドン
DF 30 岡 哲平
77'
DF 32 土肥 幹太
113'
DF 99 白井 康介
68'
MF 8 高 宇洋
90+2'
MF 18 橋本 拳人
68'
FW 16 佐藤 恵允
68'
FW 33 俵積田 晃太
FW 39 仲川 輝人

監督

松橋 力蔵
試合詳細
9 シュート 21
9 GK 10
6 CK 14
11 直接FK 5
4 間接FK 3
0 PK 0
試合データ

主審

川俣 秀

副審

赤阪 修

副審

竹田 明弘

第4の審判員

榎本 一慶

入場者数

8,001人

天候

晴、弱風

ピッチ状態

全面良芝

気温/湿度

14℃/20%

HIGHLIGHT

杉本の同点弾も実らず、120分の激闘に散る
秋田から貴重な勝点3を持ち帰った明治安田J2第9節の3日後、大宮はホームにFC東京を迎えてYBCルヴァンカップ2回戦を戦った。

負ければ敗退となるノックアウト方式のトーナメント戦。長澤監督が、これまでと同様に「勝つ確率が高いメンバー」という狙いから先発に選んだのはGK加藤、最終ラインは浦上、中山、安光の3人。関口と和田が両サイドに張り、谷内田と阿部がピッチ中央に並び、カプリーニ、中野、富山が前線で三角形を形作った。直近の秋田戦から先発11人全員を入れ替えたフレッシュな陣容だ。

大宮のキックオフで始まった試合は、開始早々からFC東京の推進力の前に押し込まれる展開となる。なかなかボールを運べず、自陣で我慢の立ち上がり。8分、右サイドを駆け上がった関口が狙い、続けてセカンドボールを拾った谷内田も右足を振ったが、どちらも相手にブロックされた。

10分過ぎには、相手のプレッシングをかわせずに下げたボールがそのままゴールラインを割り、CKのピンチとなる。木村とエンリケ・トレヴィザンに立て続けにヘディングを許してヒヤリとしたが、ここは加藤が必死のセーブで難を逃れた。
 
だが、その後もFC東京にポゼッションを許し、劣勢の中で与えたCKからゴールを脅かされてしまう。中野と安光のカウンターから最後はカプリーニが狙うシーンもあったが、22分には長友からパスを受けた15歳の北原に、ゴール正面からあわやの左足シュートを打たれた。

大宮がつかんだ最初の決定機は29分。関口が右サイドから中央へドリブルを仕掛け、そのまま左足を振り抜く。低い弾道のシュートがゴールを襲ったが、わずかに左に外れて先制点とはならなかった。

しかし、このプレーをきっかけに流れがやや大宮に傾く。カプリーニと富山が絡みCKを奪い、阿部が果敢なドリブルでペナルティエリア内に侵入し、中野が右足シュートで相手GKにセーブを強いる。

前半の残り10分はFC東京の圧力を跳ね返せるようになり、中盤でパスがつながり出す。阿部のパスからカプリーニがゴールに迫り、アディショナルタイムにはショートカウンターから再びカプリーニが右足で決定機を迎える。谷内田のFKを富山が絶妙なヘディングで流し込んだ場面はオフサイドの判定となり、両チーム得点のないまま前半の45分が終了した。

後半もFC東京がボールを握る展開で進むが、大宮は崩れない。中山がマルセロ・ヒアンとの競り合いを制し、GK加藤はパンチングでピンチを凌ぐ。しっかり耐えてからカウンターを繰り出し、カプリーニや和田がゴール前で得点の気配を漂わすなど、試合はどちらに転んでも不思議ではない展開に。

56分、長友のラストパスからマルセロ・ヒアンに先制点を許したが、直後のキックオフをゴール前まで運び、攻めの姿勢を貫く。63分に杉本とガブリエウを同時投入。2分後には藤井とオリオラ・サンデーもピッチに送り込み、ゴールを奪いに行く。

FC東京も、リーグ戦で出場機会を得ている選手たちを途中出場させて攻守のクオリティを上げてくる。そんな相手と中盤で激しく身体をぶつけ合い、セカンドボールを拾って前線のサンデーにパスを送るが、シュートまでは持ち込めない。

しかし82分、左サイドのスペースに抜け出したサンデーが、和田に代わって途中出場した小島からのリターンパスを中央へ送ると、このクロスに杉本が応える。ゴール右隅に流し込む技ありのヘディングが歓喜の同点ゴールとなった。

熱い声援がスタジアムを覆う中、大宮は攻め続ける。追加点を奪うことはできなかったものの、5分のアディショナルタイムを含め攻勢をかけて、試合を15分ハーフの延長戦にもつれ込ませた。

システムは後半途中から4-2-3-1に変更。最終ラインは関口、ガブリエウ、浦上、安光の4人。小島と中山が中央で、2列目は藤井、杉本、谷内田の3枚、最前線にサンデーという並びだ。延長前半の98分に追加点を奪われてからも、粘り強く守り、前線の4人がスペースを突く。しかし、決定機は作り出せない。延長前半のアディショナルタイムには、オフサイドラインをぎりぎりで飛び出してきたヒアンに、ハットトリックとなる3点目を決められた。

延長後半、加藤は決定的な1対1を身体で食い止め、カウンターからのシュートをしっかり抑えるなど好セーブを連発したが、最後までFC東京のゴールを割ることができず、大宮はルヴァンカップから姿を消す結果となった。

ただし、リーグ戦につながる収穫はあった。肩を落とす必要はない。試合後、長澤監督は「ゲームに臨む姿勢とかチャンスを作り出すこと、プロテクトすることに関しては非常に良かった」と手応えを口にした。また、ゴールを決めた杉本は「予想どおり押し込まれる場面もありましたけど、こっちの方がチャンスを作れていたと思います。追いついてイケイケ状態になったときにゴールを決める力をつけないと。それができなかったことが、すべて。だから、まだまだです」と、反省しながらも前を向いた。

明治安田J2第10節は4日後、今治とのアウェイゲームだ。

(総評:粕川 哲男)

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監督コメント
平日のナイトゲームでサポーターの方もたくさん入ってくれたのですが、次に進むことができず、監督として本当に申し訳なく思っています。責任を感じています。

トーナメントなので勝つか負けるかの勝負なので、負けてしまったという単純な結果でした。粘ってチャンスも作りましたし、互角で最後に押し切りにいったのですが、今ロッカーで喋ってきたのですが、ここまではどのチームもできて、ちゃんと仕留められるかどうかということが本当の力なので、そこをしっかり味わって選手はかなり悔しそうな顔していました。

最後は、背後の動き出しというのがFC東京の一番クオリティが高いところだったので、それで2本抜け出されて2点目、3点目を取られてしまったことは、警戒していたところでしたし痛かったかなと。90分の間は何の問題もなかったのですが、延長で少しそこの肝が緩んでしまったというのは、猛省しなければいけないかなとは思っています。ただ、先ほど言ったように、ゲームに臨む姿勢とかチャンスを作り出すこととか、プロテクトすることに関しては非常にいいゲームだったと思うので、リーグ戦にまた戻っていきますが、こういう展開になったときにしっかり勝ち取れる力を日々の練習から積み重ねていきたいと思います。
選手コメント
今日はスタートからでしたけど、そんなに気負いはなく、いつもどおり準備していつもどおり試合に入りました。感触も悪くはなかったんですけど、やっぱり決め切るところを決めないとこういう展開になるなという感じでした。

相手のチャンスもありましたけど、ウチもチャンスはありましたし、それをやっぱり決め切る力というのがまだまだ足りない部分で、そこを決め切れば上に行けますし、まだまだチームの力不足だなと思います。

相手のスキを突けていた部分もありますし、前からプレッシャーで何回か引っ掛けてチャンスも作っていましたし、あとは本当に決め切るとこだけでした。最後、パスにするのかシュートを決め切るのかというところの判断も含めて、まだまだ改善できるところがあるなと思います。

今日は「走る」「戦う」「球際」がキーになると試合前に言われていて、その辺もできていたと思いますし、三点取られてしまいましたけど守備陣もそれまではしっかり守れていた部分もありますし、最後のところもしっかり体を張れて防いでいた部分もあるので、その辺は評価できると思います。

J1のチーム相手でしたけど、いつもどおり準備して、やれるだろうなと思いながら挑んだので、結果的には残念でしたけどチームとしても成長できたのかなと思います。これをしっかり糧にして、次のリーグ戦に向けてしっかり準備していけたらいいなと思います。リーグ戦は結果がすべてだと思うので、そこだけフォーカスして、しっかりチームに還元できればいいなと思います。
前半に関しては、セットプレーが多かった中でまず守りながらしっかりみんな集中して弾き返せたと思います。前3枚でしっかりプレスがハマったときにGKからのパスとかで引っ掛けられたのが3、4本ぐらいあったと思いますけど、そこでしっかり仕留めきれないといけなかったなと思います。多分それが今の自分たちの実力だと思うので、そこはしっかり矢印を自分に向けてやっていきたいと思います。

僕たちの質のところで最後仕留めきれなかったのはあったんですけど、前半は本当にできた部分がありましたし、やれるなという感覚が多分みんなあったので、本当に後悔するなら後半の最初の入りかなと思います。しっかりゼロで進めながらというのが最低条件だったと思うので、そこが悔しいですが、本当にみんな全然やれていましたし、誰一人ビビっている選手はいなかったと思うので、そこは良かった点かなと思います。

個人的にはスタメンが変わる中で、このチャンスで結果を残したいという気持ちと、シンプルに勝ちたいという強い気持ちで臨んだのですが、悔しい結果になりました。J1のチームという最高の相手とやれるので、結果を残したら今の序列も覆せるという思いを持っていたので、本当に悔しい気持ちしかないです。

左サイドはそんなにやったことがないので景色的には違いますけど、そんなことを言っていられない状況ですし、試合に出たら結果を残してやりたいとは思っていたのですが、前半ショートカウンターからチャンスがけっこうあった中でそこを仕留められないと、J1のチーム相手だとこういう結果になってしまうのかなというのが率直な感想です。

シーズンは長いので、今日負けたからと言って終わりになるわけではないですし、リーグ戦で試合に出ているメンバーの中にも出場時間が少ない自分たちが食い込んでいくことでチームの底上げにもつながってくると思うので、一日一日を大切にしながら毎日が勝負という気持ちで練習から毎日臨んでいきたいと思います。
前半はすごく集中した中で失点もなくチャンスも多く作れていて良い流れではあったんですけど、決め切れなかったというのが今日の敗因かなと思います。

延長は相手もきついですし自分たちもきつかったですけど、結果論ですけど後半の最後10分ぐらいの押し込んでいる時間帯に仕留めれたらなと思うとすごく悔しいです。ボールを奪ったときにカウンターに出ていく枚数は誰が試合に出てもすごく意識していますし、そこでゴールが取れなかったのが今日の反省点かなと思います。

あまりやったことがないCBでの出場になりましたけど、目の前の選手を抑えるというところにフォーカスしてやっていました。自分の強みである縦に刺すところとか自分の攻撃の部分をもっと出せれば良かったかなと思います。CBは難しかったですけど手ごたえもありましたし、どこで使われてもできるというのは自分の強みだと思いますし、リーグ戦も続いていくのでどこで使われてもやっていきたいなと思います。
フォトギャラリー

(写真:高須力)

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