今野浩喜の「タダのファン目線記」 GREAT ESCAPE再訪 後編

今野さんが「ただのファン目線」で行きたい場所に足を運び、会いたい人に会い、書きたいことを綴る本連載。今回は、2023年の3月に一度訪れた、大宮駅西口にあるハンバーガー屋さん『GREAT ESCAPE』に再訪。後編では、熱心なアルディージャサポーターでもある店主の今井さんと、「利きレッドブル対決」を行いました。


デジャヴ?な花粉症の話

今野「そういえば、前回の訪問時の記事、読み返したんですよ、俺も」

今井「ええ」

今野「(今回と)同じような時期じゃないですか。それで、花粉症ですよね?」

今井「花粉症です。今野さんは大丈夫ですか?」

今野「強めの薬を飲んでるので、鼻水がバーってことにはなってないんですよ。だけど、うっすらずっと眠い感じですね」

今井「はい」

今野「決して体調がいいなっていう感じはないですね」

今井「仕事には影響するんですか?」

今野「結構影響します。ただ、見た目では分からないので、ただのミスに見えます」

今井「アハハハ」

今野「なんかね、人の言ってることが入ってこないんです。ボーっとしちゃって。だからセリフが飛んだり、何も分かんなくなっちゃったり(笑)」

今井「何も、ですか。そう言えば、セリフをガッツリ忘れて舞台袖に聞きにいったって、この前のコラム(3月28日配信)に書いてありましたね」

今野「そうそう」

今井「普通に聞きにいったんですか?」

今野「もう、普通にいきましたね」

今井「ウフフフ」

今野「これは言い訳というか、『バナナマン』のラジオを聴いてるんですけど、何年か前の単独ライブのときに、日村さんがセリフを飛ばして袖に聞きにいったっていうのを聴いてたせいか、その場で思い出そうっていうのより、『袖に聞きにいってみよう』が勝っちゃったんです」

全員「(爆笑)」

今野「『してみたい』のほうが先に出ちゃったんです。だから、堂々と袖に行きましたね」

今井「周りの演者さんの反応は?」

今野「そのときは舞台上で1対1だったんですけど……うん、大変だったと思いますよ」

今井「『行ったー』って感じですかね」

今野「しかも、根本は俺のせいなんでしょうけど、袖で台本を持ってたスタッフさんが、すげえ先のセリフを教えてくるんで『違う!それじゃない。もっと前!』って。聞きにいった立場の態度としてはおかしいんですけど、『違う違う、ちょっと貸してみ』って(笑)」

今井「(笑)。舞台上から完全に消えたわけですね」

今野「消えました」

今井「アハハハ」

今野「それぐらいの悪影響がありますよね、花粉症には」

今井「そうなんだ」

今野「今井さんは大丈夫ですか?」

今井「3月の中旬くらいに、すごい花粉症だなと思いました。風邪みたいな症状もあるじゃないですか」

今野「最初は分からないですよね。あとは、認めたくない」

今井「ええ」

今野「だから、これはただの風邪って思い込もうとするじゃないですか。でも、花粉症になったら今度は逆になるんですよね」

今井「そうですね」

今野「風邪を引いてるくせに、いや、これは花粉症だって」

今井「ホントそう!」

今野「花粉症になると、味覚がおかしくならないですか?」

今井「あぁ……」

今野「料理を作るのに支障はきたさないですか?」

今井「もともと悪いんです。だから今回の利きレッドブル、すごい自信ないんですよ」

今野「もともと悪いって、どうやって作ってるんですか」

今井「基本、食べられるものは美味しいに決まってるって考えです」

今野「すごい自信ですね」

今井「いやいや、ほかのスタッフを信頼してるんで」

今野「なるほどなるほど」

想像以上の難しさに大苦戦

今野「じゃあ一旦、利きレッドブルをやってみましょうか」

今井「全然自信ないですね」

今野「一つ飲んで、飲み比べてこれだって当てるか、全種類飲んで当てるか」

今井「難しそうですね」

今野「まあ、レッドブルとしては『当てるってなんだよ』って思いはあるかもしれないですけどね」

今井「ですよね(笑)」

今野「とにかく、やりましょう。当たりそうですけどね、味と色で。ちなみに、これまで飲んだことはありますか?」

今井「普通のやつと、トロピカルフルーツフレーバー(イエローエディション)の2種類だけですかね」

今野「トロピカルフルーツフレーバーって、俺は初めて見たな」

今井「結局、何味かは分からなかったです」

今野「せんべいで言うサラダ味みたいなもんですかね」

今井「そうですそうです」

今野「トロピカルフルーツって名前のフルーツがあるなら分かりますけどね」

今井「ブルーハワイ的な感じですかね」

今野「確かに。ブルーハワイも何の味か分からない」

今井「“海味”じゃないし」

――それでは、通常のレッドブル、シュガーフリー、トロピカルフルーツフレーバー(イエローエディション)、巨峰フレーバー(パープルエディション)、ストロベリーフレーバー(スプリングエディション)、柑橘みかんフレーバー(ウィンターエディション)、海外でしか売っていないワイルドベリー味(スプリングエディション)の7種類を飲んでもらって、どれが何味か書いてもらうやり方で、お願いします。


【左から通常のレッドブル、シュガーフリー、トロピカルフルーツフレーバー、巨峰フレーバー、ストロベリーフレーバー、柑橘みかんフレーバー、ワイルドベリー味】

今井「なるほど」

今野「なにしろ、色で分かってしまうっていう」

今井「通常の色ってなんですか?」

今野「黄色っていうか、黄緑っていうか……」

今井「あぁ、濃いめのやつですね」

今野「じゃ、あんまり色を見過ぎないようにやりますか」

(利きレッドブル開始!1本目は通常のレッドブル)

今井「(じっくり色を見ている)」

今野「ガッツリ見てますけど(笑)」

今井「完全に麦茶に見えます」

今野「じゃ、俺も見ますよ」

今井「炭酸の麦茶だ。これ見ても分からない自信がある」

今野「えっ?絶対にあれだと思うんだけど。(今井さんの回答を見て)えっ!まぁ、相対的なものですからね」

今井「あとで変えてもいいですか?」

今野「はい」

今井「もっとみかん味のものが出てきたら、そっちを柑橘みかんにしようかなって」

今野「俺もそう思ってました。飲み比べないと分からない」

今井「コーラとダイエットコーラくらいの違いがあれば分かるんですけどね」

今野「そうですね。でも、ダイエットコーラだけ飲んで分かります?」

今井「それは、分かるんじゃないですかね」

(2本目はストロベリーフレーバー)

今野「これはもう、あれだな。色で分かりますね。この前飲んだやつだ」

今井「ベリーが二つあるのか……。知らないほうのベリーが不安ですね」

今野「ホントだ」

今井「未知のベリーがあるんですよ」

今野「あっ、でもこの前はもっとすっぱかったような気が……」

(3本目はシュガーフリー)

今井「匂いがすごいですね」

今野「3杯目くらいから、わけが分からなくなる」

今井「えー?」

今野「7杯飲んだら1本分くらいになるかな」

(4本目は巨峰フレーバー)

今野「これは匂いがもう“あれ”だな」

今井「そうですね。これは分かります」

今野「普通のぶどうじゃなくて、なんで巨峰なんだろう?」

今井「でも、ホントに分かんなくなってきました」

今野「どれも根底にレッドブルがありますね」

今井「はい。色がなかったら絶対に分からないな」

今野「確かに。色ありきの香りで、そっちに引っ張られるところもありますからね」

今井「そうですね」

(5本目はワイルドベリー味)

今井「ん?」

今野「えっ、これは難しい。でも知らない味だから、あれだと思う」

今井「そうなりますね」

(6本目はトロピカルフルーツフレーバー)

今野「えっ?」

今井「あっ、美味しい。これが一番好きかな」

今野「えっえっ、これ、色的には……」

(7本目は柑橘みかんフレーバー)

今井「これは分かんないな」

今野「ちょっと待てよ……うわ~」

今井「いけたんじゃないかな」

今野「トロピカルフルーツと柑橘みかんの違いが分からない」

今井「う~ん……」

今野「色に引っ張られて、黄色っぽいやつは全部みかんに感じる」

今井「そうですよね(笑)。結局、みかんがどれなのか、分からない」


【最後の最後に解答を書き換える今野さんと、考え過ぎて迷宮に入ってしまった今井さん】

そして、運命の結果発表

――お店に置いてあるのは3種類(通常、シュガーフリー、トロピカルフルーツフレーバー)ですか?

今井「そうです。だから、この3つは間違えたくないですね」

今野「俺は、最終的に味じゃなく色で判断しました」

今井「もう変えようがないので」

今野「(お互いの回答を見比べて)あっ、全然違う」

今井「ホントだ!(最初の予想から)変えたんですね」

今野「はい。味覚を信じられず、視覚で」

今井「シュガーフリーと巨峰は分かりますよね」

今野「そうですね」

――では、結果発表です!


【今野さんが7問中5問正解。今井さんが4問正解】

今井「結構違うな……」

今野「最初に書いてたのでよかったんだ。変えてなかったら全問正解だ」

今井「1本目が普通の味だったんですね。……今野さんだけがやったことにしませんか?」

今野「ちゃんと書きますよ。味の分からない人がやってるお店だって(笑)」

今井「ですね。なんでも美味しく感じるので」

今野「(笑)。どのメニューも美味しいってことか」

今井「今野さん、すごいですね」

今野「あってたんだな。視覚を信じてだまされた。味覚を信じられなかった自分が悔しい」

今井「でも、どの味も美味しかったです!」

今野「色を見て当たったところもあると思うので、色を見ずにできるようにして、今後も続けていければ」

今井「今後もやっていくんですか?」

今野「はい(笑)。そろそろお時間なんで、今日はありがとうございました」

今井「ありがとうございました。次回、味を確かめるような企画はなしで」

今野「分かりました(笑)」


構成:粕川 哲男

協力:GREAT ESCAPE(グレイトエスケイプ)
〒330-0854 埼玉県さいたま市大宮区桜木町2-389 第17松ビル 1F
Tel:048-729-5487

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