【INTERNATIONAL FRIENDLY MATCH開催直前】無敵のバイエルン、その中盤を担う谷川萌々子
7月25日にNACK5スタジアム大宮で開催される、「RB大宮アルディージャ インターナショナルプレシーズン2026」。RB大宮アルディージャWOMENが対戦するFCバイエルンWOMENで活躍しているなでしこジャパンの谷川萌々子選手について、女子サッカーに精通している馬見新拓郎氏に紹介してもらった。






各国の代表選手たちの中で

7月25日の「RB大宮アルディージャ インターナショナルプレシーズン2026」で、RB大宮アルディージャWOMENと対戦するために来日するFCバイエルンWOMENには、世界各国の代表チームの中心選手が所属している。FCバイエルンWOMENでのプレーをスタートして3シーズン目を迎える、背番号18の谷川萌々子も、なでしこジャパンとして活躍している選手のひとりだ。

昨シーズン(2025/26)のFCバイエルンWOMENは、無敗で女子ブンデスリーガの4連覇を達成し、UEFA女子チャンピオンズリーグでは準決勝でバルセロナ(スペイン)に敗れたがベスト4で終えた。

その中で谷川は、中盤の定位置を確保し、女子ブンデスリーガの全26節のうち23試合に出場して8得点。UEFA女子チャンピオンズリーグでは10試合すべてに出場して2得点を挙げた。

海外でプレーすることについて、谷川は「個人的にはフィジカルとメンタルの部分が一番成長できたのかなと思う。フィジカルの部分では、日頃から本当にインテンティーの高いトレーニングをしているので、(海外に)来た当初はすぐに筋肉が張ってしまっていたが、今はそういう環境にも慣れてきた」と、厳しい環境に身を置くことで成長を実感しているようだ。

そんな中、昨シーズン途中の2025年11月25日には、FCバイエルンWOMENと谷川が2029年6月30日まで契約を延長したことが発表された。この契約期間の長さこそが、クラブが谷川の将来性を高く評価している証左と言えるだろう。


少女時代から「頭のいいサッカーをしていた」

現在21歳の谷川は、愛知県名古屋市の出身だ。小学生のころは名古屋グランパスのサッカースクールに通い、その選抜チームである『グランパスみよし』で男子選手の中に混じってプレーした。

当時、谷川を直接指導した磯村健(現、朝日インテック・ラブリッジ名古屋監督/なでしこリーグ1部)は「彼女はパスを呼び込んだりボールを取り返しに行く、ボールへの執着がすごかった」と回想する。「当時から特別に運動能力が高かったというわけではない。でも、ボールを奪われたら奪い返しにガツガツ行く強さが常にあった」と振り返り、「それに加えて視野の広さと判断の早さ。そこは練習の中でどんどん自分で気づいていくから、あんまりたくさん教える必要もないくらい、頭のいいサッカーをしていた」と、将来大きく羽ばたく片鱗が見えていたと言う。

中学と高校の6年間はJFAアカデミー福島でプレーした。現在なでしこジャパンでともにプレーする、古賀塔子(トッテナム・ホットスパー/イングランド)とは、同期だった。

谷川は高校時代の1年の時から主力となり、高2の時にU-17日本女子代表として、FIFA U-17女子ワールドカップインド2022のメンバーに選出されると、現在なでしこジャパンを率いる狩野倫久監督の指揮の下でプレー。準々決勝でU-17スペイン女子代表に敗れてベスト8敗退となったが、大会中に4得点を決めた谷川はシルバーブーツ賞(得点ランキング2位)を受賞した。

高3のときに迎えたFIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージーランド2023では、なでしこジャパンのトレーニングパートナーとして古賀とともにチームに帯同した。練習中の紅白戦では、谷川がゴールを決めたり強烈なキックを披露したりと、その持ち味を存分に発揮していた。

卒校後は、WEリーグを経ることなくFCバイエルンWOMENと契約する。1年目はスウェーデンの強豪であるFCローゼンゴードに期限付き移籍し、いきなり背番号10を任されながら24試合に出場し19得点。リーグ戦9試合連続ゴールで世間を驚かせ、チームのリーグ優勝に貢献しながら、リーグ得点王と最優秀MF賞を同時受賞した。

なでしこジャパンに定着し始めたのもこのころで、2024年のパリオリンピックでは、グループステージ第2節のブラジル女子代表戦で後半アディショナルタイムに決勝点となる鮮烈なミドルシュートを決め、以降はなでしこジャパンの次世代を担う存在として注目されている。




世界トップレベルの選手を間近で見られる機会

なでしこジャパンとFCバイエルンWOMENの両方で中心選手になりつつある、現在の谷川のプレーを間近で見られるのは日本の少年少女にとっても非常に有意義だ。

ドイツ屈指の名門チームの一員として凱旋する谷川は、「世界でもトップクラスの選手がこのクラブにはいるので、個人的にはそういった選手の特長を生で見てほしい」と日本での試合を楽しみにしている。

また、日本人選手とのプレースタイルの差については「海外の選手のほうが思い切りの良さがあるので、それが(海外チームの)縦に速い攻撃につながっている」と分析しながら、「特にウイングでプレーしているクララ・ビュール選手は、本当に足が速くてドリブルもうまくて、クロスもうまい。相手にとって脅威な選手なので注目して見てほしい」と、ドイツ女子代表の俊足アタッカーの名を挙げた。

女子ブンデスリーガ5連覇を目指す、FCバイエルンWOMENでの新シーズン開幕前、そしてFIFA女子ワールドカップブラジル2027まで1年を切ったというタイミングで、谷川の今に注目してほしい。




馬見新 拓郎(まみしん たくろう)
専門学校を卒業後、携帯電話のサッカーサイト『オーレ!ニッポン』編集部を経てフリーランス。以後、2007年から女子サッカーを中心に女子W杯、五輪などを現地取材。JFA news、エルゴラッソ、サッカーダイジェストなどに寄稿。

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