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ディフェンス陣にケガ等で離脱する選手が出ている状況で、期待の大器が帰ってきた。J1昇格に向けて終盤の混戦を戦う中、約1年、JFLのラインメール青森で武者修行をしていた貫真郷が、この緊急時にチームに戻ってきた。青森で何を感じ取り、成長して来たのか、話を聞いた。
――9月8日に復帰が発表されて、約1カ月。どのように感じていますか?
「最初は、練習の中でのスピード感が違って、体力面で少しきつかったです。あと、戻って来てからは、今(チームで)人数が足りないCBをやっていて、あまりやってきていないポジションですけど、ポジションを奪うというくらいの気持ちで頑張っています」
――チーム練習後には、クロスをはじき返す個人練習をしていましたね?
「今のチームのスタイルでは、縦に速く攻めていくことが多いので、それほど攻撃面でクロスが多く出る場面はないかなと感じていますけど、実際の試合で守備になれば、クロスの場面は出てくるので、それを補うためにやっていました」
――大宮復帰は、CBのテコ入れで呼び戻されたというところですよね。戻って来てすぐに監督が代わるという出来事もありましたが、どう捉えていますか?
「練習環境は、絶対にこっちでやったほうが得るものが多いと感じていますし、CBもできるようになった方がいいと思っているので、前向きに捉えています。監督が代わったところは、こういうこともある世界なのかなとは感じていますけど、一番はビックリしましたね」
――監督が代われば、選手起用の基準も変わるもの。ポジション争いへの意識は高いと思いますが、いかがですか?
「僕は、今まで監督交代の経験もありますし、(個人としては)チャンスになると思っています」
――青森でどう過ごしていたかを教えてください。JFLはカテゴリーも違い、かなり環境が違ったのでは?
「(一貫してアカデミーから大宮にいたので)初めてクラブの外に出ましたけど、楽しかったですし、良い経験になったなと思っています。環境は、全然違います。練習が終わった後にシャワーを浴びられる環境にはないですし、練習着やスパイクの管理も自分自身でやらなくてはいけません。あと、青森なので、(試合での)移動が多いというか(距離が)長いというのもありました。ピッチの中では、プレーのスピード感は全然違います。でも、求められることは、あまり変わらないものかなと感じました」
――青森で求められた部分は?
「青森では、最初は3バックでプレーしましたけど、今年に入ってからは5バックの右(ウイングバック)。結構、相手の背後まで走っていくことを意識してプレーすることが多かったですし、そこから守備に戻る運動量の部分を求められていて、全部はできなかったと思っていますけど、意識して取り組んでいました」
――24年、移籍直後は先発に定着していましたが、出番を得られない時期もありましたよね。最後にまた途中出場をするようになっていましたが。主力でプレーするイメージで移籍したと思いますが、どのように受け止めていましたか?
「そのときは、まだ3バックでプレーしていて、感覚をつかんできたかなと思っていたタイミングで外されてしまって、メンタルが結構やられていました。逆サイドからのクロスから失点する試合が続いてしまって、そこが大きな原因だったと感じていました。最後も、出番は本当に最後だけだったので、手ごたえは、あまりなかったです」
――カテゴリーが違っても、勝負の厳しさは変わらないものがありますね。青森の監督が原崎政人さんになった25年は、途中から先発起用が増えて16試合に出場していました。ポジションもウイングバックになり、昨季とは違った手ごたえがあったのでは?
「そうですね。サイドのほうが楽しいというか、やりやすい部分はありました。特に、途中から出ていくときは、試合の流れを持ってこられている自信がありました。ただ、先発で出ているときは、自分のサイドからチャンスを作れていると感じていても、難しさも感じていました」
――異なるカテゴリー、ポジションで悪戦苦闘しながら成長の道筋を描こうとしてきた1年だったと思いますが、大宮に復帰するにあたり、リリースには「強い覚悟を持って帰ってきた」という言葉がありました。その思いは?
「このタイミングは、何かの縁というか、合図のようなものだと感じています。チャンスはあると思うので、1試合でも早くベンチに入って、試合に絡んでいきたいです。残り6試合ですけど、今、自分が求められていることをしっかり理解したいと思っています。今の最終ラインは、しっかりと(選手同士で)喋ることを求められているし、自分はそこが足りていないところでもあるので、意識して頑張っていきたいと思っています。CBで試合に出られたら、身長があるので、空中戦で負けないところとか、若いので運動量の面でも意識してプレーしたいと思います」
(文:平野 貴也/写真:高須 力、早草 紀子)
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