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【トレーニング後コメント】関口凱心 選手「両利きってわけじゃないですけど、左足も自分の武器だと思う」

10試合ぶりに先発した第30節・今治戦でカプリーニのゴールを引き出し、第31節・磐田戦でもオリオラ・サンデーの同点弾を演出した。現在3戦連続先発出場中の関口凱心は、今週のトレーニングでも攻守両面でポテンシャルの高さを見せつけていた。



最も輝くのが11の局面だ。攻撃ではスピードに乗ったしかけでチャンスを創り出し、守備では対人プレーの強さで相手を封じる。大宮の運命を左右するリーグ最終盤を前に、背番号37はブレイクの予感を漂わせている。

――練習を見てもコンディションが良さそうですね。
「夏が明けてからコンディションが上がってきて、ずっと調子がいいです。今後もケガに気をつけてやっていければと思っています」

――1対1の局面では勝負を楽しんでいるようにも見えます。
「そうですね。いまは楽しめています。自信もありますし、やり甲斐も感じています」

――ひさしぶりの先発となった今治戦、どんな思いでピッチに立ちましたか?
(28節の)札幌戦でメンバーに戻れましたし、自分のコンディション的にはまったく悪くありませんでした。次のホームでの長崎戦は試合の終盤に出て、あと一歩のところで勝ちを持ってこられなかったので、悔しさが残りました。ただ、自分としてはしかけられた部分もたくさんありましたし、手ごたえも多少感じていました。今治戦でスタメンと聞いたときは『チャンスが来た、やってやろう!』という感じでした」

――緊張はありましたか?
(緊張)しなかったと言ったら嘘になりますけど、国立競技場での試合とかも経験しているので、以前に比べたら少しは動じなくなったような気がします。でも、ほどほど緊張するので、相手の試合を見て分析したり、好きなサッカー選手の映像を見たり、音楽を聴いたりして、なんとか緊張をほぐしています」



――自身の振り返りを含め、試合映像はかなり見るタイプですか?
「毎試合ちゃんと見ています。アシストや(ドリブルで)しかけるプレーは、最近特に意識しているので、2試合連続アシストを決めたことで自信がつきました。ただ、守備はポジショニングとか寄せがまだまだなので、これからも磨いていく必要があると感じています」

――守備時の対応が課題?
「今治戦での2失点は、どちらも自分のサイドからでした。2失点目は、自分のところでボールを取り切れると思って行ったんですが、一番嫌な剥がされ方をしました。もう少し我慢して対応するとか、前にいたカプリーニを使うとか、やれることがあったと思います。3失点目は相手のスローインからだったと思うんですけど、自分が最後に寄せるところでもっと詰めていれば、クロスを足に当てられたんじゃないかと思います」

――ただ、泉選手は「1対1が一番強いのは凱心」と言っています。
「自分の武器は守備だし、11の強さだと思っています。攻撃でも縦へのしかけとか、中に持ち込んでのクロスとか、バリエーションが多少増えてきたと思うので、そういったプレーは練習でも試合でもどんどん出していけたらと思います」



――利き足は右ですよね。右サイドのタッチライン際に立ったとき、左足でボールを前へ運ぶスタイルは独特です。
「確かに、あんまりいないかもしれないですね。両利きってわけじゃないですけど、左も普通に使えますし、そこが自分の武器だと思うときもあります。なんならシュートも左足の方が得意なんじゃないかなと思うぐらいの感じなので……両利きなんですかね()。今回バロンドールを受賞した(ウスマン・)デンベレが好きで映像を見るんですが、彼も両利きだと聞きました。あと、町田からブリストル・シティFC(イングランド2)に移籍した平河悠選手と、山梨学院大学時代によく11の勝負をしていたんですけど、彼がそういうボールタッチをしていたので、その真似っていうか、そっちのほうが抜ける感覚があるんですよね。いろいろな選手の良いところを盗みながらやっています」

――1対1の局面で勝負をしかけるとき、何を意識しますか?
「相手の重心を見て動くというより、感覚に近いですね……。今治戦のアシストは、最初は立ってボールをさらして、相手がついてきたので1回止まった。間合いとか角度とかいろいろあるんですけど、自分の感覚的に(止まった瞬間に)今いけると感じたので、迷わず突破しました。あそこまで抉られるとDFは絶対に戻らないといけないので、相手の陣形を崩す意味でも効果的だったと思うし、練習の成果が出てよかったと思います」

――磐田戦は右サイドをスピードでぶち抜いてからのアシストでした。
「あれは気持ちよかったですね。でも、アシストはまだ4本なので、残り6試合も結果にこだわってやっていきたいと思います。あと、守備の選手として気になるのは失点です。次の藤枝戦は絶対にゼロで抑えたいです」

――身体能力も「凱心が一番」と聞きます。子どもの頃から運動神経抜群でしたか?
「いや、そんなことないですよ。足は速いほうでしたけど、小学校の頃は50m7秒前半とか。背も小さかったので、スピードやフィジカルで勝つ感じでもなく、ボールタッチや左足の練習をよくしていました。成長期が人より遅くて、高校のとき一気に大きくなった。そこでスピードもついてきた感じなんです」



――走りで一番得意なのは?
「短距離じゃないですかね。中学校のときは大宮のアカデミーに通いながら学校では陸上部に入っていました。そのときは大会とかにも出て、最初は100mでしたけど最後は3000mとかに出ていました。何かの大会で賞状をもらった記憶もあります。あと400mにも1回出たことがあるんですけど、あれは本当にキツい。ペースとかを考える余裕もなく、最初から飛ばして最後までスピードを落とさない感じ。ほぼ全力だったような気がします。そういえば駅伝も走ったことがあるんです。いろいろやって充実していましたね」

――ご両親も何か運動をされていたんですか?
「父は野球をやっていて、母はハンドボールをやっていました。スポーツ一家です。運動神経が良いのは親のおかげですかね。飛んだりするのも得意なので」

――監督交代がありましたが、チームの士気は下がっていませんね。
「プロになってからの1年半(長澤)徹さんに指導してもらったので、感謝しています。徹さんがいなかったら、僕自身ここまで成長できていないと思います。まだまだ足りないことだらけですけど。確かにショックでしたけど、これからの成長の糧にしないとやっていけない厳しい世界なので……。ミヤさん(宮沢悠生監督)の下でJ1に昇格する。それが一番だと思います」



――残り6試合、どのような覚悟で挑みますか?
「本当に崖っぷちなので、心から勝ちたいです。ひたすら勝利を目指してやるしかないと感じています。3連敗したあと立て直して、磐田と仙台にアウェイで勝ったように、一つひとつ勝ちを積み重ねること。そこ目指して頑張りたいです」

――自分のどのような特長を出して勝利に貢献したいですか?
「やっぱり11の攻防ですね。攻撃でも守備でも、大事な局面で自分の良さをどんどん出していければと思いますし、そこで勝てればチームの勝利を引き寄せられる。藤枝戦はひさしぶりのホームなので、しっかり勝ってファン・サポーターと喜び合えればうれしいです。NACK5スタジアム大宮での『寝ても大宮』は(27節の)熊本戦以来できてないですし、僕はあの試合はベンチに入っていなかったので、ホームでひさしぶりに歌いたいです」



(文:粕川 哲男/写真:高須 力、早草 紀子)

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