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ライプツィヒキャンプ8日目。この日は早朝、午前、午後の3部練習だ。
朝6時にホテルを出て、動物園も併設する広大な公園に到着。約6kmを走る。ホテルに戻って朝食をとり、10時40分からミーティング。ここでは「インテンシティとは何か」という大きなテーマについて、選手の声を聞きながら30分以上の時間が費やされた。
その後、室内トレーニングを行ない、本日の練習に関するミーティングを少し。肉体的な疲労に加え、思考力や判断力も試されるようなハードスケジュールだ。
11時20分過ぎ、グラウンドに姿を現わした選手たちは数種類のドリブルでフィーリングを確かめる。そこからピッチを変えて、前日も行なった10人が連動するプレスを繰り返す。対戦相手が4-3-3の場合、どのような並びで対応するのか。いつ、誰が、どの位置までプレスをかけに行くのか。同じタイミングで連動することを追求し続ける。
練習の合間にはスプリントがあり、選手たちの体力が奪われていく。今日の練習も相当に厳しい。
2グループに分かれて進行した練習の最後は、ディフェンスラインだけで動きを確認する。4人が一糸乱れぬ動きをするには、全員が声を出し合わなくてはいけない。西尾隆矢や村上陽介が声を張り上げた。
午前練習が終わったのは12時45分。選手たちは極限近くまで追い込まれており、「疲労はピークで、頭も(考えることで)パンパン」と言う選手もいるほどだ。
午後練習は、ミーティングと室内トレーニングを挟んで16時20分にスタート。最初は5人1組で手を繋ぎ、リフティングしながらゴールを目指す。続けて、ヘディングでパスをつないでゴールを狙う。早朝と午前の練習により疲労の極致にいた選手たちも、いざボールを使った練習が始まるとテンションが上がり、声をかけ合ってゴールを目指していた。
その後、パス回しからのシュート練習を行ない、締めくくりは6対6のミニゲーム。GKが3秒以内にボールを手放す設定のなか、攻守が入れ替わる。コーチングスタッフが激賞するシーンが何度かあったが、笠原昂史の左足キックに走り込んだ豊川雄太のボレーシュート、華麗なダブルタッチでゴールに迫った泉柊椰のドリブルは圧巻。尾崎優成や加藤玄は優れたリーダーシップを発揮していた。
ポイント制で争われていたミニゲームの最後には、順位決めのためにゴールデンゴール方式のPK戦も実施した。結局、足でボールを弾き出した志村滉のグループが勝者となった。
今週2度目の3部練習とあって、さすがに選手たちも疲労の色が濃い。だが、若者は下を向くことなく、前向きな姿勢でトレーニングに取り組んでいる。表情に力がある。
「練習が厳しくてメンタルが下がることもありますが、ピッチで言い訳はできません。やるしかないし、やれる。はい、若者の特権です(笑)」
そう言いながら微笑んだのは、木寺優直だ。
木寺は、ゲーム形式のトレーニングや練習試合で一貫して右サイドバックを務めている。慣れ親しんだポジションだが、ナルシス・ペラッチ・ナダル新監督の下、多くの刺激と学びを得ているようだ。
「これまでは外に張ることが多かったんですが、いまは内側に入ったり、サイドを駆け上がったり、同じサイドのユズ(小林柚希)やコジくん(小島幹敏)とのローテーションもあるので、自分が成長する良い機会だと考えています。立ち位置が細かく決まっていて、スライドに関しては昨季よりも言われるので、それに応えられるように、体力面のところはもっともっと鍛えたいと思います」
とはいえ、この日の3部練習でチーム最多の走行距離(約17km)を記録したのは、木寺だ。
木寺は、ここ1年で驚異的な成長曲線を描いている。
明治安田J2・J3百年構想リーグ開幕前の沖縄キャンプで、初めてトップチームの練習に参加した。2種登録されたのは2026年2月13日。一足先に2種登録された同期の神田泰斗、小林柚希、エドワード真秀から遅れを取った形だ。ところが、その翌日の北海道コンサドーレ札幌戦でベンチ入りを果たすと、2月27日にプロ契約を結び、5月3日の福島ユナイテッド戦でJデビューを成し遂げた。
結局、百年構想リーグでは4試合147分間プレーして、同期のなかで最も数字を残した。また、初めて年代別日本代表にも選出されて、フランスで行なわれたモーリスレベロトーナメントに参加。そして今、「初めて来ました」というドイツで、虎視眈々とレギュラー獲りを目指している。
「ここまで成長できたことをうれしく思いますが、上に行けば行くほど壁にぶち当たっています。日の丸をつけて初めて世界と戦いましたが、日本で通用したことが全然通用しなかった。つねに壁を感じています」
ただし、迷いはない。悩みながらも、確実に成長の階段を駆け上がっている。
「監督が新しくなって評価はフラットなので、自分にもチャンスがあると思います。(茂木)力也くんも(関口)凱心くんもいるので、いまのままじゃ絶対にダメ。1日1日必死に食らいついて、もっともっとトライして、これまで以上に成長していけたらと思います」
2026/27明治安田J2リーグにおいて、木寺優直のさらなるサクセスストーリーを目撃する可能性は、決して小さくない。
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